2010/03/13

肩書き

 肩書というのは妙なもので、会ったこともない、顔も知らない人でも、耳になじんだような肩書が付いているだけで、安心してその人の言動を信用してしまうらしい。資格もないのに「医師」や「弁護士」を名乗れば法に触れる。落語が話せないのに落語家と言ったらすぐばれる。しかし、著述業、ナントカ研究家、ホニャララ・コーディネーターとかは何の規制もないから、自分さえそう思えばいい、お金もかからないから気楽なものだ。その最たるものが「平和運動家」だろう。何をもってそういうのか、私には全く分からない。「家」とつくなら、狭義に物質的なものでなくても、何かを生産して社会に貢献しなければなならないだろう。彼らは何で貢献しているのか?

 今は隠遁しているが、かつて寝ても覚めても平和問題を考え発言していた時期も、私は、基本的に「一労働者」、そういうカテゴリーがなければ「会社員」と名乗っていた。どんなに活発に活動していても、それによって1円も利益を得ていないのだから当然だが、話す前から肩書で相手に対して優位に立とうという卑怯な人間に見られたくなかった。平和は個々の生活の中から生まれてくるのだから、真摯に平和を求めようとするなら、相手が本音を言いやすい肩書なしにあえてなるのが自然だ。

 まして、無責任な情報を流して、それで利潤を得ている口実に「平和運動家」という肩書が使われているなら、それは犯罪的行為であろう。もし私が何かの気まぐれで、以前にもまして活動にのめりこみ、定職を辞したとしても、決して「平和運動家」とは名乗るまい。仏の前の肩書は「人間」ひとことでじゅうぶんなのだ。

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2010/03/11

日本の先頭に立つ政治家が911の幻想を支持する!

 ワシントン・ポストの話題の社説を訳してみた。

 私は、この社説に全然賛成できない。日米同盟は、何十年にもわたって東アジアに安定どころか緊張をもたらしてきたし、民主党政権が反米などとは笑止で、自民党政権の異常な対米従属をそのまま受け継いでいる。核密約の追求は腰砕けだし、普天間基地の問題など、自民党政権よりさらにひどいやり方を押し付けようとしている。

 しかし、だ。陰謀説に対する批判に限っては異論はない。仮にも国の外交に責任を持つ立場のものが、無責任な主張を(オフレコだったとしても言っていいことと悪いことがあるだろう)軽率に行うことが、いかに外交を危うくし、ひいては地道に闘ってきた平和運動にいかに悪影響を及ぼすか、あまりにも自明ではないだろうか。

 社説子は、このような陰謀説を知らなかったわけではなさそうだ。こういう未曾有の出来事があれば陰謀説が起こるのは珍しくないと言っている。それでも、一国の政治の中枢にいる人物が加担するのが異常だと主張しているのだ。アメリカにおいて、陰謀説がどのようなスタンスで受け止められているかを象徴する態度だと思う。

 米政府は信用できないし、ワシントン・ポストは商業紙だから当てにできないと言うのなら、IACをはじめ、米国で実績のある平和運動が陰謀説を主張したことがあるだろうか。私がニュースレターを購読している範囲では聞いたことがない。ペンタゴンに突入した旅客機では実際に乗客が死んでいる。その事実を真面目に受け止めるなら、彼の主張する陰謀説は道義的に受け容れられないだろう。

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日本の先頭に立つ政治家が911の幻想を支持する
【A leading Japanese politician espouses a 9/11 fantasy】
(8/March/2010, The Washington Post)
 http://tinyurl.com/y9xv8xz

 藤田幸久氏は、日本で政権を握る民主党の主要な党員の一人である。彼は、民主党の国際局長として、また2007年の選挙で選ばれた参議院の国際・地球温暖化問題に関する調査会の理事として、米政府が最も重要視するアジアの同盟国が外交政策を決定する上で重要な地位にいる。彼は、2001年9月11日に起こった出来事が、米国の演出であり、大規模な詐欺と考えているようだ。

 最近のインタビューで私達に語ったワールドトレードセンターへの攻撃に対する藤田氏の見解は、まじめに議論するには、あまりに奇妙で、粗雑で、知性を欠いたものだ。彼は、この事件が本当にテロリストの仕業かどうか疑問だとして、陰謀を前もって知っていた闇の勢力が株式市場を操作して利益を得たと示唆している。また、19人のハイジャック犯のうち8人が健在であるという空想的な考えを受け売りする。さらに、少なくともツインタワーに隣接した7ワールドトレードセンタービルの崩壊は、火災や瓦礫のためというより制御解体とした方がうまく説明できるとほのめかした。

 歴史的に経験したことのないような規模や範囲の災害でたいていはそうなるように、9月11日の事件も、国内外で陰謀論者のサブカルチャーを盛んに巻き起こした。藤田氏の例が唯一目新しいのは、正気を失った過激派の空想に何の抵抗力もない人物が、世界第2位の経済力を誇る国の政府組織で重要な地位を占めてしまったということだ。

 藤田氏の見解が日本で広く受け入れられていると信ずる根拠はない。支持されていないだろうし、多くの日本人は当惑しているのではないだろうか。24人の日本市民が亡くなった米国同時多発テロの独自調査を日本政府が引き受けるという彼の2年前の提案は失敗した。それにもかかわらず、アメリカ合衆国に対する根深い不信に基づく彼の見解は、民主党と鳩山政権に一貫する反米思考の気質を反映しているように思える。

 昨年夏に選出された鳩山首相は、日米関係をより「成熟」させるとともに、中国との結びつきをより密接にすると呼びかけた。彼は、日米同盟はこれからも安全保障の礎だというこれまでの信条を再び断言したが、彼と民主党政権の振る舞いは、その言質に疑念を呼び起こすものだ。日米同盟が何十年にもわたり東アジアの安定に決定的な役割を果たしてきたことは、言い古されてはいるものの真実だ。鳩山氏が藤田氏の様な無謀で事実無根の主張をする党分子を見過ごすならば、日米関係とそれが地域にもたらす利益は厳しい試練に立たされるだろう。
(仮訳 どすのメッキー)
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2009/09/22

兵士達の絶望と希望を私達の胸に ~ 「冬の兵士」邦訳を読んで

 TUP(Translators United for Peace)の努力によって、反戦イラク帰還兵の会による公聴会の記録「冬の兵士」が、岩波書店から邦訳出版された。 田保寿一さんの記録映画とともに、反戦を訴える古典となる書物だと思う。(以下は、Amazonの紹介ページ、TINYURLで短縮してある)

 http://tinyurl.com/lae459

 

 運命はたいてい過酷で理不尽なものだ。人間は個人の力では変えようのない困難に出会う。しかし、その中で、何を大切にし、何を目指して生きていくかは、一人ひとりが決めることができる。「冬の兵士」公聴会で赤裸々な証言を行ったのは、国家と言う怪物にレールを曳かれた運命から、自分の人生を取り戻そうとたたかう人達である。

 国家と言う名前を背負って「合法的に」人を殺すことはどういうことなのか。引き金を引く瞬間何を感じるのか、どんな匂いがし、その後で食べる食事はどんな味がするのか、ほとんど想像ができない。ハリウッドの映画のように爽快ではないのは分かる。しかし、戦後60年家族を直接戦場へ送った経験のない私達にとって、戦場や兵士と言う存在はあまりにも日常から遠い。イラク特措法が成立し自衛隊を派兵したときでさえ、どれだけの人が理解しようと努力しただろう。

 「冬の兵士」を手にして、私は、兵士達一人ひとりの人生の重みを読み流してしまわないよう、各証言の冒頭に書かれた兵士の履歴もゆっくり読んでいった。部隊名や出身地から何が想像できるか、と言われると心もとないが、それを共有しようとする気持ちが求められるような気がしたからだ。すると、出身地域の広範さ、部隊の種類や武器の多さ、これらを日頃はどれだけ無関心に受け流しているのだろうと考えさせられる。軍隊で使われる独特の言葉遣いに、戦争という手段の不自然さが象徴されている気がした。

 用語と言うのは怖い。グァンタナモ基地で任務に就いたクリストファー・アレントは言う。直接的な暴行は言わずもがな、よしんばそうした行為がなくても、何の理由も説明されず突然家族から引き離され、いつ釈放されるとも分からない独房に閉じ込められること、これは「拷問」ではないのか、と。人間を人間扱いしない拷問のニュースに慣れてしまった私達は、直接的な暴行さえなければ人道的であるかのように勘違いしがちだ。麻痺しているのは兵士達だけではない。

 証言の率直さは、法や平和運動の要請などの外的な力ではなく、彼らひとりひとりの心の奥深く根ざした良心の声に支えられている。戦場と言う極限的な状況を通しても、外部の基準に判断を任せることを潔しとせず、自分自身の声に従う力が人間に残っていることに、私は何より感動し、希望を感じた。

 ファルージャやラマーディーに派遣されたジョン・マイケル・ターナーは、名誉戦傷章をむしりとり床に投げ捨てた。同じような姿勢を示した証言者は少なくない。これを勇気あるパフォーマンスとだけ捉えてはいけない。結果的に一部の富裕者の富を増やすために、人生や生命までも危険に晒した彼らへの代償として、名誉でもその後の生活の支援でもなく、こんな飾りしか与えられない絶望を、私達は共有しようと努力しなければならない。

 人間が人間を殺す、あるいは殺される行為がいかに不自然なものか、それを強制させられた人達の声に無心に耳を傾けることによってのみ、私達は気づかせられるだろう。あなたがアダム・コケッシュや、ドミンゴ・ローザスや、その他多くの「冬の兵士」と同じ場所、同じ瞬間に立たされたとき、違う行動が取れるかどうか、いつも自分の心に問うてほしい。罪のない人の人生や生命を奪った一撃の背後には、個人や国家のいくつもの影が積み重なっている。証言を読みながら、私は、イラク侵略直前に13歳の少女シャーロッテ・アルデブロンが、メイン州の平和集会で行った演説を何度も思い出した。シャーロッテは、犠牲となるのは、「ものごとを決められないのに、結果はすべてかぶらなければならない世界中の子どもたちです」と訴えた。武装した兵士と子ども達は同じではない。しかし、兵士も、「ものごとを決められないのに、結果はすべてかぶらなければならない」点では変わりないのではないだろうか。私達は殺し合っているのではない、殺し合わさせられているのだ。

 本を読み終えて「反戦イラク帰還兵の会」の略称「IVAW」の鋭角的なアルファベットの列が、奇しくも兵士達の茨の道程を示しているようで辛くなった。歴史的な政治の転換を始めるカードを手にした私達が、どういう一歩を踏み出すべきか。彼らの声を聞こう。

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2009/04/19

Six Days in Fallujah が受け容れられる土壌

 アレン・ネルソンさんが亡くなってもう4週間がすぎました。壮絶な人生を終えたネルソンさんが今は安らかな世界に生まれ変わっていることを願わずにはいられません。

 先日たまたま中島敦の「山月記」を読み返して、初めて虎としての所業を実感した李徴の気持ちが、ふとネルソンさんや、イラク帰還兵と重なりました。戦場において人間は本当にどんな所業でもなし得る、しかし同時に、人間一人ひとりの中には、戦闘規定よりも、憲法よりももっと根源的で強い良心が住んでいることに衝撃と感動を覚えずに入られません。この世界に縁あって生まれてきたからには、人間を生かしあうために生きたいと誰でも思っているはずですが、この世界は残念ながら内心の声を掻き消し、眠らせ、歪めることばかりに血道をあげているように見えます。

 この4月、米国のコナミグループ関連会社で、ビデオ・ゲームや携帯コンテンツ等の清製造販売を行う Konami Digital Entertainment,Inc.(KDEI)が、「Six Days in Fallujah」(ファルージャの6日間)というタイトルの戦闘ゲームを2010年に発売すると発表しました。このゲームの情報は、ネットを探せばいくらでも見つかります。

 その名の通り、2004年11月にアメリカ軍が行ったファルージャ「掃討」作戦を題材にしたものです。アメリカ軍は、米傭兵殺害の報復として「武装勢力掃討」を口実にイラクのファルージャ市を包囲し、ライフラインを断って兵糧攻めにした後、無差別攻撃を加え、少なくとも6000人以上の市民を直接的に殺害しました。イスラエル軍のガザ攻撃で最近批判を浴びた白燐弾も使われました。

 日本人人質事件の引き金にもなったこの虐殺については、何をおいても、以下を読んで下さい。

 ■ファルージャ 2004年4月
 (ラフール・マハジャン、ダール・ジャマイル、ジョー・ワイルディング、
  エイミー・グッドマン著、益岡賢+いけだよしこ編訳、現代企画室)
 http://tinyurl.com/cqblta

 私も、家族もビデオ・ゲームを全くやらないし、関心もないので、この業界がどういうものか知識がありませんが、それでも、許せるという代物ではないでしょう。コナミ・グループの企業理念「世界じゅうの人々への『価値ある時間』の創造と提供」とは、こういうことなのでしょうか。

 コナミの発表を受けて、帰還兵や、戦死した遺族から、すぐに抗議と発売中止の要望が起こりました。

 元英国軍大佐でイラク戦争の勲章も持つティム・コリンズ氏は、いまだ終結を見ていない現実の戦争はビデオ・ゲームに取り上げるのは軽率な反応で容認できない、と反対の立場を表明しましたし、2003年、イラク戦争で息子を亡くしたレッジ・キース氏は、デイリー・メールに対し「これら恐ろしい出来事は、歴史の記録に閉じ込められるべきだ。ゲームにスリルを求める娯楽として矮小化すべきものではない」と語りました。英国の市民平和団体ストップ戦争連合のタンシー・ホシキンス氏は「戦争犯罪に関するゲームを作り、何千人もの死傷者の上に利益を得るというのは病んでいます。ファルージャの虐殺は、エンターテイメントによって美化されるべきではなく、恥と恐怖として記憶されるべきです」と批判の声を上げています。

 しかし、ゲームのリアリティを高めるために30人の帰還兵がヒアリングに協力していることからも分かるように、一方ではこのゲームに期待する人たちもいるのです。海兵隊の一等軍曹ジョン・マンディ氏は、このゲームが補助的な訓練に役立つと言い、「このゲームを海兵隊は、戦闘それ自体の知識を得るだけでなく、隊員に戦闘規定を考えさせるツールとして利用できる。隊員が一緒にプレーできて、いくつかのことを学べるように、使われるだろう」と述べています。元陸軍軍曹ケビン・スミス氏は、帰還兵が日常への復帰に苦しみ、自殺率も高い現状を憂慮した上で、この戦争が市民にとって実際どのようなものだったのか理解を深めることで、帰還兵への支援が強まることを期待しています。「ゲーム愛好者がこのゲームを通して何かを『体験した』後に、このゲームが肯定的に報道され、退役兵に対する共感が高まることを本当に願っている」と彼は語りました。

 ゲーム制作会社のアトミック・ゲームズと配給元のコナミが、予想される批判等のリスクを冒しても製作や、その公表に踏み切ったということは、市場調査の結果この事業に勝算がある、つまり結局は売れて利益が見込めると判断したことを意味しています。私には、そのことが最もショックでした。

 アトミック・ゲームズのピーター・タムテ社長は、「私達の挑戦は、エンターティメントでもあるゲームの中で戦争の恐怖をどう伝えるかだが、人々に歴史の一場面を目撃させ得る手段はビデオ・ゲームだけなのだ」「私達の目標は、この事件の最中、海兵隊員でいるとはどういうことか、その町の市民でいるとはどういうことか、反政府武装組織でいるとはどういうことか、その洞察を人々に与えることだ」と、意味づけしていますが、言い訳にしか聞えません。結局イラク人を倒せば勝ちなのでしょう?

 アレン・ネルソンさんは、米国人は決して弾に当たらず、戦地の住民からも尊敬されるハリウッドの戦争映画を、全く虚構だと批判していました。たとえ反戦の意味が込められていても、そこには臭いがない、もしあの死臭が映画で表現できれば、椅子に座ってジュースを飲んだりしていられるはずがない、と。

 歴史に対する洞察を与える手段はビデオ・ゲームだけと言う発言は、随分な思い上がりか無知のように思えます。ドキュメンタリー映画「冬の兵士」や昨年邦訳が出版されたジョシュア・キーの「イラク―米軍脱走兵、真実の告発」は、もちろんわたし達は擬似的にでも戦場を体験することなどできませんが、そこで起こったことに対してわたし達が何をすべきか「洞察」を与えてくれないでしょうか。帰還兵の苦しみは、別の手段で支援すべき問題ではないでしょうか。

 ゲームに限らず、デジタル技術の発達によって、表現のリアリティが最優先の価値のひとつに置かれるようになりました。しかし、誤解してならないのは、画面の画素数が何億ピクセルになろうと、CPUの処理速度が何ギガヘルツになろうと、それは現実そのものではないし、相手の人生や心の中を描きつくせることはできない、ということです。それは、機械まかせにしないわたし達の想像力で補っていく問題なのです。

 以前、ネット上で動くゲームで、こんなのがありました。多分イラクあたりを想定した街の風景からテロリストを探してミサイルを撃ち込み、全滅させるというものです。キャラクターは漫画的でリアルではありません。最初に10人くらいテロリストがいるのですが、狙ったつもりでもどうしても民間人に当たってしまいます。爆発の後遺族がやってきて暫く泣き崩れていますが、突然小銃を手にしたテロリストに変身します。こうやって、撃っても撃ってもテロリストが増えていくので、ゲームを終えることができません。終了する唯一の方法はプレーを止めることです。

 このゲームの方が、「Six Days in Fallujah」より遙かに「洞察」を与えてくれます。

 コナミに対する抗議、要望先は以下をご覧下さい。

■コナミ・グループ(日本)の意見受付フォーム
 http://www.konami.co.jp/ja/siteinfo/product.html

■Konami Digital Entertainment,Inc. 連絡先一覧(電話とFAX)
 http://www.konami-digital-entertainment.com/contact.html

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【追記】 27日付朝日新聞等の報道によれば、コナミは、「米国での反応や、電話やメールで寄せられた意見を見て、数日前、取り扱わないことを決めた」とし、少なくともコナミからは米国でも日本でも販売されないことが決まったようです。

 こういう産業は、一般人にどれだけ受け容れられるかで採算を判断しますから、わたし達が正気を保っていれば、発売を断念させることもできるわけです。しかし、別の配給元がハリウッド映画のように巨額の宣伝費をかければ、どうなるかはまだ分かりません。実際日本のゲーム愛好家の中に発売が楽しみだという意見も多く見られたのです。

 ゲームの商品化に反対するだけでなく、「ファルージャの6日間」の真実を忘却させない、歪曲させない努力がこれからも求められています。(2009.4.27)

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2009/03/03

反戦イラク帰還兵の会は即時完全撤退を要求する

 オバマ大統領のイラク撤退期限の延期は、民主党内からも批判がある一方、逆に、マケインなど共和党からは、これまでの自分達の政策の正しさが理解されたと支持される始末です。

 これを見ても共和党やペンタゴンの中には、軍事力によるイラク支配の誤りを反省しないどころか、「対テロ戦争」を更に拡大しようとさえする考えが根強いことが分かります。油でにごった彼らの眼には、殺されるイラク人の姿も、使い捨てにされるアメリカ兵の姿も映らないのでしょう。これ以上犠牲の拡大を1日も許すべきではありません。

 先日は、27日のオバマ演説を受けてのCODEPINKの声明を紹介しましたが、今日は反戦イラク帰還兵の会(IVAW)の声明をご紹介します。

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■反戦イラク帰還兵の会は、オバマ大統領がイラクから完全な撤退を求めるのを見たい
【IVAW Wants to See Obama Call for a Complete Withdrawal from Iraq】
 http://ivaw.org/node/4932
(IVAW 27/Feb./2009)

 対テロ戦争帰還兵及び現役兵の組織として、反戦イラク帰還兵の会(IVAW)は、オバマ大統領が、わたし達の仲間である兵士を帰還させるために、重要な一歩を踏み出すことを歓迎します。しかしながら、18か月という長期間をかけて戦闘旅団を動かし、しかも3万5千人から5万人の軍を2011年いっぱい残留させるという計画は、ほぼ3年間にわたって不正義な軍の占領を続け、兵士達と無実のイラク人たちの命と生活を奪い続ける計画です。

 オバマ大統領は、任務が戦闘から支援に切り替わると言いますが、過渡的な兵力の一部は戦闘態勢のまま残されていて、「対テロ作戦の遂行」の余地が依然として残されています。彼の計画にはまた、イラクに15万人以上残っている民間の防衛業務請負業者と傭兵を引き上げさせるための日程がありません。さらに、永続的な軍事基地を禁ずる問題にも言及していません。

 同時に、彼はアフガニスタンに1万7000人以上の増派をしようと計画しています。彼は、兵士が「最も重い負担」を負っていることを理解していると言いますが、イラクだけから兵士を帰還させておきながら、今度はアフガニスタンの占領拡大のために戦わせるのでは、どれだけ負担が軽減されると言うのでしょう。どちらの占領も長引けば長引くほど、不十分なケアと経済的困窮に苦しむわたし達帰還兵の要求を満たすのは困難になるでしょう。

 わたし達は、今日軍事力で達成されているアメリカのイラク支配が、狡猾な法的、もしくは、財政的、経済的、政治的な手段でこれ以上続くことのないよう保証しなければなりません。元軍警察部隊軍曹で、IVAW議長のケリー・ドーアティーは、「イラクの人々は、完全に主権が尊重され、彼ら自身によって国家を統治するに値し」、それを達成するには、イラクから占領軍すべてが即時完全撤退する以外方法はない、と言います。「これは、すべての職業軍人、兵士、防衛関係の請負業者を撤退させるとともに、すべての軍事基地を閉じ、空爆を停止し、イラクの石油を支配しようとするアメリカの権益を放棄することを意味しています」

(仮訳どすのメッキー 3/Mar./2009)
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兵士一人ひとりにも取り替えられない人生がある ~ DVD「冬の兵士」を観て

 田保寿一さんの誠実な編集が感動的な「冬の兵士」を、胸が詰まる思いで観ました。

 いかなる主張であれ、選択であれ、その行き着くところは、個人一人ひとりの命でなければならないと思います。平和は、抽象的なものであってはいけませんし、平和を求める意志は、たとえ憲法があろうとなかろうと、それが現実的であろうとなかろうと、わたしやあなた個人の情熱から生まれるものでなければなりません。

 イラクで殺された子ども達一人ひとりに名前があり、短くても取り替えられない人生があるように、イラクで人を殺してしまった兵士一人ひとりにも、取り替えられない人生があります。

 DVD「冬の兵士」は、その事実を、平和運動に参加していると自称するわたし達でさえ、ときに実感を失っている事実を、強い説得力で語りかけてきます。

 人間が、自分の意思に反して進路をかえたり、能力の発揮を妨げられる時、そこに暴力がある、とガルトゥングの平和学は教えます。最大の暴力が戦争であることは論を待ちませんが、その暴力は、戦闘行為の直接の犠牲者だけにあてはまるものではありません。戦争は国家が行うものですから、国民の生活すべてを動員します。その中で誰しも加害者にも被害者にもなり得るのです。

 自衛隊が世界有数の軍備を備え、海外派兵への道が徐々に大きくなっている今でも、わたし達日本人が戦場で戦う兵士というものを想像するのは難しい。どうしても、血の通わない戦闘機械のような見方に傾き勝ちです。しかし、彼らも、わたし達と同じ世界に住む人間なのです。

 戦争が人間性を破壊すると言いますが、戦争と言う抽象的な魔物が魔法をかけるわけではありません。戦前の日本軍兵士は、貧しい農村からじゅうぶんな訓練も受けていないまま、補給路も確保されていない戦地に送られました。洗脳のように植えつけられたアジアの人々への差別意識が、最初から略奪が前提の様な作戦で何をもたらすでしょう。南京虐殺やマニラの火あぶり等等は、そうした具体的問題が集積した必然として起こったのです。

 目を覆うようなイラクでの米軍兵士の残虐行為も、交戦規定の軽視、中東の人々やムスリムの人々への差別意識の擦りこみ、デマによる恐怖の植え付け、指揮系統の混乱、過剰な装備の投入など、政策の誤りの必然として惹き起こされたものであり、兵士個人の暴走でかたづけてしまっては、公正とはいえないと思います。

 片足だけでなく、PTSDの発作によって仕事も家族も失い、何度も自殺を考えたマイク、二度目の召集で自殺を図るまで追い詰められながら戦友に対する負い目に苦しむクリストファー、テロと戦争の違いはどこにあるのかと問うリアム…。彼らはアメリカを愛し、自分の人生を他人の幸福のために使いたいと思って志願した人達です。しかし、アメリカは、ブッシュは、殺されたイラクの人の命にも、アメリカ兵の壊された人生にも責任を取りません。この作品が訴えるように、ブッシュは、イラク人、アメリカ人含め、この世代をまるごとぶち壊したのです。政権が変わっても、真の敵はまだ、手の届かないところでほくそ笑んでいます。

 ウィンター・ソルジャーを開いた反戦イラク帰還兵の会は、イラクからの軍の即時撤退、帰還兵の福祉の実現、イラクへの賠償を要求しています。アフガンへの増派や、イラク撤退の大幅延期を発表したオバマ大統領には、彼らの叫びが聞えていないかのようです。

 わたしは、以前宮沢賢治の童話「北守将軍と三人兄弟の医者」の作品論で、殺されることはもちろん辛いが、人を殺してそれが罪に問われないことはもっと辛いかもしれない、と書いたことがあります。身体的、経済的、精神的に苦しむ帰還兵がありのままの事実を人前で話す苦痛と勇気は、わたしが想像できるような容易なものではありません。

 戦争の生き証人である彼らの声を聞けば、戦争は例外なく酷く、汚いもので、「よい戦争」「悪い戦争」の区別などあり得ないことが、改めて胸深く刻みこまれるでしょう。

 あなたの大切な人と、彼らの声を聞きましょう。何度でも向かい合うべき作品だと思います。

 この作品が、一人でも多くの人に鑑賞され、やがて、平和を求める日本市民とアメリカ市民の連帯へと繋がっていくことを願ってやみません。

■「冬の兵士」ホームページ

 http://wintersoldier.web.fc2.com/wintersoldier.html

 上記から、DVDを購入できます。個人と団体の区別なく、上映会で使用する場合でも1本3000円です。3分の予告編も視聴できますので、どうかアクセスしてみてください。

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2009/03/01

オバマのイラク撤退計画は「公約違反」である

 オバマ米大統領は、2月27日、海兵隊基地キャンプ・レジューンで行われた演説で、イラクからの撤退計画に触れ、現勢力約14万人のうち、戦闘部隊約10万人を来年8月末までに撤退させるものの、残りの部隊については当面残留させ、完全撤退は2011年末とする方針を明らかにしました。

 選挙公約だった就任後16か月での撤退が延期されるという噂はありましたが、この演説はそれを裏づけるもので、しかも19か月という大幅な駐留延長となりました。(最初の撤退でさえ、3か月遅れています)残留部隊の役割について、オバマ大統領は「イラク人部隊を訓練するほか、軍事顧問として活動し、一部は限定的な対テロ作戦や米国人保護にあたる」としています。しかし、「冬の兵士」の証言でも確認されるとおり、イラク国民の多数の意志はアメリカ軍すべての即時撤退です。オバマ大統領は、「イラクは正統な統治機構を持つ主権国家」であるという自らの主張とどう整合をとるつもりでしょうか。

 この変更を、実務上のやむを得ないものとするのか、本質的なものとするのかアメリカでも意見は分かれているようです。全体的には、時期は公約どおりではなかったが、約束どおり手はつけたということを評価する意見が、日本のメディアなどでも多いように感じます。

 しかし、これはつい最近始まった占領ではありません。大義のないまま6年間も続き、侵略開始から既に「少なくとも10万人程度」、実際は100万人とも推定されるイラク人が犠牲となっているのです。イラク人、アメリカ兵ともに、これ以上の犠牲に何の意味があるのでしょうか。イラク戦争が誤りだと本当に認めるのであれば、即時全面撤退に着手するしかないはずです。

 以下は、アメリカの女性平和グループCODEPINKが、27日のの演説を受けてすぐ発表したコメントです。

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■オバマのイラク撤退計画は「公約違反」である
【Obama's Iraq Timetable for Withdrawal is 'Broken Promise'】
http://codepinkalert.org/article.php?id=4713
(Code Pink, 27/Feb./2009)

 オバマ大統領が今朝、イラクからの撤退期限を選挙公約より遅い2010年8月とし、一部は2011年まで残留させると発表したことに、CODEPINKは失望しました。

 オバマに投票したアメリカ人の多くは、彼が最初から、2009年じゅうに占領を終わらせると主張したことへの賛同によるものです。

「撤退への動きが積極的になる中で、この日程と何万人もの軍が残されることは、占領の終結と言うよりむしろ、その継続のように思えます」CODEPINKの共同設立者メディア・ベンジャミンは述べました。「そうはいっても、撤退に後ろ向きな過去8年間と比べれば、今は、撤退をもっと積極的に進めるよう政府に圧力をかけ続けることができる雰囲気があります。」

 CODEPINKに参加する女性達は、オバマとその政府に対し、イラクに残留する兵も含め、アメリカの軍隊すべてを直ちに撤退させるよう要求します。アメリカ政府は、軍隊による占領の替わりに、外交、人道支援、および難民の再定住に力をもっと注ぐべきです。軍隊を駐留させ続けることは、イラクの中に反対する武装勢力を増やすだけであり、イラク政府と各勢力に交渉力を与えることにはならないでしょう。さらに、アメリカ軍が駐留し続ければ、国際社会はアメリカの撤退の意志を疑い、外交と復興に関する努力への投資を控えるでしょう。

 「後に残される5万と言う兵力は大きな数字です」CODEPINKで企画宣伝を担当するダナ・バリッキは語りました。「そして、イラクに残された軍事基地が、アメリカの納税者から、本来家庭で必要とされる10億ドルを台無しにし続けることについて、いかなる言及もありませんでした。しかし、撤退とその期限は、小さくても過去の政策から前に進む第一歩です。大胆な変革へオバマを動かすのは、わたし達市民の役目なのです。」
(仮訳どすのメッキー 1/Mar./2009)
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2009/02/23

DVD「冬の兵士-良心の告発」

 「チェンジ」の美名の下に、あるいは資本主義の最も脆弱で醜い面をさらけ出した未曾有の経済危機の下で、これまでの価値観が取捨選択なく壊されようとしています。しかし、「よい戦争」と「悪い戦争」の区別などありえないという真実は、変えるわけにはいきません。

 家に帰れば、普通に家族や友人を愛する人々が、戦場でどのような残虐な行為に追い込まれ、あるいは進んで行うようになるか、わたし達が知っている限りでも何度繰り返されたことでしょう。大規模な戦闘でアメリカやイスラエルがジュネーブ条約を遵守した例があったでしょうか。また、「殺す側」にたたされた人々の傷が、「殺される側」より必ずしも癒しやすいものとは限りません。今進められているアフガン増派に見られるように、アメリカ政府や軍は、自国の兵士の命や人生さえ使い捨てにして顧みないのです。

 わたし達は、いつまで権力者の思うまま殺し合いを続けなければならないのでしょうか。

 今、全国で上映や普及が進められているDVD「冬の兵士」をご紹介します。目をそらしてはいけない事実がここにあります。

(以下呼びかけの転載、一部改行調整、URL挿入)
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 田保寿一さん制作の「冬の兵士-良心の告発」についてのお知らせです。

1.「冬の兵士」DVDについて初めてお読みいただく皆さんへ
2.どういうものかご存知でまだ視聴していない皆さんへ
3.すでに購入してくださった皆さんへ

1.「冬の兵士」DVDについて初めてお読みいただく皆さんへ

「冬の兵士」は昨年3月、米国で4日間にわたって開催されたイラク帰還兵らの証言集会を軸としたドキュメンタリーです。911以降、従軍、服務する中で、反戦の決意を固めるに至ったイラクとアフガニスタンの帰還兵によって結成された反戦イラク帰還兵の会(Iraq Veterans Against the War)

 http://ivaw.org/

が、3月13日から16日まで、イラク戦争の実相を語る公聴会をワシントンDC郊外の全米労働大学で開催しました。田保寿一さんは、イラク戦争を加害者の言葉によって検証する目的で米国にわたり、この公聴会に遭遇、そのすべてを収録しました。帰国後、これら帰還兵らの証言とイラク現地での独自取材、帰還兵へのインタビューなどで構成したのがこの作品です。

 罪の意識に苛まれ、戦争を告発する仕事をやりぬくことで人間性を取り戻そうとする若者らの真摯な姿は、あらゆる年代、立場の者が共有すべきあるものを提示しています。

 この作品は視聴する側の受け止め方により、戦争一般の否定、「対テロ戦争」の虚偽の暴露、人間の良心への信頼、などさまざまな解釈が可能です。証言した兵士らの発言内容も田保さんの作品のつくりも、後々の歴史的資料としての使用に耐える、真実の記録となるようにと、細心の注意をもって構成されています。

 http://wintersoldier.web.fc2.com/wintersoldier.html

 ここに「冬の兵士」ホームページがあります。3分の予告編を視聴できますので、どうかアクセスしてみてください。

 またこのサイトから購入申込もできます。

2.どういうものかご存知でまだ視聴されていない皆さんへ

 http://wintersoldier.web.fc2.com/wintersoldier.html

 このサイトにアクセスしてみていただけましたでしょうか。現在、3分間の予告編を視聴できるようにしています。どうかご覧になってください。

 また上映会の予定も掲載していきます。
 2月は千歳烏山で24日に開催されます。案内のチラシが上記サイトに掲載されています。

 個人と団体の区別なく、上映会で使用する場合でも

 1本 \3,000-

です。

3.すでに購入してくださった皆さんへ

 ご覧になっていかがだったでしょうか?
 感想や改善案をぜひ
 http://wintersoldier.web.fc2.com/wintersoldier.html
のメール機能を使用して「冬の兵士製作委員会」までお寄せください。

 また広めたいと思われる方、アイデアをお寄せください。
 大量に販売する場合などもご連絡ください。
 上映会をなさる方は上記サイトにも情報をお寄せください。

●「冬の兵士」DVDの最初のバージョンは昨年末に完成し販売を開始しました。現在販売しているバージョンは1月20日に改訂したものです。
大筋は変わりませんが、よりよくなっていることは確かですので、上映会で使用される場合は最新バージョンと交換の上お使いくださるよう、お願い申し上げます。無料で交換いたします。上記サイトからお申し込みください。上映会はしなくてもご自分で何度もご覧になる場合も、交換サービスを利用されることをお薦めいたします。
お手間をかけて申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

(最新バージョンは盤に「1.20」と印刷してあります)

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 米国大統領がオバマに代わり、米国でも日本でもイラク戦争は忘れ去られそうな気配です。もはやイラク戦争に義があったとは誰もいわない。占領はやがて必ず終わるだろう..しかし世界の、そして日本の有権者は、アフガニスタン攻撃に続きイラク戦争に踏み切ったときのものの考えかたを完全に批判・払拭できたのでしょうか。

 イラク戦争を最初から批判していたというオバマ大統領は、今、アフガニスタンへの増派を語っています。イスラエルを支持しています。日本は海賊退治に自衛隊を出します。イラク、アフガニスタン、パレスチナで市民の殺戮が続いています。

 この作品が日本の多くの有権者や若者に視聴され、イラク戦争について、テロを戦争でなくそうという路線・宣伝について、正しい認識を培うことができることを願います。

 冬の兵士製作委員会普及班一同

「冬の兵士」ホームページ
 http://wintersoldier.web.fc2.com/wintersoldier.html

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 以下もご覧下さい。

■高遠菜穂子さん「iraq hope diary」の記事
DVD『冬の兵士 良心の告発』
http://iraqhope.exblog.jp/10384537/

■TUP速報 791号
田保寿一の「冬の兵士」公聴会取材記録
http://groups.yahoo.co.jp/group/TUP-Bulletin/message/824

 また、DVD「冬の兵士」とは直接関係ありませんが、以下も、同じテーマを考えるのに有益だと思います。

■「イラク―米軍脱走兵、真実の告発」
ジョシュア・キー、ローレンス・ヒル(著)、井手真也(訳)
合同出版 (2008/08) \1,680-
(出版社紹介文から)貧しい人びとをだまして戦地におくる、アメリカ格差社会の現実。イラクでの蛮行の数々。そのすべてを元兵士が書いた。
 http://tinyurl.com/bvr2z3

■岩波文庫「ベトナム帰還兵の証言」(陸井三郎訳・編)
・歴史的名著ですが既に絶版。以下で復刊リクエスト中です。
 http://www.fukkan.com/fk/VoteDetail?no=24265
(どすのメッキー紹介文から)アメリカ政府が実施した政策を暴露するために、100人以上のベトナム帰還兵が、戦場で行った戦争犯罪を自ら告白した記録の要約。任意に設置できる自由発砲地帯、捕虜の虐待、ソンミだけではない村落の殲滅、農地の破壊、組織的な強姦、などの戦争犯罪を、アメリカ軍部は「上官の命令」として設定し、その遂行のために、兵士達を非人間化する体制をつくっていった。

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非人道的なアフガン増派「何故オバマは悪い戦争を拡大するのか?」

 オバマ大統領は演説が上手いといわれ、日本でも若い人が彼の演説を真似していると聞きますが、(発音の明瞭さは別にして)果たしてそうでしょうか。確かに、シンプルな語彙を組み合わせてイデオムを作り出す才能はありますね。「One President at a Time」とか「bad war」とか。でも、わたしには、詭弁が上手いとしか感じられません。

 2月17日、オバマ大統領は、国防省で行われた会見で、8月の大統領選挙までの治安維持を名目に、アフガニスタンへ1万7千人以上の増派を承認したと発表しました。これでアフガニスタンだけでも5万5千人の米軍部隊が駐留することになります。しかも、この増派は一時的なものではなく、さらに増える可能性が濃厚です。イラクでの戦争は「愚かな戦争(bad war)」として撤退するが、アフガニスタンの戦争は「よい戦争」として推進する。ここに何ら進歩的な価値観を見出すことはできないでしょう。アメリカのメディアの一部にも、アフガニスタンはオバマのベトナムになるのではないか、といった危機感が見られるようになりました。

 21日には、ペロシ下院議長が議員団を率いてアフガニスタンを訪れ、アフガン「復興」とテロ対策強化に主眼を置いた米国の「新戦略」をカルザイ大統領に伝えたそうです。これがいかに一方的なものかは、後述しましょう。

 しかし、必ずしも増派がスムーズに展開できる情勢でもありません。NATOはアメリカの基本方針に賛成しながらも、具体的に自国の兵を送ることには慎重ですし、中央アジアのキルギス議会は19日、アフガニスタン作戦の重要拠点マナス米空軍基地を閉鎖する法案を可決しました。そこで圧力が高まると予想されるのが、ほとんど無政府状態の日本です。アフガニスタンの戦争拡大を止めるために、日本の運動の努力が今求められています。

 以下は、AlterNetの記事ですが、これを読むと、アメリカ政府やアメリカ軍が、兵士をいかに非人道的に扱っているか、そしてその結果アメリカ社会全体が病弊をかかえるようになってしまったかが分かります。

 そろそろ幻想から醒めなければなりません。

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■何故オバマは悪い戦争を拡大しようとするのか?
【Why is Obama Poised to Escalate a Bad War?】
 http://tinyurl.com/cexnoj
(上記URLは、TINYURLで短縮したもの)
( By Daniel Smith, 21/Feb./2009. Alter Net)

 アフガニスタンについて、先週ロバート・ゲーツ国防長官は、この春までに1万5千人以上の増派を行うペンタゴンの提案をオバマ大統領に伝えました。オバマは、アルカイダとタリバンの反政府分子に対するたたかいに軍を増強するという彼の選挙公約の「頭金」として、その計画を了承すると思われます。この増派規模は、前線の指揮官の要求に対し約半分に過ぎません。ゲーツは、すぐに新しい要求を持って帰るでしょう。

 この決定は、オバマ自身の選挙公約であるにしろ、オバマの支持者の多くを戸惑わせました。この決定は、アメリカにもアフガニスタンにも配慮を欠いています。結局、アメリカの「重大な国益」は全く考慮されていません。ジョージ・W・ブッシュ大統領は2001年9月11日の報復として軍事力の行使を選択しました。そして、外国軍がアフガニスタンに留まる限り、アフガニスタンの人々と政府は、彼らの伝統に基づいた主権を完全に行使しうることができないのです。

 また、この決定は、アフガニスタンで作戦の進捗を上げる事を期待されるアメリカの駐留兵や海兵隊にとっても、前向きな展開とは言えません。イラクの勢力から戦術を受け継いだ「反政府分子」によって、イラクでの恐ろしい代償がアフガニスタンでも繰り返され、二つの国で結びつくでしょう。

「頭金」として送られる兵力は、陸軍の2個旅団戦闘チームと海兵隊の1個部隊になるでしょう。もともとイラクに派遣予定でしたが、イラクの治安が「改善」し、アメリカ軍の規模が少なくて済むようになったので、アフガニスタンに行く事になった兵力です。1個部隊は、イラクでの展開に備えたトレーニングを終えており、すでに南アフガニスタンでベース・キャンプを設置する作業に入っています。

■悪い戦争

 アフガニスタンでの戦争は、「良い戦争(good war)」ではありません。それは、アフガニスタンにとって悪いだけでなく、アメリカの兵士にとっても悪い戦争(bad war)です。オバマは、ゲーツの要求に同意する前に、最近の3つの事態に対し注意深い検討を行うべきでした。

 1番目は、2008年に128人と言う記録的な数の兵士が自殺したと、陸軍がふたたび発表したことです。この記録的な数の代償をもたらした原因を議論するため記録を続ける用意をしていた者は、ペンタゴンには誰もいませんでした。さらに、記録されていない噂話の類はたいてい、金銭的、個人的、法的、仕事関連の問題が原因だと封じ込められています。しかし、誰かが記録を精査すれば、最近15か月間の複数の派兵経験、PTSDの発症数と自殺数との間に相関があるのは明らかでしょう。この4年間、自殺者の30%が兵役中に、35%が退役直後に命を絶っています。さらに、複数の作戦に従事した兵士におけるPTSD発症率は、初めての兵役についた兵士よりもはるかに高いのです。

 2番目は、帰還兵の家庭で、家庭内暴力と離婚率の増加が見られる問題です。数か月間、ペンタゴンも知っている通り、兵役についた女性の3分の1が、セクシャル・ハラスメントの被害にあったと告発しました。先週、CBSは、2回に分けたレポートで、全国的な警察の統計によれば、家庭内暴力の50%のケースで、少なくとも一方は軍隊の経験があることが明らかだと伝えました。この10年間で、約90人の女性が殺されています。

■標高に関する問題

 3番目は、アフガニスタンの特殊な地理的条件に関する問題です。アメリカは、増軍の基地をアフガニスタンで極めて起伏が大きく標高の高い場所につくる計画です。厳しい環境にもかかわらず、兵士一人ひとりが運ばなければならない武器と保護具の重量は、典型的な3日間の作戦でも130ポンドから150ポンド(【訳註】約59~68kg!)に達します。わたしは、歩兵隊の小隊長としてでさえ、これに匹敵する重量を訓練で「強行軍」として運べなどと命令したことはありません。これは、海軍省が2007年に示した海兵隊一人当たりの推奨携行重量50ポンド(【訳註】約23kg)の実に3倍です。標高が高く酸素の薄いこと、車が一部使えない起伏の激しい地勢と相まって、必須と見られている装備の重量は、任務からの撤退を促す新しい種類の緊張を作り出すでしょう。2007年、アメリカ陸軍は、筋肉または骨格の変形や破損など、25万7千件に及ぶ急性の整形外科的負傷を記録しました。この数字は、2006年より1万件増えています。

 このままでは、物理的あるいは精神的ストレスから、もっと深刻な場合「永久に配備できない」おそれがあるため、オバマがアフガニスタンに派兵しようと計画している数を現在考えている数よりさらに増やして、歩いて兵器を運ぶ人員を陸軍にもう一度選び出し直させることになるかもしれません。その結果、多くの兵士がPTSDに苦しむでしょうが、助けを求めるのを潔しとしないのが、「戦士の文化」のひとつなのでしょう。

 アメリカ市民は、退役兵が、何度も何度も、彼らが強いられる必要のなかった経験によって、精神的にも身体的にもダメージを受けて家に帰ることに疲れきっていました。その経験が、オバマが大統領に選ばれる要因のひとつになりました。しかし、オバマがこの方針を変えないならば、「ブッシュが忘れた戦争」は早晩「オバマの戦争」に変わるでしょう。そして、アフガニスタンの民間人とアメリカ兵がこうむるあらゆる損害に対し、ブッシュと同様、オバマも責任を負わなければならないでしょう。

(仮訳どすのメッキー 23/Feb./2009)
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 国連が発表した報告によれば、2008年、アフガニスタンの戦争で殺された民間人の数は40%も増加しています。昨年アフガニスタンの紛争の結果、2118人の民間人が亡くなりました。そのうち55%が反政府組織、39%が西側諸国の軍隊による犠牲者です。さらに、外国軍に殺された829人のうち、522人が空襲の犠牲者です。アフガニスタンのハミド・カルザイ大統領は、西側諸国の司令官と政治家に繰り返し空襲の中止を訴えましたが、以前チョムスキー教授がインタビューで指摘していた通り、聞き入れられませんでした。

 さらに、空爆は最近ではパキスタンに設けた基地を拠点とする無人機の攻撃によるものが増えています。無人機の攻撃は、軍にとっては安易に行えますが、民間人の被害がかえりみられていない、と国連は非難しています。

 また、アフガニスタンの治安の悪化によって、2008年には人道支援家も38人亡くなっています。ペシャワール会の伊藤和也さんも、残念ながらその一人になってしまいました。この犠牲者数は、2007年の約2倍です。

 イラクの治安改善は、イラク人自身の努力の結果であり、アメリカ軍の成果ではありません。アフガニスタンに外国人部隊が駐留する限り、安定も主権の確立もありえないのです。

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2009/02/22

ガザの家族への取材 「忘れるなんてできない」

 ガザの子ども達のトラウマが国連でも問題にされるようになりました。

 戦争がもたらす被害は、攻撃している間の人命の損失や物理的な破壊に留まりません。特に子どものときに体験した恐ろしいできごとから受けた心の傷を癒すのは、容易なことではありません。

 家を失い避難所となった学校で生活する家族の生の声を、UNRWAが「ガザの声」で紹介しています。そして、ここで紹介されているぞっとする体験は、おそらく氷山の一角にすぎないものです。

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■「忘れるなんてできない。いつでも頭の中に甦ってくるんだ」
【I can not forget them, they are in my head all the time"】
http://www.un.org/unrwa/refugees/stories/2009/voices_from_gaza/testimonies01_feb09.html
(09/Feb./2009 UNRWA "VOICE OF GAZA")

~ El Fakhoura校に避難した家族へのインタビュー ~

 Testimonies01

 写真は、1月6日、El Fakhoura校の近くで起きた事件で亡くなった人達の葬儀

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 Yusra Ragheb Al Talah(43歳)は、16歳から、まだ15か月まで8人の子どもの母親です。夫は西岸地区にいます。インタビューの最中、彼女はほとんど話さず、とても消耗しているようでした。

「わたしの家は、ベイト・ラヒアのアラタトラにありました。攻撃は18時ちょうどから始まり、戦車や飛行機から砲撃され、とても大規模なものでした。子ども達と家にいた時怖くてしかたありませんでした。

 わたし達は安全な場所を求めて部屋から部屋へ動き回り、とうとう1.5平方メートルの小さなトイレに身を寄せました。朝までそこにいましたが、隣の家をF16のミサイルが攻撃した時、私達の家は崩れて屋根が頭に落ちてきました。わたし達は皆、叫び声を上げ、もう死んだと思いました。近所の人が助けに来て、子ども達を別の家に連れて行ってくれるまでまで、わたし達はそこから動けませんでした。そこにいた3日間、食べ物はなく、子どもにパンをいくらかやっただけでした。わたし達を避難させてほしいと、藁にもすがる思いで赤新月社に電話をかけましたが、救援は来ませんでした。イスラエルがそれを妨害したのだと言われています。彼らがしてくれることと言えば、白旗を掲げて自分で出てくるよう通告することだけです。

 わたし達は、泣き叫んでいる15か月の娘も含め、皆白旗を掲げて出て行きました。わたしはその娘を抱いて歩いていましたが、戦車に近づいたときつまづいて幼い彼女を落としてしまったのです。わたしは彼女を助けあげることができませんでした。道路は完全に破壊され、歩くことができませんでした。わたしはたいへん落ち込んで、気が遠くなりそうでした。近所の人達が、わたしに手を貸し、子どもを連れて行きました。

 戦車はわたし達への砲撃をやめなかったため、西の合流地点に着き、Al Fakhora校に避難するまで、歩きながらずっと脅えていました。」

 しかし、学校では更に悲劇が待っていたのです。

「わたしは、子ども達にサンドウィッチを作っていました。その時、ミサイルが学校のすぐ近くに着弾したのです。わたしは、とても脅えている子ども達を傍に集めました。わたしは、子ども達を抱いて、再び砲撃が始まったことを感じました。窓の外を見ると、通りには殺された人の遺体が横たわっていました。

 攻撃がやんだと聞いてから、わたしは自分の家を診に行きました。すべてが燃え尽きて、何も残っていないのを見て、ショックを受けました。イスラエル軍は、わたしに何ひとつ残してくれませんでした。それ以来、わたしはほとんど口を利けなくなってしまいました。

 子ども達は、とても落ち着かず、小さな物音にもじっとしていられなくなります。子ども達は、父親と別れ、住む家も部屋も、読む本も失くしました。これまでの生活いっさいを失くしたのです。しかも彼らはまだほんの子どもです。このような扱いをされるべきではありません。もう子ども達はずっと年をとってしまったかに感じます。

 子ども達も家を見に行きました。わたし達は、これほどの損害だとは予想していませんでした。わたし達は皆ショックを受けました。子ども達が大事にしていた本や服を持ってこれると期待していたのに、何一つ残っていませんでした。すべて燃え尽きていたのです。子ども達もそれ以来、あまりしゃべらなくなりました。

 まだ7歳や5歳の子どもが自分の家が燃え尽きたのを見た時、どんな風に思うか想像できますか?」

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Abdallah El Najar(8歳)は裸足で遊んでいました。わたしは廊下で彼と会いました。彼は困惑しながら話してくれました。

「僕の家は完全に壊されてしまった。お母さんが僕達のお昼ご飯を作っていたときだった。僕たちは、靴もはかないで全力で走ったよ。大声で叫びながら。

 僕は、あのときのことを絶対忘れない。家を見に戻ったのに、何もないんだ。すごく悲しかった。僕の服、ベッド、毛布、かばん、本、靴、すべて持ってくるつもりだったんだ。でも、ひとつも残っていなかった。」

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Yasser Mohammed El Najar(37歳)は、11人の父親で、UNRWAのアシスタントを引き受けていました。

「わたしの家がF16のミサイルで木っ端微塵になったのは、イスラエルの作戦が始まって2日目のことでした。子どもと一緒に命からがら逃げました、そして、すべてを失いました。

 わたしは、私達の家族に割り当てられた学校に来て、教室で他の家族と一緒になりました。大人の男は、他の家族が寝る場所をつくるために、夜はよく外で寝たものです。ひとつの部屋に115人が同居していたのですからね。

 わたし達はそこが安全だと思っていましたが、隠れる場所はどこにもありませんでした。3個のミサイルが学校の近くに着弾した時、わたしの子ども達は遊び場で遊んでいたのです。目の前で人々が殺された体験を思い出すのは、大人の男にとってもとても辛いことなので、わたしは何も思い出せません。とても辛いのです。わたしは今あなたと話をしていますが、自分がまだ生きていることさえ信じられません。ミサイルが着弾したとき、わたしは子ども達を捜しに駆け下りて、遺体を見渡して、そう手足や他の肉片を、わたしの子ども達の誰かだと特定できる焼け焦げた遺体を探したのです」

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Ahmed Yasser El Najarは、10歳で、小学3年生でした。

「ミサイルが学校の横に落ちて、僕は怪我をしました。榴霰弾で足をやられたんだ。死体を見て怖くなって泣きました。彼らを忘れることなんてできない。いつでも僕の頭の中に甦ってくるんだ」

(仮訳どすのメッキー 22/Feb./2009)
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