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2006年6月 2日 (金)

ニーゼン山

Niezen_1  ニーゼンは、標高約2360mでアルプスでは際だって高い山ではないが、近くに高い山がなくその美しさから親しまれている。地方線鉄道のミュレネン駅から登山道も整備されており、ケーブルカーで山頂近くまで登ることもできるそうだ。

 クレーもこの山をとても愛しており幾度も絵に描いてきた。啄木風に言えば「故郷の山に向ひて言ふことなし故郷の山は有り難きかな」と言ったところだろうか。クレーの最大級の作品「パルナッソスへ」のピラミッドをも連想させる山の形は、いかにも彼らしいと思ったが、ニーゼンは実際にこういう幾何学的な三角形をしているのを後日知って驚いた。
 とはいえ、この絵も現実の風景をそのまま写し取ったものではない。モザイクのような森が山を讃える舞台のように手前におかれ、天空には月星霜と同時に太陽(しかも複数?)も並んでのぼる。虚空にそびえるニーゼンは、あらゆる時間の森羅万象を幾重にも重ねて映し出す鏡のごとくである。

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