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2009/01/09

母親の遺体とともに見つかったガザの子ども達

 どすのメッキーです。

 世界で最も勇敢な組織は、国際赤十字委員会(と赤新月社)、と国境なき医師団だとよく言われます。彼らは、誰よりも早く戦場や被災地に駆けつけ、一番最後に撤退する、と。

 しかし、イスラエルは、ガザ地区への赤十字(と赤新月社)の立ち入りも、ジャーナリストの立ち入りも妨害し続けています。

 国連の赤坂清隆広報局長は8日、イスラエルの大使へ書簡を渡し「客観的で事実に基づいた情報を得ることはどんな時でも不可欠な重要性があり、今のような緊急事態では特に重要な役割がある」とし、国際メディアがガザに速やかに入ることを保証するよう、イスラエル政府に要請しました。赤坂氏は、国際メディアがガザに立ち入ることを許されていない、という海外報道協会からの訴えを受け、事実を知ることは世界人権宣言第19条でも明記された基本的権利だ、と強調しました。

 人道に十分配慮していると言い張るイスラエル軍が、報道に目隠しをした新しいゲットー(ベネズエラのチャベス大統領は、新しいホロコーストであり、イスラエルとアメリカは国際法廷で裁かれるべきだ、と述べました)で何をしているのか、NYタイムズのこの記事を読んだだけでも、戦慄を覚えます。中立をモットーとする国際赤十字委員会が紛争の一方の当事者をこれほど明確に非難するのは、極めて異例です。

 日本のメディアでも一部報道されていますが、詳しい記事を全訳で紹介します。

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■母親の遺体とともに見つかったガザの子ども達
【Gaza Children Found With Mothers’ Corpses】
 http://www.nytimes.com/2009/01/09/world/middleeast/09redcross.html
(8/Jan./2009 by ALAN COWELL NY Times)

 国際赤十字委員会は、木曜日に「衝撃的な」場面に出会ったと述べました。赤十字委員会の代表が、イスラエルの砲弾で打ち壊されたガザの一部に初めて足を踏み入れたとき、小さな子ども達が母親の遺体に寄り添っているのを。赤十字委員会は、戦闘地域において負傷した人を保護する義務に違反しているとイスラエルを非難しました。

 この非難に対し、イスラエル軍は直接のコメントを控えています。イスラエルは声明で故意に「パレスチナの民間人を人間の盾として」利用しているとして、ガザの敵対者ハマスを非難しています。そして、イスラエルの陸軍は「戦闘中でも、市民が支援を受け取れるように、国際救援組織と密接に協力して働いている」と述べました。

 イスラエル軍は、声明で「決して故意に民間人を狙ったりはしないし、作戦を中断してでも民間人の命を救い、無実の市民を支援するために負傷の危険まで冒す意欲を見せている」と述べ、「いかなる深刻な申し立ても、いったん正式にそのような苦情を受ければ、現在の軍事行動の制約の中で、適正に調査される必要がある」と断言しました。

 ジュネーブにある国際赤十字委員会本部は、ガザ西部のザイトゥンの被害を受けた地域に立ち入ることを土曜日から求め続けていたのに、イスラエル当局が許可したのは水曜日、まさに人道的見地からガザに対する3時間の攻撃中止を受け容れた初日だけだった、と例を見ない厳しさで批判しました。

 声明によれば、水曜日、赤十字が同行したパレスチナ赤新月委員会の4台の救急車が、ザイトゥンに向かったところ、そこの家々のひとつで「4人の幼い子ども達が亡くなった彼らの母親に寄り添っているのを見つけました。子ども達はあまりに衰弱していたので、立ち上がることもできなかったのです。また、成人の男性一人が生きてはいるもののやはりたつこともできないくらい衰弱していました。マットレスの上には少なくとも12人の遺体が横たわっていました」

 救援隊の声明は続きます。「別の家では、負傷者を含む15人の生存者を見つけました。また別の家では、さらに3人の遺体を見つけました。この家からおよそ80m離れた地点で任務についていたイスラエル兵は、その場所は立ち入り禁止だと救援隊に立ち退くよう命令しました。他のいくつかの場所でも、2台の戦車とイスラエル国防軍が近くにいました」

 イスラエル軍が塹壕を掘ったため救急車が目的地に入ることができず、「子どもや負傷者を救急車まで補助カートで運ばなければなりませんでした」と声明は述べました。

 声明は、事態を「衝撃的」と表現したの国際赤十字委員会のイスラエルとパレスチナ地域代表Pierre Wettach氏の言葉を引用しました。

「イスラエル軍が状況に気付いていたのは間違いありませんが、彼らは負傷者を放置しました。イスラエル軍は、わたし達にもパレスチナ赤新月社にも負傷者の救助を認めませんでした」

 国際赤十字委員会は声明で「この場合、イスラエル軍は負傷者を保護して避難させる国際人道法下の義務を果たさなかったと考えます。救助の遅れは決して許されません」と述べました。

(仮訳 どすのメッキー 9/Jan./2009)
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 国境なき医師団は設備も電力もままならない現地で、24時間体制で、すべてをなげうった努力を続けています。しかし、イスラエル軍の攻撃と封鎖が、これ以上続けば、彼らにも限界がきます。

 http://www.msf.or.jp/news/2009/01/1567.php

 UNRWAも一時撤退を余儀なくされた今、即時停戦の声は一瞬も緩めることができない状態になっています。

【追記】この記事を投稿した直後、ザイトゥンの死者が、明らかに民間人を狙った大量虐殺によるものだと国連機関が発表したというニュースを目にしました。

「国連人道問題調整事務所(OCHA)は9日、パレスチナ自治区ガザ地区のガザ市近郊のザイトゥン地区で5日、イスラエル軍が約110人のパレスチナ人市民を1軒の住宅に集めた上でそこに複数回砲撃を行い、子供を含む約30人が死亡したと発表した。」
(毎日 9/Jan./2009)
http://mainichi.jp/select/today/news/20090110k0000m030062000c.html

 ソンミ事件を連想させるような酷い仕打ちです。これはもう一般的に紛争と呼べる状況ではなく、ましてやハマスの武装組織を目標にしたものでさえなく、最初からパレスチナ人全体を対象にした虐殺にほかなりません。選挙後与党であり続けたいために、ここまで人間はここまで残酷で罪を恐れぬことができるのでしょうか。

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