« ユスフ・イスラム、ガザの子ども達のためにジョージ・ハリスンをカバー | トップページ | ヤスミン植月千春さん「We Will Not Go Down」弾き語り »

2009/02/12

空を飛ぶ靴

 昨年12月14日、ブッシュに靴が投げつけられた時、わたしは心で喝采をあげたが、正直世の中がどういう受け止め方をするか不安だった。
 しかし、それは杞憂だった。バグダッドで記者の釈放を求めるデモがあったのを皮切りに、あれ以来、靴は歩くための道具だけではなく、世界中で抵抗のシンボルとして、名誉ある昇進を果たし続けてきた。

 ムンタダ・アル・ザイディ記者の投げつけた靴を製造しているイスタンブールの靴屋には、事件から2週間の間に世界中から37万足もの注文が殺到し、この不況下に100人の臨時職員を雇うほどの盛況振りと聞く。しかも、37万足のうち1万9000足は米国からの注文だったというからおかしい。

 しかし、この英雄は、外国指導者を「攻撃した」ことで起訴され、15年の禁固刑を求刑されている。しかも、憂慮されたとおり、投獄中に虐待されているらしい。ありとあらゆる残虐兵器を使って、今日現在IBCの統計で少なくとも90647人の民間人を殺害した責任者が処罰されず、当たってもブッシュの頭で軽い音をたてる程度で生命に別状はないわずか300グラムの靴を投げた人が有罪とは。

 そんな靴をたたえた記念碑ができたと、山本史郎さんのURUKニュース

  http://geocities.yahoo.co.jp/gl/uruknewsjapan/view/20090211/1234355397
 http://www.geocities.jp/uruknewsjapan/index.html

で知った。

Alg_bronzeshoe

 イラクの人たちは、もともと良く笑う笑顔の素敵な人たちだった。しかし、2002年3月19日以後、ニュースで見たイラク人の笑顔と言うのを思い出せない。残念ながら、この像は後に公開禁止になったらしいが、本当に久しぶりにイラク人の笑顔に出会えた。靴から溢れる緑に、どんなに蹂躙されても未来を信じる不屈の希望を見る思いだ。

 オバマ大統領が公約した16か月の撤退期限は早くも実現を疑問視されているが、オバマがブッシュ政権から決別するというのが本気なら、ザイディ記者の処遇を、選挙で意思を示したイラク国民に委ねるべきだろう。

***********************************************

 空を飛ぶ靴

僕らは靴を通して大地を踏みしめる
祭りで足を踏み鳴らすとき
恋人と抱擁を交わすとき
倒れた友に駆け寄るとき
靴は僕らと同じ距離を歩いてきた

今、靴は体を離れて空を飛ぶ
歩いていては間に合わない場所へ
僕ら自身ではないのに僕らの行く先を決めようとする者へ
砂漠に曳かれたまっすぐな怒りの軌跡を
希望の緑で満たしながら

この世に正義と言うものがあるなら
それは靴だ
飾り立てた言葉の酔いを醒ます
言葉なき靴だ
国家と言う名前を背負った銃に立ち向かう
名もなき無数の靴だ

(12.Feb.2008 どすのメッキー)

|

« ユスフ・イスラム、ガザの子ども達のためにジョージ・ハリスンをカバー | トップページ | ヤスミン植月千春さん「We Will Not Go Down」弾き語り »

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/166379/44040380

この記事へのトラックバック一覧です: 空を飛ぶ靴:

« ユスフ・イスラム、ガザの子ども達のためにジョージ・ハリスンをカバー | トップページ | ヤスミン植月千春さん「We Will Not Go Down」弾き語り »