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2006年5月19日 (金)

本通りとわき道

Highway   画面の中から光を発する絵をかき得る画家は少ない。中でもフェルメールとクレーは、その透明感、静謐さにおいて際だっている。
 この絵は、まさに絵の具自身が発光している。それまで素描が作品の中心で色彩に自信がなかったクレーは、マッケ、モアイエと訪れたチュニジアの風景を見て、自身を色彩画家なのだと気づく。啓示を受けてから14年後、再びアフリカを訪ねた印象を描いた「本通りとわき道」は、クレーの才能がすでに完成の域に達していたことを証明している。
 エジプトの砂の赤と緑。一見ランダムに見える色彩のリズムが、中央の広い道に収斂され蒼黒い高みに導かれていく。それは、アフリカの心象風景であると同時に、画家としてのクレーの生き方を象徴しているようだ。

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