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2009/01/29

ガザでジャーナリストは再び過ちを犯した(後編)

 昨日ご紹介した記事の日本語訳後編です。

 後編に直接来られた方は、まず前編をお読み下さい。↓

http://hope.way-nifty.com/a_little_hope/2009/01/post-2bdf.html

 やりきれない思いを感じます。全文訳し終えて振り返ると、タイトルは「ジャーナリストは機能しなかった」「ジャーナリストは負けた」とした方が意図を伝えられるような気がします。

 わたし達は、この国で、毎日、目覚めて、TVのスイッチを入れたとき、1日の始まりにどれだけ、ガザに限らず、世界じゅう、いえこの国の中で無数に生まれている怒りや悲しみに思いをよせられているでしょうか。

 クリス・ヘッジス氏の思いを、ああそうか、と他山の石にするだけでは、わたし達も共犯者と呼ばれる責をまぬかれないでしょう。

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■ガザでジャーナリストは再び過ちを犯した(後編)
【With GAZA, Journalist Fail Again】
http://tinyurl.com/bgs9y3
(By Chris Hedges 27/Jan./2009 Mediachannel 上記URLは、TINYURLで短縮したもの)

 カウンシル・フォーリン・リレーションズのアメリカ/中東プロジェクト局長ヘンリー・ジーグマンは、「イスラエルは封鎖の緩和に同意することによって、市民を守る義務を果たせたかもしれない。しかし、そうしようとはしなかった」と正しく言及した。「イスラエルがロケット弾から自国の市民を守るため攻撃を開始したと言えるはずがない。そうではなくて、ガザの人々を殺し続ける権利を守るためにこそ攻撃したのだ」

 アメリカの報道の中にも、わずかながら誠実な報道があった。ウォール・ストリート・ジャーナルは、1月24日「イスラエルはいかにハマスを拡大するのを助けたか」という論考を載せた。アメリカの報道機関のおかげで、ハマスは暴力だけを解するイスラム・テロリスト集団以外の何ものでもないという見方が了解されていた中では、珍しい記事だった。そして、いったんガザに入ることが許されると、BBC等の報道機関から派遣された何人かのジャーナリストがいい仕事をした。ジミー・カーターは、紛争を防ぐため彼とカーター・センターが行っている努力について、ワシントン・ポストに特別解説記事を書いた。その記事が他のメディアに取り上げられることはなかったが、イスラエルの論拠に対する重要な反駁となった。けれどもこれらは孤立したケースだ。出版社、報道機関の幹部や編集者達は、その守備範囲においてイスラエルの圧力に全く抵抗することなく、紙面や放送時間をイスラエル当局が捏造と歪曲でいっぱいにするがままにした。これによって、イスラエル軍は容易に戦争犯罪を犯し、しかも犯し続けたのだ。

 イスラエルが国際法に違反していることに鋭く気がついているエフード・オルメルト首相は、すでに、彼が戦争犯罪で起訴されることがないことを指揮官に改めて保証し始めた。

「ガザの任務に派遣された指揮官と兵士は、作戦中、いかなる法廷に出頭させられることもなく、イスラエルはこの件に関し国家として彼らを支援し、彼らの身柄を保護しているのを知るべきだ」と彼は言った。

 アメリカの報道機関が伝える範囲が不十分であるにもかかわらず、イスラエルの残忍な戦術は、国際社会の厳しい監視にさらされた。ヒューマン・ライツ・ウォッチやアムネスティ・インターナショナルらを含む人権団体が、黄燐弾を住宅地域で使うといった、無差別の砲撃と爆撃がもたらした民間人の犠牲の多さを非難した。イスラエルはガザで黄燐弾を使用したことは認めたが、あくまで、煙幕発生と爆撃や砲撃の目標をマークするためであり、民間人に対し直接化学兵器を使ったことはないと主張している。

 ハマスは好ましい組織ではない。ハマスは、ガザの多くで生活を悲惨に陥れ、敵と見なした相手に決死隊攻撃を繰り返してきた。それでも、2006年の選挙で権力を握ると、彼らもガザに効果的な文民統制をもたらした。派閥間の闘争、軍事指導者、氏族、誘拐団、そして犯罪組織によって牛耳られていたガザは、マフムード・アッバスが率いる堕落したファタハ主導の政府の混乱の中に転落していた。ハマスは、権力に就くと、イスラエルへの自爆攻撃を停止した。約1年間にわたりロケット攻撃も中止した。ハマスはイスラエルとの合意を守ったのだ。エジプト人の仲介者を通してではあったが、ハマスは、イスラエルと交渉しようとしていた。しかし、パレスチナ人の中にもぐりこもうと工作していたアル・カイーダに指導されたエジプト人仲介者は、ハマスの指導力を敵に協力するものと非難した。

 イスラエルとアメリカは、2007年6月、ファタハの反乱を軍備支援し後押しすることでハマスを転覆させようと、無謀な行動を企て失敗した。彼らは、従順なアッバスが権力を掌握してほしかったのだ。これに対しハマスは、しばしば野蛮な暴力で抵抗し、アッバスとファタハの影響力をガザから西岸にまで押しやった。イスラエルはその時、彼ら自身汚い仕事に手をつけることを決断した。それは上手くはいくまい。イスラエルは、似たり寄ったりのやり口でヤセル・アラファトとファタハを破壊し、信頼を失わせた。アッバスとファタハにはもう何の権威も信頼も残っていない。多くのパレスチナ人にとって、アッバスはイスラエルの太鼓持ちに見えているだろう。

 イスラエルは今度はハマスを破壊しているところだ。アル・カイーダのように、はるかに暴力的で非合理なイスラム過激派グループが、ハマスに取って代わろうとチャンスを狙っている。そして、いつの日かイスラエルは、ハマスをちょうど今のファタハのように懐かしく見つめるだろう。しかし、その時までには、イスラエルは、パレスチナ人の中で育ったアル・カイーダと戦わなければならないだけでなく、エジプト、シリア、レバノン、さらにヨルダンまでも含めた急進的イスラム政権に包囲されているかもしれない。そうなってからでは、遅すぎるのである。

 イスラエル政府はその戦争犯罪の責任を負っている。しかし、われわれが、イスラエルが大量殺人を正当化するために使った嘘と誤った物語に真実味を与えれば、イスラエルの身勝手な自滅をもたらすだけではない、われわれもまた、自滅する。イラク戦争を準備するときそうだったように、報道機関は再び気力も、勇気も失っている。報道機関は権力の意思に屈している。報道機関は、読者、視聴者にいつも真実を語るという神聖な契約を投げ捨てた。何についても多くを語らず、事実をあいまいにした。国際法を踏みにじった人間殺傷用爆弾の鉄の破片に何百人もの女や子どもが引き裂かれているときも、報道機関はこうしてきた。それが失敗したら、大声でこう弁解するのだ。「公正で、バランスのとれた完璧な仕事だった」と。

(仮訳どすのメッキー 29/Jan./2009)
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【追記】記事中の

「ジミー・カーターは、紛争を防ぐため彼とカーター・センターが行っている努力について、ワシントン・ポストに特別解説記事を書いた。」

に関する関連です。

 ジミー・カーター元アメリカ大統領は、水曜日(28日)アルジャジーラの取材に答え、将来イスラエルとパレスチナの間で結ばれるいかなる恒久的な協定にも、ガザを統治するパレスチナ人の運動体としてハマスを参加させるべきだと述べました。

 カーター氏は、ハマスとファタハの和解が米国とイスラエルの工作で妨害されたと指摘し、2007年の民主的選挙で選ばれたハマスに率いられた統一政府をアッバスが略奪したとの見解を示しました。

 その上で、ハマスは、政権奪取後イスラエルに対する攻撃をやめ、停戦協定をほぼ守っていたとも語り、ハマスを除外して中東に平和を保つことはできないと強調しました。また、オバマ政権が中東特使に任命したミッチェル元上院議員の働きに期待を表明しました。

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ガザ:ジャーナリストは再び過ちを犯した(前編)

 イスラエル軍が再びガザに侵攻するという、ぞっとする出来事も、日本のニュースでは、何か遠い場所から望遠鏡でのぞいているような印象を受けます。この間、イスラエルが、封鎖を一切といていないことも、日本のメディアはほとんど知らないのでしょう。これでは、多くの人々は、残念ながら、ああ、またか、どっちもどっちという感想で終わってしまうのではないでしょうか。

 先日、アメリカの主要メディアに公正な報道を求める運動をご紹介しましたが、NYタイムズの元中東支局長が、メディアの今の限界について、苦悶する文章を書いています。その内容は、わたし達も共感させられ、ガザの状況の厳しさに目を開かせるものとなっています。

 長いので、また前後編に分けて紹介します。

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■ガザでジャーナリストは再び過ちを犯した(前編)
【With GAZA, Journalist Fail Again】
http://tinyurl.com/bgs9y3
(By Chris Hedges 27/Jan./2009 Mediachannel 上記URLは、TINYURLで短縮したもの)

 ガザへの襲撃があらわにしたのは、イスラエルの国際法蹂躙だけではない。アメリカの報道の臆病さもはっきりさせた。イスラエルがガザ攻撃を正当化する捏造や、イスラエルが毎日のように不正義を正義に擦りかえる嘘に挑戦した主要新聞も、テレビ局も、ラジオ局も皆無だった。ほとんどすべてのレポーターは、イラク戦争を準備した時と同様、主体性のないプロパガンダとオウム返しに終始した。われわれジャーナリストが売るものがあるとすれば、それは真実だけだ。それを手放したら、われわれは権力の広告塔かスポンサーにすぎない。嘘を暴くのをやめたら、われわれは、結局自分自身を滅ぼすのだ。

 戦争中どんな政府も本当のことを言わない。イスラエルも例外ではない。イスラエルは戦争で黒いプロパガンダを効果的に使った。攻撃の本当の姿がうっかり漏れてはまずいので、口達者でよくリハーサルされた報道官が巧みに嘘をつき、すべての外国人記者のガザへの立ち入りを禁止し、イスラエル兵は記者の携帯電話とカメラを押収した。アラブのネットワーク・アルジャジーラは、一握りの地元のレポーターと共にガザに入り、われわれの報道無しでは声をあげる術のない人々の声を代弁し、一層増長する嘘に対抗して、圧迫の下のかすかな涙や痛みをとりあげた。これは、われわれの職業的誇りを喚起したが、ジャーナリズムの誠実さを示すこのような例はきわめて少なく、ほとんど耳にすることはなかった。

 われわれは、今度も、アメリカのジャーナリズムの空虚な教訓、空虚なバランスと客観主義に逃げ込んでしまった。悲しみも、痛みも、怒りも、不正義にも目を瞑って、一方に偏ってはならないというばかげた考えが、人間存在の流れを無視して、レポーターが、真実と嘘を同じ重みと放送時間で冷淡に報道するのを許している。バランスと客観主義は、直面している不愉快な真実の解毒剤であり、回避手段であり、権力と妥協する方法なのだ。われわれは、イスラエルのガザへの空爆で子どもをなくしたパレスチナ人の怒りを記録する一方、イスラエルの「自衛の必要性」、すなわち、ガザの家やモスクや学校から攻撃されたため当然自衛する権利があると主張するイスラエル当局の発言を押さえることも忘れない。われわれは、中東すべてにおいて、このようにしている。われわれは、われわれの国の占領によって惹き起こされたイラクの犠牲者を記録するが、「サダムが自分の国民を殺した」ということもすべての人に思い起こさせる。空爆で亡くなったアフガニスタンの家族についても書くが、タリバンが「女性を抑圧する」ことも決して忘れはしない。それによって、われわれの罪はキャンセルされるからだ。こんな教訓は空しい。そして、われわれは何より「対テロ戦争」について言及するのを決して忘れない。われわれは、誰が、どうやって、と聞きたがるが、なぜかとは誰も聞かない。われわれが、権力者の冷たく、死んだ言葉で話す限り、歴史のひとつの見方がもうひとつの見方と同じくらい意味を持つように、偽りを語る言葉も真実を語る言葉と同じくらい力を持ち、われわれの言葉は問題のひとつであって、解決策ではない。

 「『爆弾とロケット弾がイスラエルとガザのパレスチナ人の頭上を飛び交っている』そしてもう一度、『ザ・タイムス』は、あらゆる立場の人から、不公平で不正確だと起訴され、集中砲火を浴びている」ニューヨーク・タイムズの主筆クラーク・ホイトは、新聞の守備範囲に関する彼の意見を快活に書き始め、そして結論を下そうとしている。「イスラエルの最もやかましい支持者とパレスチナ人は同意しないだろうが、戦場から遠く隔たってかつ戦争の混乱の只中で報道するザ・タイムスは、公正とバランスを最大限に保つようベストを尽くした結果、いい仕事をしたと思う」

 イスラエルが、「イスラエルとガザのパレスチナ人の間を飛び交っている」ハマスのロケット攻撃から自らを防衛する権利があるという決まり文句は、記者の間で明白な真実だと認められていた。それは、イスラエルの攻撃について費やされたあらゆる空しい議論の出発点になった。学者とコラムニストも、それを前提として、攻撃の合法性ではなく「釣り合い」について下らない議論を続けていた。イスラエルは、占領軍が民間人の安全を尊重する義務を規定した国際法に違反していた。とりわけ、ジュネーブ条約第33条(【訳註】ジュネーブ第4条約第3編「被保護者の地位及び取扱」第1部「紛争当事国の領域及び占領地域に共通する規定」第33条:被保護者は、自己が行わない違反行為のために罰せられることはない。集団に科する罰すべての脅迫または恐喝による処置は、禁止する。掠奪は禁止する。被保護者及びその財産に対する報復は、禁止する)に。しかし、報道からあなたがそれを知ることはないだろう。組織的な武力も水もなく、イスラエル軍に囲まれて、空腹の人々が暮らすスラムを押しつぶすために世界で4番目の規模の軍事力の一部分である軍用機や軍艦を投入した攻撃も、戦争とはこんなものだと漠然と報じられた。ニュースは、軽装備しかない数人ばかりのハマスの戦闘員や、組織に属さない人々が、F-16ジェット戦闘機や装甲車、数千人のイスラエル正規兵、輸送車、攻撃用舟艇、アパッチ攻撃ヘリコプターに立ち向かっているという不条理な現実に気付くのを妨げる役割を果たした。旧約聖書(イスラエルの物語【訳註】イスラエルは旧約聖書を曲解し、しばしば攻撃の理由に用いる)には合致しただろう。バランスがとれ客観的であったかもしれない。しかし、それは真実ではなかったのだ。

 ハマスのロケット弾は粗末なものだ。たいていは古いパイプからできていて、威力など期待できない。最初に自作されたカッサム・ロケットがイスラエルの国境を越えて撃ち込まれたのは2001年10月だった。それから、2004年6月までイスラエルに犠牲者はなかった。パレスチナの犠牲者5000人(その半分以上はガザの人々で、少なくても3人に一人は子どもだ)に比べ、ハマスのロケット攻撃で殺されたイスラエル人は24人。だからといって、住宅地域にハマスがロケットを撃ち込むのは戦争犯罪であり、それを放免はしない。しかし、この数字は、ジャーナリズムが何の反省も無しに鵜呑みにしてきた筋書きに、疑問を呼び起こす。わたしは、コソボ自治州でアルバニア系住民がセルビア人に抵抗するため一か八かの行動に訴え、数人のセルビア人を殺害した事件を取材したことがある。それまで、コソボでセルビア人が行った不公平な虐殺を戦争犯罪として記事にしたものはいなかった。それはジェノサイドと呼ばれ、それを止めるためにNATO軍が介入することになった。

 昨年6月に確立された停戦を破ったのはハマスではなく、イスラエルなのだ。これは、どの報道でも明確にされなかった。ガザで欠くことのできない資材と食料の集荷をほとんど不可能にした厳しい封鎖をイスラエルが緩和するのと引き換えに、ロケット攻撃をやめることを受け容れていた。そして、いったん合意に達した時点でハマスはロケット攻撃をやめた。それなのに、イスラエルは、協定内容を履行せず、包囲を更に強化させた。国連機関は協定を遵守するよう求め、国際救援組織はイスラエルの封鎖を非難した。イスラエルの中にさえ不満が起こった。メディアに情報を漏らしたという申し立てによって、イスラエル防衛軍のガザ地域の指揮官を辞職し、かつ軍から強制解雇されたシュムエル・ザカイは、12月、イスラエルの新聞ハーレツにこう語った。「イスラエル政府は、ターディヤ、つまり6ヶ月の停戦中、大きな誤りを犯した。ガザ回廊のパレスチナ人の経済的苦境を著しく悪化させるよりもむしろ、平穏を進めることで有利に立つのに失敗した。ターディヤ中、ガザ回廊に経済的圧力をかけ続けるなら、ハマスがその間を活用して、カッサム・ロケット攻撃を再開しようとするのは明白だ。武力攻撃だけを控えても、ガザのパレスチナ人を経済危機のまま放っておいたら、ハマスが何もせず座って待っているなどと期待できるだろうか」

 たとえばハーレツなどの新聞を見れば、イスラエルがこの攻撃を昨年の3月から計画していたことが分かる。イスラエル軍は、11月4日に、攻撃を実行に移し、6人のハマス戦闘員を殺害して、故意に停戦を破った。ブッシュ政権が終焉に近づいた頃に攻撃時期をあわせて、大規模な空爆、舟艇からの砲撃、ガザへの侵入が行われた。もはやホワイトハウスは白紙委任状を出すだけだというのをイスラエルは知っていた。ハマスは11月4日、イスラエルが予想した通り挑発に乗ってしまった。しかし、そのときでさえハマスは、イスラエルが封鎖を解除するなら停戦を延長すると提案している。イスラエルは提案を拒否した。「Operation Cast Lead」は解き放たれたのだ。

(仮訳どすのメッキー 28/Jan./2009)
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2009/01/28

イスラエルの空爆再開に正当性はあるか

 28日未明、イスラエル軍地上部隊が再びガザに侵攻を始めました。

 前日、イスラエル南部キスフィム検問所付近で、道路脇の爆弾が爆発しイスラエル兵1名が死亡したことへの報復で、ラファのエジプトとの境界に掘られた密輸用トンネルとガザ南部の都市ハンユニスを空爆し、検問所を閉鎖したといいます。

 ここで、わたし達が押さえておかなければならないのは、こうした報復に国際法上正当性があるかどうか、ということです。パレスチナ人の武装組織によるとみられる爆弾攻撃で被害が起きたにせよ、翌日に空爆を加えるというのは、あまりにも拙速すぎる対応です。その爆弾が停戦後に仕掛けられたものなのか、そうだとして、それはパレスチナ自治政府、あるいはハマスが組織的に行った結果なのか、それとも、個人や小規模の組織が行ったものなのか、などなど調査するのが先でしょう。その上で、今は国連が現地の視察も行っているわけですから、調査結果を国際機関に申し立てるのがルールというものです。

 イスラエル人の犠牲が軽視されていいはずはありません。しかし、一人の犠牲が起こったからといって、無関係の市民を巻き添えにすることが分かっている空爆を行っていい理由にはなりません。しかも、ガザのトンネルの復旧作業に一般市民が携わっていたことをイスラエル軍が知らないはずはありません。

 停戦条件が双方で合意されていれば、イスラエルもここまで性急な攻撃はできないかもしれません。しかし、今回の停戦は、双方の「一方的」攻撃停止であるため、それを破るにあたって何の国際的合意も必要ありません。「一方的」とはこういうことです。

 空爆はもちろん、インフラが徹底的に破壊され、復興のめどが立たないガザを封鎖することは、個人でいえば未必の故意による殺人に相当します。イスラエル政府は「黙って殺されるままになれというのか」と反論するかもしれません。そうしたら、こう答えるしかありません。「パレスチナはずっとそうしてきたのだ」と。

 現在、たったひとりのアメリカ大統領であるオバマ大統領は、どういう仲介を行うのでしょうか。

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2009/01/25

米軍パキスタン国境地帯をミサイル攻撃、オバマ大統領はノーコメント

 アメリカ軍は23日、オバマ政権発足後初めて、パキスタン北西部、アフガニスタンとの国境地帯にある民家を、ミサイル攻撃しました。18人、あるいは22人以上が殺されました。

 オバマ大統領は攻撃について、(またも)コメントを避けていますが、パキスタン政府は、昨年来、この地域でアメリカ軍がアフガニスタンからの越境攻撃を続けているとして抗議しています。

 以下、アルジャジーラ速報です。

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■パキスタンは、アメリカに攻撃中止を求める
【Pakistan calls on US to end attacks】
http://english.aljazeera.net/news/asia/2009/01/2009124203957198804.html
(24/Jan./2009 Aljazeera)

 パキスタンのアーシフ・アリ・ザルダリ大統領は、アメリカのバラク・オバマ大統領に、アフガニスタンでの戦争とともに南アジア諸国の国境地帯へのアメリカのミサイル攻撃をやめるよう求めました。

 ザルダリ大統領のコメントは、アメリカが、オバマ大統領の就任後初めてパキスタンを攻撃した翌日、土曜日(【訳註】1月24日)にメディアに報道されました。

 タリバンやアル・カイーダの兵士に対するこのような攻撃は何の成果もありません。私設のNNI通信はザルダリ大統領の言葉を伝えました。

 パキスタンの治安担当者によれば、金曜日(【訳註】1月23日)、アル・カイーダと関係がある者を含む8人のいわゆる外国人兵士が、他の14人の人々と一緒に、ワジリスタン地域への2回の攻撃で殺されました。

 外務省によれば、無人攻撃機の襲撃で、人数は特定できないものの民間人も殺されました。

 また、外務省は、これについて、米国職員に「極めて遺憾の意」を伝えたと述べました。

 外務省の声明には、「アメリカが、新しい政権の誕生で方針を見直し、テロリズムと過激主義の問題についてより大きな視点に立った政策を選択するよう、パキスタンは心から願っています」と書かれています。「この攻撃は非生産的であり、中止されるべきです」

■拡大する攻撃

 アメリカのパキスタンへの攻撃は、2008年にはいって増加しています。8月以降
30回以上の攻撃がありました。

 パキスタンは、以前、これらの攻撃における効果と、その結果民間人が犠牲になったことについて批判しました。また、空襲がその地域で反米感情を高めて、敵対勢力の活動を政府が阻止する弊害になっていると述べました。

 パキスタン議会は、米国とNATO軍の攻撃を国家主権の侵害とみなす決議を全会一致で採択しました。

 オバマ大統領は、ミサイル攻撃の方針について言及を避けましたが、アフガニスタンでの戦争と、それに連携したパキスタンの敵対武装組織に対する戦闘は、彼の外交政策の優先事項です。

 リチャード・ホルブルックはオバマ政権のパキスタンとアフガニスタンへの特別大使に任命されました。

 アメリカ政府は、パキスタン政府の治安管理が行き届かない国境地帯へのミサイル攻撃を直接には認めていません。

(仮訳どすのメッキー 25/Jan./2009)
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2009/01/24

ガザ:米メディアに公正な報道を求める運動

 オバマ新大統領が、ガザ「紛争」に対し、ここまで公正な対応をとっていないのは、彼自身の問題もありますが、大メディアの偏った報道で、公正な対応が世論の多数派になっていないためでもあります。

 ガザの停戦署名を集めてきたAVAAZが23日、そのようなメディアを改善する具体的なプランを発表し、カンパを呼びかけています。

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【Help Obama Help Gaza】
https://secure.avaaz.org/en/gaza_media_balance/?cl=176063744&v=2750
(23/Jan./2009 AVAAZ)
(添付動画は著名なコメディアン、ジョン・スチュアート。アメリカの政治家・メディアの一方的なイスラエル支持を「メビウスの輪」と批判し、議論を呼んだ)

 米国メディアが極めて偏った姿勢をとり続ける限り、オバマ大統領が中東で公正な仲介をすることができません。平和のためにバランスのとれた報道を米国メディアの意思決定者に求めるAVAAZの取組にあなたの資金援助をお願いします。

 ヘルプ、ナウ!

 1400人以上が殺され、5000人以上が負傷して、ガザの紛争は一時停戦になりました。しかし、遺恨が積み重なったパレスチナ紛争の根本原因の解決に直ぐ取り掛からなければ、ひどい暴力が再び拡大するでしょう。

 平和を築く大きな希望のひとつは、オバマ大統領が率いるアメリカが公正で責任ある仲介の役割を果たすことです。しかし、米国メディアの強い偏見が最も大きな障害になります。パレスチナが軍事占領下にあると報道するメディアはわずか4%に過ぎません。紛争の当事者両方に共感できる米国人は25%に届きません。国内世論の圧力を考えれば、オバマ大統領でさえ、この問題に対して公正であるのは困難です。

 わたし達は、イスラエルとパレスチナの問題に関して、オバマ大統領が今すぐ歴史的な選択に挑戦すべきだと考えます。チェンジの風は米国メディアを席巻しています。この好機を活かす最善の方法は、じゅうぶん信頼できる個人に小規模の資金を提供し、この問題に一流のジャーナリストと編集者を関わらせ、パレスチナ人とイスラエル人の双方に、事実、情報、平和に関して率直な意見を聞く機会を提供することだ、とメディアの専門家がわたし達に言いました。この取り組みを支持する人を雇用するため、最初に4万ドルあれば十分です。そして、ガザとイスラエルで偏見を取り除くための世論調査を実施し米国メディアが公表するために1万5千ドルが支払われます。さらに、5万ドルをかけて、ガザ、イスラエル、ワシントンD.C.に「平和の壁」をつくり、お互いに、あるいはメディアに対してメッセージを投稿できるようにします。

 陳情に署名した人が2ドル(1.5ユーロ)ずつ提供してくれれば、100万ドルを集められるでしょう。これは、効果的な取り組みを始めるのにじゅうぶんな資金となります。オバマ大統領の任期は、この根深い紛争を終わらせる好機です。しかし、大統領もわたし達の支持なしではそれを遂行できません。わたし達誰もがこの問題を真剣に考え、協力して行動し始める時が来たのです。

 さらに、わたし達は、パレスチナ人とイスラエル人双方が平和のために率直で普通の声を米国メディアに届けられるような行動を公然と強力に推し進めます。どちらの側にも偏らず、わたし達の努力は、親平和が同時に親イスラエルでもあり、親パレスチナでもあることを示すでしょう。なぜなら、それは、双方の人々の持続的な安全と正義を擁護するからです。

 長い間、米国メディアは、バランスの取れた見解をほとんど欠いていました。石を投げるパレスチナの子ども達は、不法で抑圧的な軍事占領へのささやかな抵抗者ではなく、むしろ危険な暴徒のように描かれてきました。イスラエルが続けている占領の壊滅的な本質、すなわち、多くのパレスチナ人が打ちのめされそして殺され、わずかな運動や抵抗も厳しく制限された一種の巨大な刑務所の中で暮らさざるを得ないパレスチナ人の生活について、米国メディアはほとんど伝えてきませんでした。その一方で、同じメディアは、暴力の犠牲になった罪のないイスラエル人について、個人的な生い立ちにまで深く踏み込んで、アメリカ人の同情を誘う報道にどれだけ力を注いできたでしょう。この紛争に関して米国メディアが圧倒的な偏見にとらわれていることを確かめるため、以下いくつかのサイトをリンクしたので見てください。(【訳註】非常に多数のページを紹介しており、動画も多いので、代表的なものに絞り、訳者コメントを添えて文末に紹介する)米国メディアがどちらの側にも同じように心を砕いて報道をしない限り、誰が大統領になっても公正な平和を仲介することはできないでしょう。

 チャンスがやってきたのです。長年のブッシュ政権のトラウマの後に、アメリカの民主主義とメディアに新しい風が吹きました。責任の新しい強調、揺ぎ無いジャーナリズム、そして、メディア専門家達がもっと公正であってほしいという本物の願望。他方では、1年あたり何千万ドルをつぎ込んで、米国メディアに戦争を支持する立場にたたせるための、いくつかの強力な組織が確立した大規模な宣伝のインフラがあります。これは、厳しいたたかいですが、これを避けた楽な方法などないのです。わたし達は、偏見ではなく公正を追求し続け、ジャーナリスト達が怠けずに、するべき仕事を行うのを支援します。オバマ大統領は、この地域に対する彼のアプローチとして、「公正」を約束しました。彼が約束どおり「公正」をもたらすことを政治的に可能にさせましょう。

 以下をクリックしてください。
 https://secure.avaaz.org/en/gaza_media_balance/?cl=176063744&v=2750

【訳註】この陳情は、名前を連ねる署名ではなく、取組の基金集めのためのものなので、賛同してお金を提供してもよい、と思われる方のみ、ページ下のフォームに従い、申し込んでください。基本的に、クレジットカード決済となります。「2.Choose currency and amount」の「Currency」メニューで通貨単位を選択でき、日本の円も選べます。画面に表示されている以外の金額で寄付する場合は「Other (Numbers only)」の左をチェックの上、具体的な数字を入力してください。

(仮訳どすのメッキー 24/Jan./2009)
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 陳情にリンクされたページで代表的なものを以下紹介します。
(コメントはどすのメッキー)

【The Blame Game in Gaza】
 http://www.fair.org/index.php?page=3667
(6/Jan./2009, FAIR)
 *ハマスのみを一方的に非難し、イスラエルの犯罪には触れない大手メディアの記事リスト。

【International Law Seldom Newsworthy in Gaza War】
(13/jan./2009, FAIR)
 http://www.fair.org/index.php?page=3672
*ガザの報道に関して国際法が軽んじられていることの記事リスト。

【The Dairy Show with John Stewart】
 http://www.thedailyshow.com/video/index.jhtml?videoId=213380t=Strip-Maul
 *ジョン・スチュアートの風刺番組のアーカイヴ

【If Americans Knew - A US project helping to convey alternative perspectives to Americans】
 http://www.ifamericansknew.org
 *超推薦!パレスチナ紛争がいかに均衡を欠いているか、2000年9月29日以降の犠牲者数や国連決議数などで比較した資料。これは、国内での運動、特にメディアや政治家へのはたらきかけに使えます。
 例えば、殺された子どもの数、パレスチナ対イスラエルで1050対123、拘束された政治犯の数は、10756対1、失業率は23%対7.3%、壊された家は18147対0!
 一方で、国連決議の対象は0対65!!!

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 呼びかけ団体のAVAAZは、国際市民団体 Res Publica と、インターネットでの市民運動の先駆者である米国の Moveon.org により共同設立されたネット運動体で、世界の様々な団体と連携して、英語等ヨーロッパ系言語のほか、日本語、中国語、ウルドゥー語、トルコ語、ネパール語、ダリー語(イラク)等、数多くの言語で、政治を市民の手に取り戻す呼びかけを行っています。

【余談】「平和の壁(peace wall)」と言う名称について。

 「壁」というと、「ベルリンの壁」とか「イスラエルの分離壁」とか、個人的にはなかなかポジティブなイメージを抱きにくいのだが、一方で思い出すのはピンク・フロイドの名作「ザ・ウォール」である。2006年、御年61になった元ボーカル、ロジャー・ウォーターズは、アラブ系住民とユダヤ系住民がともに生活するネベシャロム近郊の屋外会場に5万人を集めてコンサートを開き、「君たちが壁を壊し、隣人と平和を実現してほしい」と分離壁撤廃を訴えたことがあった。ロックはこうあらねばならない。ちなみに、911の後、気を吐いたグリーン・デイやパール・ジャムのアルバムは、今でも、自分に喝を入れるときのわたしのカンフル剤のひとつになっている。

【追記】金貸し業者からの執拗な迷惑トラバがつくので、当面トラックバック受付拒否設定とします。恥を知りなさい!

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2009/01/23

IAEA、イスラエルの劣化ウラン使用調査開始へ

 白燐弾、DIME。

 イスラエルがガザで使用した残酷な兵器はこれだけではありませんでした。

 アラブ諸国の訴えを受ける形で、イラクで米軍も大量に使用した劣化ウラン使用の疑いについてIAEAが調査に乗り出すことになりました。

 劣化ウランは、きわめて長期間にわたり、攻撃された地域を放射能で汚染し、生物を蝕み続ける物質です。しかも、それがガザのように世界で最も人口密度の高い場所で使われたら、どんなに恐ろしいことが起こるか想像もできません。事実なら、イスラエルは残留兵器や土壌の回収を責任を持って行うべきです。また、放射能の影響だけでなく、民間地域でそのような貫通性の高い兵器を使う必要があったのかどうかも問われなければなりません。

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■IAEA、イスラエルの劣化ウラン使用調査へ
【IAEA to investigate Israeli uranium use】
 http://www.presstv.ir/detail.aspx?id=83203&sectionid=351020202
(21/Jan.2009 PRESS TV)

 国連監視団は、ガザ攻撃の間イスラエルが劣化ウランを使用したとの申し立てについて、調査を開始すると発表しました。

 アラブ諸国がIAEAのモハメド・エルバラダイ議長に探査装置を持って問題の調査に行くよう求める書簡を送った後、国連が水曜日(1月21日)に応えたものです。

 サウジアラビアの使節、マンスール・アルサウド王子は、アラブの国連大使を代表した書簡の中で「パレスチナ人犠牲者の中で、劣化ウランの痕跡が見つかったという情報を深く憂慮する」と表明しました。

「わたし達は、加盟国へ書簡を回覧し、わたし達のできる範囲で調査をする積もりだ」とIAEAの報道官メリッサ・フレミングが水曜日に言いました。

 正確な進め方については、加盟国の相談によって決められる、と国連機関は述べました。

 IAEAのイスラエル大使イスラエル・ミカエルはコメントを避けました。

 しかし、イスラエル外務省の報道官Yigal Palmorは、「わたしは完全にその情報を否定する」と語りました。さらに、そのような主張は「ありがちな反イスラエルのプロパガンダにすぎない」と付け加えました。

 劣化ウランに関するIAEAの記事によれば、「劣化ウランに潜在的な発癌性があると思われるが、数十年の研究の中で癌を惹き起こす危険性について決定的な証拠は得られておらず、調査の結果を正しく位置づける必要がある」ということです。

 それでも、同じ記事は「劣化ウランによって放射された放射線に曝されると癌になる危険性はある。その危険性は、被曝量に比例する」とも書いています。

 人権団体及び外国人高官は、パレスチナ領土に対する空爆、海上からの砲撃、地上侵攻において、多くの論議を呼んだ兵器が使われた疑いに関し、イスラエルを非難しました。

 アムネスティ・インターナショナルとヒューマン・ライツ・ウォッチは、ガザの国連支援機関と共に、イスラエルが沿岸地域を攻撃した際、白燐弾を使用した様々な証拠があると述べています。

 ロンドンに本部を置く人権団体アムネスティ・インターナショナルは、火曜日(1月20日)、ガザの様な人口が密集した市街地域でイスラエルが白燐弾を使用したのは、「戦争犯罪」に当たる、と言いました。

 以前イスラエルは、化学兵器がガザで使用されたという報告を認めず、使用した兵器はすべて国際法で認められた合法的なものだと主張しました。

 しかし、ハーレツが水曜日にどのように報告したとしても、イスラエルは、申し立てのあったガザの町ベイト・ラヒヤ北部に落下傘兵を投入して約20発の白燐弾の発射に焦点を合わせた調査を始めざるを得ないでしょう。

(仮訳どすのメッキー 23/Jan./2009)
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就任後もイスラエルの犯罪を追及しないオバマ新大統領

 今日、やっと映画「チェ★28歳の革命」を観てきました。続編の「39歳別れの手紙」とともにすぐに予約券を購入していたのですが、所用でなかなかいけませんでした。以前、「モーター・サイクル・ダイアリーズ」のガエル・ガルシア・ベルナルも似てると思いましたが、今回のベニチオ・デル・トロはまるで生き写しですね。緻密な取材によって、ゲバラの人間性、農民への愛情、不正義に対峙する勇気、いかなるときも揺らがない原則性が見事に浮き彫りにされていました。一生のうち、一度でも他人のために命を投げ出せる人間さえほとんどいませんが、ゲバラは自らの意思でそれを二度も行ったのです。わたしは、どんなに優れた人物でもカリスマ化するのは嫌いなのですが、人間の生き方を百万語使ってだらだら話すより、子ども達や若者にはゲバラの生き方を映画や本で知ってほしいといつも思っています。

 世界は、オバマ新大統領の「チェンジ」の方向性も確かめないまま、それぞれが自分に都合のいい夢を期待して酔っている様に見えます。そんな中、ゲバラが求め、達成した本当の「変革」を知ってほしい、そう願っています。

 200万人もの前で行われた20日のオバマ新大統領就任式の演説は、世界中に配信されました。しかし、彼は、就任後直ちに中東和平問題に取り組むと明言していながら、現在世界の関心が集まっているガザ危機に関する具体的な方針はまったく語られず、中東諸国からは、「オバマは最近テレビを見ていないのか」と失望の声もあがりました。

 就任式から一夜明けた21日、彼は最初の仕事のひとつとして、エジプトのムバラク大統領、イスラエルのオルメルト首相、ヨルダンのアブドラ国王、およびパレスチナ自治政府のアッバス議長に電話をかけ、「停戦」を支持することを表明したうえで、「ハマスの再軍備を防ぐ効果的な密輸防止体制の構築と、ガザのパレスチナ人のための復興事業を進めるためパレスチナ当局と協力関係を促進する努力への決意」を表明しました。

 驚くべきことに、彼は、ハマスの武装解除を要求しながら、イスラエルの戦争犯罪や、人権侵害行為の再発防止には言及していないのです。(「停戦」後のハマスの勝利宣言も、あまりに無責任だと感じましたが…)

 わたしは、アメリカで市民がブッシュ政権の誤りを明らかにし、政策の転換を国民大多数の意思につくりあげた努力、そして、史上初の黒人大統領誕生の歴史的意義をいささかも軽視するものではありません。しかし、彼が黒人であることによって、彼の大統領としての評価にあまりにもバイアスがかかりすぎていると思わざるを得ません。

 イラクからの撤退、グアンタナモ収用所の閉鎖に着手したことは評価できますが、彼は就任演説の中で、アメリカのこれまでの干渉政策、覇権主義を反省しているわけでもないし、弱者救済の一義的責任が政府にあることを認めたわけではありません。ブッシュはやり過ぎだった、と言っているに過ぎないのです。

 アメリカ中が熱狂に包まれている中、シンディ・シーハンが、「マルチン・ルーサー・キング・ジュニア牧師の日」(アメリカの国民祝日、今年は1月19日)を前に、Dandelion Salad(「たんぽぽサラダ」の意)というメディアに寄稿して気を吐いています。キング牧師への尊敬を述べた後、オバマ氏について触れた箇所をご紹介します。

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【The Legacy of Dr.King by Cindy Sheehan】
 http://tinyurl.com/bydc3g
(16/Jan./2009 Dandelion Salad)

(以下、後半の抜粋)

 最後に、わたしは、キング牧師の遺志を思い泣きました。彼は1964年「公民権」法が制定されてから「40年」以内に、アメリカは世界じゅうで黒人が要職に就くのを見るだろう、と希望を込め語りましたが、わたしは、オバマに、キング牧師の非暴力という遺産の継承も、構造的変革も期待することができません。

 私は、白人以外の人が大統領に選出される時期が来たと思っていましたし、黒人社会が彼の勝利に沸く気持ちも分かります。それでも、オバマは、キング牧師の遺産を実行するのではなく、むしろそれを裏切って反対のことをしようとしているのは間違いありません。

 彼は、閣僚に軍国主義者や白人指導者層ばかり起用して、黒人はほとんど起用しませんでした。ウォール街を救うため彼が1兆ドルもの支援を決めたことからも、彼が自分自身と、銀行の道具にされた貧しい人々を裏切ったことが分かります。

オバマがいかに戦争に献身的かは、「わたしは戦争自体否定しない。愚かな戦争に反対するだけだ」という、彼が披露した発言だけでなく、彼の行動でも同じく明らかです。イラクから「戦闘部隊」を引き上げると約束している一方で、彼はアフガニスタンには劇的な軍の増派や、約10万人規模の軍備増強を明言しています。オバマは、ガザに閉じ込められた人々に対するイスラエルの「自衛」権にも理解を示しています。

 わたしは、マルチン・ルーサー・キング・ジュニア牧師の日に国中でパレードを行う国が、必要な兵隊を確保するため、貧しい地域に軍が戦車とリクルーターを送り込んでいるという報告を、国中から聞きました。10万人もの部隊をいったいどこから調達すると思いますか?戦争で大もうけする銀行家や民主党員は、彼らの子どもや孫にオバマの戦争で喜んで戦うよう説得しはじめるのでしょうか?

(仮訳どすのメッキー 23/Jan./2009)
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N55960682153_1123  さらに、シンディは20日別の場所で、「オバマが忌々しく偽ものの『対テロ戦争』を本気で終わらせる積りなら、イラクとアフガン両方から軍を引き上げ、パトリオット法を廃案にし、ブッシュ元大統領とチェイニー元副大統領を逮捕して起訴するべきです。もしオバマが戦争屋ではなかったら、私は頭を丸めてオバマ支持者に謝罪すると約束します」とまで宣言。この心意気はただものではありません。

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2009/01/19

ガザ:「停戦」中の攻撃でなおも殺されていく

 イスラエルの「一方的停戦」の本質がどういうものか、ガザで活動を続けるNGO「人権のためのアル・メザンセンター」が声明を発表しており、その要約をエレクトロニック・インティファーダが取り上げています。

 日本の新聞記事や解説と見比べてお読み下さい。

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■イスラエルが停戦を破ったため瓦礫から掘り起こされた遺体
 (アル・メザンセンターのプレスリリース要約)
【Bodies unearthed from rubble as Israel violates ceasefire】
(Press release, Al Mezan, 18/Jan./2009)
 http://electronicintifada.net/v2/article10210.shtml

(元記事添付写真キャプション:イスラエルの攻撃で殺されたパレスチナの男性と新生児・病院の遺体安置所で。2009年1月17日)

 イスラエルは、いわゆる「弾丸を浴びせろ作戦("Operation Cast Lead")」で彼らが奪い取った土地に軍を残したまま、ガザ地区での一方的停戦を告知しました。アル・メザンセンターのスタッフは、イスラエル占領軍(IOF)が昨晩、あるいは今朝立ち去った区域をいくつか訪れました。何週間も立ち入れなかったここを災難が襲ったのが分かりました。占領軍はここで戦争犯罪を犯したと見こまれていたが、それを証明するものが見つかりました。特に、何十人もの民間人の遺体が、破壊された家屋の瓦礫の下で目を覆うような状態で見つかりました。さらに、近くの破壊の様子は、それが、広範囲で、組織的に行われたことをうかがわせています。

 アル・メザンセンターのフィールド・ワーカーは、ガザ北部のEzbet Abed-Rabu、al-Salatin、al-Atatra、al-Israa、そして、ガザ市東部郊外のal-Kashif、al-Rayis Hillsにおいて、街が根こそぎ破壊されたと報告しました。午後2時の時点で、医療班は、家の瓦礫の下や、イスラエル軍がブルドーザーで踏み均した瓦礫の下で、62体の遺体を見つけました。その中には、8人の子どもと10人の女性がいました。瓦礫に埋められた時、彼らが生きていたのかどうかはまだ分かっていません。

 アル・メザンセンターの調査によると、占領軍は、一方的に宣言された停戦を破りました。一日じゅう、砲台、戦車、そして海軍艦艇から銃弾や砲弾が、そこらじゅうに浴びせられました。イスラエルの軍用機も、空爆を始めました、午後10時半、イスラエル軍は、ハン・ユニスの東Khuzaa村の自宅に帰ろうとしていた民間人に攻撃を始めました。その結果、22歳の男性Mahir Abu Irjilaが殺されました。犠牲者と彼の家族は、自分の家から国連の避難所に避難しました。

 これらの死傷者とともに、2008年(【訳註】原文は2009年となっているが間違いなく誤植)12月27日に「弾丸を浴びせろ作戦」が始まって以来、ガザ地区の占領軍に殺されたパレスチナ人の数は1253人に上りました。その中の、少なくとも、280人は子どもで、95人は女性でした。また、4009人が負傷し、その中には860人の子どもと、488人の女性が含まれていました。

 アル・メザンセンターは、ガザ地区で占領軍が作戦を実施した結果、生命と財産がどうなったか、詳細に記録する宣伝を始めました。また、戦争犯罪に相当することが明白な何十ものケースを調査し始めました。

 アル・メザンセンターは、占領軍が、ガザ地区における不均衡で無差別な武力行使を確実にやめる必要性を強調しました。センターは、占領軍が、国際法も市民の生命もまるで意に介さず、作戦を遂行するやり方を目撃しました。センターは、ガザで何が起こってしまったか、調査と記録する努力を続けながら、国際社会が、占領軍の振る舞いに関して、断固とした姿勢をとるよう要求しました。民間人を攻撃目標としてはなりません。そして、武力紛争の間は常に国際法を遵守しなければなりません。いつ交戦状態に戻るかもしれない一方的な解決の結果、アル・メザンは、まだ不安定な状態だと警告されたままなのです。

 アル・メザンは、占領軍が2週間以上前侵入した地域で確認された事実で怒りを表します。それは、その地域に住む民間人と民間人の財産が残酷な方法で破壊された恐怖を立証しています。民間人が殺された、あるいは、占領軍が生存者や負傷した人々を助ける何の努力もしなかたっため、死ぬのに任せて放置されたと、何度も聞かされながら、病院に遺体が運び込まれました。アル・メザンは、この対応を非難します。それは、紛争地域で守られるべき国際法と慣習に対する重大な違反行為です。

 また、アル・メザンセンターは、国際社会に対し、ガザ直の民間人、とくに、イスラエルの攻撃で、彼らの稼ぎ手や、両親、家、そして財産を失った人々への緊急援助を求めます。センターは、UNRWAに、占領軍の襲撃と破壊の結果家をなくした数千人もの避難民への支援に引き続き努力するよう求めます。1月23日に学校が再開されると予想されますが、(【訳註】これまで、学校は避難所として使われていたため)家に帰れない人々の代わりの避難所が必要です。

 さらに、アル・メザンセンターは、今後ガザに住む民間人や民間人の財産に対する占領軍のいかなる攻撃をも未然に防ぐため、国際社会に対し、国際法に基づいた緊急の介入、加えて、多くは戦争犯罪に相当する占領軍の行為を調査するよう、強く訴えます。

 また、アル・メザンセンターは、戦時における文民の保護に関する1949年8月12日のジュネーブ条約(第4条約)における総則第一条(締約国は、すべての場合において、この条約を尊重し、且つ、この条約の尊重を確保することを約束する。)に基づく彼ら自身義務を認める法的で人道的な責任に従って、それらの要求を回復させるものです。

(仮訳どすのメッキー 19/Jan./2009)
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 "The Al Mezan Center for Human Rights"(人権のためのアル・メザンセンター)は、ガザ地区のジャバリヤ難民センターに拠点を置くNGO。いかなる政治団体からも独立して、この地区に留まり、ガザの人権侵害犠牲者を支援し、経済的文化的な生活向上を目指しています。

 立派なホームページは以下です。
 http://www.mezan.org/site_en/index.php

 こういう組織を是非支援するとともに、センターが要求している国際社会の独立した強力な調査団派遣を実現させるため、日本政府にも働きかけていきましょう。

 ガザを支援する歌をたくさん紹介しておられるブログ「サウナでゴリラと二人きり」

 http://d.hatena.ne.jp/boosted/

を書いているオダ タケシさんが、ガザへ国際調査団派遣を呼びかける葉書、FAXのメッセージ雛形を提供されています。とても参考になります。

 http://d.hatena.ne.jp/boosted/20090119/1232352013

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「一方的停戦」の意味 ~ 清水愛砂さんの告発とともに

 無能で恥知らずな政治家にとって、「敵」ほど必要なものはない。それは、「一方的」にいくらでもつくることができる。911の直後、「ディア・エネミー」という一冊の絵本の原画が世界や日本を巡回した。今どれだけの人が覚えているだろうか。

 ハマスが議会で多数を獲得して以来、その転覆に失敗し、汚職がらみで支持の低迷した現与党が2月の選挙で勝利するため、ありとあらゆる破壊の限りを尽くした後、オバマが就任する直前に「一方的」停戦。すべて筋書き通りなのだろう。イスラエルにとっても、そしてオバマにとっても。

 「停戦」とは名ばかりで、イスラエル軍は今後もガザに駐留する。検問所が解放されたわけでもない。日常として継続される「一方的」占領に置き換えられただけだ。

 日本の報道は、封鎖されたガザの情報を何とか取ろうとさえしてこなかった。それでも、分かっているだけでも1300人もの死者、残虐兵器の使用、医療設備の破壊、などは知っているはずなのに、「イスラエルは少し過剰ではないか」「憎しみの連鎖を生まれることが心配だ」とか、面倒くさそうに、アリバイのようにしか話せないテレビの出演者は、いったい血が通っているのか?私は、ジャーナリストの資質などという高尚なことを要求しているのではない。人間の生命に対する感性を問題にしている。

 「深刻な人権侵害」ということに異論はない。しかし、そういう定義をしないことには声を上げてもらえないほど、パレスチナの人の生命は軽いのか。

 「一方的」という言葉の意味を、清末愛砂さんが告発している。以下、その全文を転載させていただいた。ただし、改行は、画面で見やすいように私が修正した。ご了承お願いしたい。

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■「停戦」、あるいは「一方的」という言葉は何を指すのか。

 2009年1月18日

 イスラエル「一方的な停戦」が伝えられました。すでに新聞等の報道で知った方も多いと思います。朝、BBCのウェブニュースを読んでいるときに、一番最初に目に入ったもの。それは、ガザ南部のラファの写真でした。破壊されて、廃墟となってしまったラファ。すぐさま、明日の授業で学生たちに見せるために、ダウンロードしました。3週間にわたる激しい空爆や砲撃のなかで、ガザは再び(いや、再び、再び、再び・・・)「グラウンド・ゼロ」になってしまいました。

 ガザ住民を一方的に責め続け、生身の身体をミサイルで粉々にし、生活空間を破壊しつくし、これ以上の血と涙が出ないほど惨い攻撃をしたあとに、イスラエルは何一つ譲歩せず、「一方的停戦」を勝手に宣言。その内容とは、イスラエル軍が「停戦」の名のもとで、ガザに地上軍を残すというもの。こんなもの、許されるはずがない。殺人マシーンがそのまま居残るということなど。封鎖が続くということ。筆舌に尽くしがたい地獄を経験させられたあと(いや、今もしている)もなお、形を変え、パレスチナ人を支配する。ガザ住民にとっては、そんなもの屈辱以外なにものでもありません。

 ハマースは交渉を拒絶しているわけではありません。交渉の条件として、占領の終結を訴えているのです。占領下・支配下にあって、どうして、その支配者と交渉ができるというのでしょうか。

一切の耳を傾けないのがイスラエルの方なのです。拒否しているのは占領者・支配者であるイスラエルなのです。「一方的撤退」というのはそういう意味です。支配下においている者の声は一切聞かない、という通告です。

 三週間におよぶ激しい爆撃の下で、ガザ住民は持てる最後の尊厳をもって、団結し、生きのびようとしてきました。生きのびることが、残された彼・彼女たちの闘いでした。ガザの住民の68%が1948年のイスラエルの建国の過程で、パレスチナの豊かなコミュニティを育んできた故郷を喪失した難民です。それらの人々を含むガザ住民は、一年以上にもわたって封鎖されてきた空間―それはまさしく「野外監獄」です―で世界の目があるはずのなかで、殺され続け、あるいは残された最後の可能性を探して避難しようとするなか、ミサイルの雨を落とされ続けたのです。そして、残された人々は、これからもイスラエルによって支配され続けるというのです。

 自分をのぞいて家族の誰一人も残っていない男性の叫び。子どもたち全員を殺され、半狂乱になっている親たち。同僚たちが殺され、遺体が地面に転がっているなか、生きのびた男性が放心した顔で「神は偉大なり」と言い続けている姿。

 これらは、世界が許した戦争犯罪でした。ガザ住民は<私たち>を許してはくれないでしょう。許せるはずがありません。

 ガザは、私に「人間であることの恥」を教えてくれた土地でした。2000年に初めてガザを訪問した私は、占領がガザ住民に与え続けているむき出しの暴力を目にしたとき、人間が人間に対して行っているあまりの残酷さに声をうしないそうになりました。砂の一粒一粒にすら、占領の暴力が刻まれている、そう思わせた土地でした。人間は理性など持ち得ていない、と確信させた地でした。それから9年の間、ガザの状況は悪化するばかりでした。2000年がまだましだったと言えるほどに。

 マス・メディアの多くは、「一方的停戦」をポジティブに報道しています。なぜ、内実を見ないのでしょうか。なぜ、イスラエルによる国家テロを批判しないのでしょうか。イスラエルのメディア戦略に、わざわざだまされてあげるのでしょうか。三週間、留まることなく進行し続けたエスニック・クレンジングをなぜ批判できないのでしょうか。答えは簡単です。そうしないことを「恥」だと感じないからでしょう。「一方的」という言葉を聞くと、2005年のことを思い出します。イスラエルはポーズとして、「ガザから入植地を撤退」させました。あのときも「一方的撤退」という言葉が使われたでしょう。その後のガザは、徐々に徐々に封鎖され、2006年のパレスチナ評議会の選挙でハマース(イスラーム抵抗運動)が勝利し政権についたあと、欧米諸国(日本も含む)がハマース政権に制裁を加えただけでなく、猫の額ほどしかない小さな小さなガザが封鎖されたのです。パレスチナ人が民主的な手段を行使したことに対する罰として。

 自分たちが気に入らない政党が選挙で民主的に選ばれると制裁を加え、その一方で、「中東唯一の民主国家」等といいながら、イスラエルを擁護する。イスラエルは「民主的な国」。そうかもしれない。では、誰にとって民主的だというのでしょう。それはイスラエルのユダヤ人に対してのみです。イスラエルの占領下にあるパレスチナ人は、あるいはイスラエル国籍を持つものの二級市民扱いをされているイスラエルのパレスチナ人は、それを権利として行使することすらできません。

 今回の攻撃で、ガザの人々は何もかも破壊され、命を奪われ、これ以上の地獄はないというほどの醜い状況を一方的に押しつけられた挙げ句、要求は何一つ受け入れられなかったのです。「一方的」という言葉を使うべきところは、ここにあるのではないでしょうか。

 長文を読んでくださった皆さま、ありがとうございました。

 清末愛砂 拝

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 おそらく、ガザの人々や清水さんが告発する言葉の何分の一も私は分かっていないに違いない。そうした言葉で伝えられる限界を超えるような虐殺、抑圧は、これが最初の一度きりのことではない。清水さんの文中にあるように、60年間、「再び(いや、再び、再び、再び・・・)」繰り返されてきたのだ。そして、その実態も明らかにされてはこなかった。

 かつて、アムネスティがこれ以上の人材は考えられないとまで信頼していた国連人権委員長メアリ・ロビンソンは、パレスチナの虐殺の徹底調査を主張したため、ブッシュ政権によって事実上職から引きずりおろされた。「停戦」自体はずっとわたし達が求めていたものだ。しかし、「停戦」というここちよい響きによって、世界の関心がガザから遠ざかることがあってはならない。

 イスラエル軍をガザから完全に撤退させ、その戦争犯罪を徹底して調査させるのは、わたし達が告発する側としてだけでなく、告発される側の痛みも甘受して実現させなければならないことだと思う。そうでなければ、1300人の犠牲者は「犠牲」ですらなくなる。

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2009/01/16

国連人権理事会、イスラエル非難決議採択の詳細

 12日、国連人権理事会は、決議を賛成33、反対1(カナダ)、棄権13で採択し、イスラエルによるガザ侵攻を強く非難すると共に、ガザに調査団を派遣し実情を調べることを決定しました。

 折角ですので、各国の態度を記しておきましょう。UNRWAを通じガザ地区へ1000万ドル規模の緊急人道支援を行うことを決定している日本は、決議の公平さが不十分だとして棄権しました。

賛成:アンゴラ、アルゼンチン、バーレーン、バングラデシュ、アゼルバイジャン、ボリビア、ブラジル、ブルキナファソ、チリ、中国、キューバ、ジブチ、エジプト、ガボン、ガーナ、インド、インドネシア、ヨルダン、マダガスカル、マレーシア、モーリシャス、メキシコ、ニカラグア、ナイジェリア、パキスタン、フィリピン、カタール、ロシア連邦、サウジアラビア、セネガル、南アフリカ、ウルグアイ、ザンビア

反対:カナダ

棄権:ボスニア・ヘルツェゴビナ、カメルーン、フランス、ドイツ、イタリア、日本、オランダ、韓国、スロバキア、スロベニア、スイス、ウクライナ、イギリス

 以下、ヒューマンライツ・ナウによる決議文の和訳をご紹介します。

 長いですが、重要なのは、国際人権法及び国際人道法はいずれも、例外を認めないということです。敵が潜んでいようと、そこに民間人がいることが分かっていたら、攻撃をしてはならないのであって、この原則を無視すれば国際社会はそれを犯罪と規定するのです。

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国連人権理事会 決議

2009年1月12日

【占領下のパレスチナ地域、特にガザ地区に対する最近のイスラエル軍の攻撃による重大な人権侵害】

国連人権理事会は、

国際連合憲章と世界人権宣言の原則と目的に従って、

平和、安全保障、開発、人権を認める事は、国際連合の制度の根幹をなすものであると認識し、

また、国際連合憲章に記されているように、パレスチナの人々の自決権と武力行使による土地の取得の非許容性に基づいて、

2006年3月15日の国際連合総会決議60/251を思い出し、

東エルサレムを含む、占領下のパレスチナ地域での、国際人権法の適用性を確認し、

また、同地域での国際人道法、つまり戦時下における文民の保護に関するジュネーブ第四条約の適用性を確認し、

国際人権法及び国際人道法は義務であり、相互に補強するものであることを強調し、

また、ジュネーブ第四条約の締結国の義務を想起し、

戦時下における文民の保護に関するジュネーブ第四条約の各締結国は、この条約に基づく義務を尊重し、また保証しなければならないことを再確認し、

生存権がすべての人権の最も根本的なものであると強調し、

占領軍であるイスラエルが過去に批准した東エルサレムを含む占領下のパレスチナ地域における人権状況に関する国際人権理事会の決議及び勧告の不履行に対して重大な懸念を表明し、

イスラエルによる継続中の大規模な軍事作戦は、 占領下のパレスチナ地域、特にガザ地区でのパレスチナ市民に対する重大な人権侵害を引き起こし、その点での同地域における重大な人道的危機を深刻化させ、同地域における公正かつ永続的な和平の実現に向けた国際的な努力を台無しにしていると認識し、

市民に対するいかなる暴力も非難し、現在の状況における人命の犠牲を遺憾に思い、また、境界線を封鎖、医療品及び食料の供給の停止を含む、ガザ地区におけるイスラエルの包囲攻撃は、パレスチナ市民に対する集団的な懲罰に当たり、人道上及び環境上の悲惨な結果をもたらすと認識し、

1、占領下パレスチナ地域、特にガザ地区に対する継続中のイスラエル軍の軍事作戦  が、パレスチナ市民に対する重大な人権侵害とパレスチナの経済基盤の計画的な破壊を引き起こしていることを強く非難し、

2、多くの女性と子供を含むパレスチナ人の900人以上の死者と4000人以上の負傷者を出した同地域でのイスラエル軍の軍事攻撃の即時停戦と、4人の市民の死者と数名の負傷者を出したイスラエル市民に対するロケット弾の発射の停止を求め、

3、イスラエルに対して、占領下のガザ地区からのイスラエル軍の即時撤退を要求し、

4、1967年以来のすべてのパレスチナ地域の占領の中止と、すべての近隣諸国との平  和と安全保障と基にした東エルサレムを首都とする独立主権国家としてのパレスチナの建国に向けた和平交渉努力の尊重を求め、

5、第四ジュネーブ条約の原則に従って、市民、医療施設及びその関係者を標的にする事、また公的及び私的財産の破壊に加え、パレスチナ人の文化的遺産の計画的な破壊の停止をイスラエルに要求し、

6、包囲攻撃の解除と、国際人道法上の義務の遵占として、人道上の回廊の即時設置及び、報道の為の回廊を通じた紛争地域への報道機関の自由なアクセスを含む、占領下のガザ地区に対する人道支援のアクセスと自由な移動のためにすべての境界線の解放を、イスラエルに更に要求し、

7、ガザにおける現在の軍事攻撃の即時停止に向けた現在のイニシアティブに協力することを、国際社会に対して求め、

8、占領下パレスチナ地域、特にガザ地区でのイスラエルによる重大な人権侵害の即時停止の為の、緊急の国際的な行動を求め、

9、国際人権法と国際人道法に従って、占領下のパレスチナ地域でのパレスチナ人の即時の国際的な保護を求め、

10、国際人権法及び国際人道法の原則を尊重し、市民に対する攻撃を自制することを、すべての関係者に要求し、

11、(a) 占領下パレスチナ地域、特にガザ地区での現地事務所のプレゼンスと、イスラエルによるパレスチナ人の人権侵害及びパレスチナ人の財産の破壊を記録、観察する為に必要な人員及び専門家の派遣を強化し、
  (b) この決議の履行に関する定期的な報告を人権理事会に提出することで、国際連合人権高等弁務官に対して、イスラエルによる人権侵害に関して報告するように求め、

12、関連するすべての特別報告者、特に1967年以来の占領下のパレスチナ地域の人権状況に関する特別報告者、精神的及び肉体的健康に関する特別報告者、紛争地における子どもに関する事務総長の特別代表、女性に対する暴力に関する特別報告者、国内難民に関する事務総長の特別代表、十分な住宅供給に関する特別報告者、 食料の権利に関する特別報告者、超法規的、恣意的な死刑執行に関する特別報告者、教育権に関する特別報告者、極度の貧困に関する特別報告者、に対してパレスチナ人に対する人権侵害の情報を緊急に探し集め、次回の人権理事会会議にその報告を提出することを求め、

13、イスラエルに対して、上記で言及したすべての報告者に完全に協力し、1967年以来の占領下パレスチナ地域の人権状況に関する特別報告者の調査に対するこれ以上の妨害を止める事を求め、

14、現在の攻撃に関して、占領下パレスチナ地域、特にガザ地区でのイスラエルによるパレスチナ人に対するすべての国際人権法及び国際人道法違反を調査する、理事会長によって任命された、緊急の独立現地調査団を派遣する事を決定し、イスラエルに対して、この調査団に完全に協力し、調査作業を妨げないように求め、

15、事務総長及び国際連合人権高等弁務官に対して、上記に言及した特別手続き及び現地調査団が効率よくかつ迅速にその委任を遂行できるように、すべての管理上、 技術上及び後方支援を提供することを求め、

16、国際連合事務総長に対して、女性と子供を含むパレスチナ市民の犠牲者を出した学校を含む、最近の国際連合パレスチナ難民救済事業機関関連施設を対象にした攻撃を調査すること、この件に関する報告を国連総会に提出することを求め、

17、次回の人権理事会会議でのこの決議の履行について検討することを決める。

(仮訳 ヒューマンライツ・ナウ http://www.ngo-hrn.org/
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 【国連人権委員会(United Nations Human Rights Council)】2005年9月の国連首脳会合において設立が基本合意され、2006年3月15日に国連総会で採択された「人権理事会」決議により、国連総会の下部機関としてジュネーブに設置された。国連における人権の主流化の流れの中で、国連として人権問題への対処能力強化のため、従来の人権委員会に替えて新たに設置されたもの。総会で選出された、アジア13、アフリカ13、ラテンアメリカ8、東欧6、西欧(カナダ含む)7の合計47か国で構成される。安全保障理事会の常任理事国中唯一、アメリカ合衆国のみ、人権理事会設置決議に反対して理事国に立候補していない。2008年5月14日には、日本の人権状況に関する報告書の中で、日本軍性奴隷問題に関する完全な解決を日本政府に対し要求した。

 

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「イスラム原理主義組織ハマスとイスラエルの戦争」の不当性

 イスラエルの攻撃によるガザ地区でのパレスチナ人の死者が1000人を超えた。しかし、この数字も、把握できる直接の犠牲者だけだ。調査機関や医療機関が立ち入れない場所ではどれだけの人が犠牲になっているかわからないし、定常的な治療が受けられないために亡くなった人、赤ちゃんの死産など間接的な死を含めたら、いくらになるか想像もつかない。

 イスラエルは、ガザに住む人々にとって命綱であるUNRWAの施設や医療施設まで攻撃している。ガザ地区にひとりでもハマスがいれば、何をしてもかまわないと思っているかのようだ。「ガザの一角を爆撃して地図から消し去る」というイスラエルの、シートリト内務相の言葉が頭から離れない。

 わたしは基本的にあまりテレビを見ないので、全体としてどうか論じることはできないが、この「紛争」は「イスラム原理主義組織ハマス対イスラエルの戦争」と紹介されることが多いと思う。これは、アメリカの宣伝を鵜呑みにした日本人のイスラム教への偏見と相まって、たいへん誤った先入観を持たせる表現である。

 そもそも、「戦争」とは国家対国家で行うものだから、「ハマス対イスラエルの戦争」という表現が不適切だ。病院に運び込まれた犠牲者の中にハマスの活動員はごく僅かしかいない。イスラエルがどう言おうと、これは「パレスチナ対イスラエルの戦争」に他ならない。

 ハマスは、武装闘争が目的のゲリラ組織ではない。もともとは、自治政府にかわって、貧困層のために病院、孤児院、学校などの経営を行う医療・教育組織であり、政党であった。だからこそ、2006年1月のパレスチナ評議会選挙で過半数を獲得し、ガザ地区でも実質的な統治者となったのである。イスラエルの介入で親イスラエルのファタハが政権を奪還した今も、ハマスが議会で過半数を維持していることは変わらない。

 ハマスがイスラエルの建国そのものを認めないと言っても、それだけの理由でイスラエルを武力転覆させる意図など持っていない。ハマスを「イスラム原理主義組織」と規定するなら、イスラエルの現政府(それは、イスラエル市民の恐怖を煽って今回の攻撃で支持率をあげるまでは、汚職で死に体の政府だった)も「急進シオニスト政府」と呼ばなければ、釣り合いが取れない。もちろんわたしは、対立と敵意をあおるそのような呼称は望まない。

 パレスチナ・メディア・ウォッチ の活動家パトリック・オコナーによると、2000年から2006年11月3日までの、パレスチナ側とイスラエル側の犠牲者数の比率は39対10だった。それが、2006年3月ハマスの政権参加した後に限ると、762対10にまで差が広がったという。イスラエルの分離壁建設によって自爆攻撃が物理的にできなくなったということも勘案しなければならないし、イスラエル市民の犠牲に無頓着であってはならない。しかし、この数字一つとっても、イスラエルの「防衛」という言い訳は成り立たない。特に、非人道的な封鎖解除を条件にしたハマスの停戦提案を拒絶した(支持率の下がったイスラエル現政府は、弱腰と受け取られかねない受諾はできなかったのだろう)ことを考えれば。

 そして、イスラエルが昨年12月27日に空爆を開始して以降、日本時間16日正午までの期間で判明している比率は、1115対10である!一般的に停戦交渉を始めるのに必要な武力上の決着は着いている。もはや今の状態は、戦争でさえない。一方的虐殺であり、これを戦争犯罪として対処できないのでは、人間がこれまで築いてきた平和への努力が無にされたに等しい。

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2009/01/15

ガザ攻撃の青写真はずっと前から計画されていた(後編)

 昨日からの続き、エレクトロニック・インティファーダの記事後編です。

(前編は http://hope.way-nifty.com/a_little_hope/2009/01/post-96f7.html

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■ガザ攻撃の青写真はずっと前から計画されていた(後編)
【Blueprint for Gaza attack was long planned】
(By Jonathan Cook, The Electronic Intifada, 12/Jan./2009)
http://electronicintifada.net/v2/article10170.shtml

 前線の初期の成功例は、警察署に対する空爆で、数十人を殺害しました。よく見落とされがちですが、国際法では、警官は実は非戦闘員と見なされます。

 しかし、イスラエルは、学校と同様、政府の建物、大学、モスク、そして病院まで、一連の明らかな民間の目標を攻撃しました。イスラエルは、これらの公共機関と、ガザ回廊の統治者ハマスの関係をあげ、攻撃の正当性を主張しましたが、支持を得られませんでした。

 軍事作戦の次の段階は、ガザ地域を、軍隊が何でもできる、そして、住民が脱出することが期待される「戦闘地域」と宣言することで、もはやそこは民間地域ではなくなり、どこを狙っても正当化できるようにすることでした。

 その政策は、空からチラシを撒いて、ラファやガザ北部のような地域から住民を追い出すキャンペーンとして、既に実行されました。過去数日にわたり、イスラエルの指揮官は、彼らがここで行った極端な暴力を自慢しています。

 ラファおよびガザ北部の最終的な目標は、テルアビブにミサイルが到達しないことを保証するため、エジプトへのトンネルが掘られたラファや、長距離ミサイルが発射されたガザ北部のような地域の大部分から人を消し去ることかもしれません。

 3段階目で、軍隊はさらに奥深く侵攻し、そのような戦術が一層拡大されるでしょう。ガザ回廊は、戦闘地域として封鎖されるかもしれません。住民は、主な居住センターに効果的に集められるでしょう。

 バラク国防相が1年前に彼の戦略を明らかにしたとき、シモン・シートリト内務相は、軍が「ガザの一角を爆撃して地図から消し去る(【訳註】2008年2月10日、閣僚会議の後、同内務相は、民主的選挙で選ばれたハマスのイスマイル・ハニイェの処刑を力説した後、こう言った)」と示唆しています。第3段階が始まったら、イスラエルがそのような手段に訴えるかどうか、まだ分かりません。

(仮訳 どすのメッキー 15/Jan./2009)
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 独立した報道組織、エレクトロニック・インティファーダが、昨年12月8日、ガザの現状、とりわけ報道内容の偏りを指摘し、大メディアから見ればすずめの涙ほどの資金65,000ドルの寄付募集を訴えた社告「2009年、エレクトロニック・インティファーダがパレスチナの取材を続けるために力を貸してください(Help EI keep the light shining on Palestine in 2009)」の冒頭には、こう書かれています。

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 あなたがこれを読んでいる時、ガザ地区の150万人のパレスチナ人は、外部から食糧も医薬品も、燃料も手に入れることができません。ガザのパン屋は半分が店を閉じてしまいました。残りの半分も、家畜飼料でパンを焼いている有様です。これは自然災害の結果ではありません。イスラエル政府が政治的に意図した結果なのです。
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 ハマスのロケット攻撃が原因だ、ハマスの攻撃を止めないでイスラエルを非難するのは無知で感情的だ、と訳知り顔で教えてくれる人もいます。

 わたしは、そうして安楽椅子に座って批評している人に、静かに言いたい。この「紛争」の一義的な責任者は、国際法上も、道義上もイスラエルに他ならない、と。そして、この「紛争」は、国際社会が、18か月に及ぶイスラエルのガザ封鎖をこれまで見て見ぬ振りをしてこなければ、防ぐことができたかもしれないのだ、と。

【追記】Jonathan Cook氏が別のところでかた重要な関連記事を教えていただきました。攻撃前のイスラエル政府内部の動きが生々しく伝えられています。こちらも是非お読み下さい。今回の攻撃が、いかに不当なものかということが一層はっきりすると思います。

■6カ月前から極秘裏に準備が進められていたガザ全面攻撃
 (パレスチナ情報センター)
http://palestine-heiwa.org/news/200901030059.htm

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2009/01/14

ガザ攻撃の青写真はずっと前から計画されていた(前編)

 ガザの民間人の犠牲者数や、殺された子どもを抱いて泣き叫ぶ親の映像が報道されても、それだけでフェアとは言えません。

 今回の「紛争」は、ロケット攻撃で停戦を一方的に破ったハマス側に一義的責任があるという大嘘がまかりとおっているからです。このため、パレスチナの惨状に同情を示す人でも、悪いのはハマスだから、ハマスがまずロケット攻撃を止めないと、あるいはどっちもどっちだからわたし達は関われない、と無関心になってしまうのです。

 これが、いかにイスラエルの一方的な主張であるかは、まず下記をお読み下さい。

■「メディアとガザ報道」(DAYS JAPAN)
http://daysjapanblog.seesaa.net/article/112508511.html

■「 イスラエルの嘘プロパガンダ・マシン全開」(益岡賢さんのページ) http://www.jca.apc.org/~kmasuoka/places/gaza081231.html

■「イスラエルのガザ攻撃をめぐる嘘トップ・ファイブ」(益岡賢さんのページ) http://www.jca.apc.org/~kmasuoka/places/gaza090103.html

 そして、今回の攻撃が、選挙で選ばれたハマスと市民を分断し、その上で軍事的に転覆させるために周到に用意されたものであることが、エレクトロニック・インティファーダ(国際的に信頼されているニュース・ソースです)の最近の記事で論じられています。2日に分けて、その記事の全訳をご紹介します。

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■ガザ攻撃の青写真はずっと前から計画されていた(前編)
【Blueprint for Gaza attack was long planned】
(By Jonathan Cook, The Electronic Intifada, 12/Jan./2009)
http://electronicintifada.net/v2/article10170.shtml

 週末に国連が提案した一時停戦案をイスラエルが拒絶したとき、イスラエルの軍事評論家は、次の段階、あるいは、「第3段階」と呼ばれることになるガザへの攻撃の性質を推測していました。

 第1段階では、何千もの目標を空から攻撃し、続いてガザの多くに軍隊を推し進める地上侵攻、そして第3段階では、これらの作戦が効果的に拡大されるでしょう。

 ネゲヴの基地で訓練を終えた何千人もの予備役兵が必要になります。ハマスの重要拠点ガザ市中心部に近い住宅密集地域の破壊と差押えが行われます。民間人の犠牲者が急速に増えると予想されます。

 第4段階としてのハマスの転覆、そしてガザの直接の再占領は、軍隊もイスラエルの政治的指導者も望んでいないように見えます。それは、経済的、軍事的負担が大きすぎるからです。

 イスラエルが、万一国連や他の場所での交渉を希望しないと決めれば、「弾丸を浴びせろ作戦("Operation Cast Lead")」は数日中に拡大されるでしょう。イスラエルの軍用機は、ガザの住民に切迫した危機の拡大を警告するチラシを撒きました。「わたし達の命令に従っていれば安全です」と。

 先週、イスラエルのエフード・オルメルト首相は、軍の作戦はこれだけではない、と警告しました。

 エフード・バラク国防相が、攻撃の早い段階で認めたように、それらのオプションは長い間準備されていました。彼は、彼と軍が少なくとも6か月間、攻撃のプランを練っていたと述べました。実際、攻撃の青写真は、もっとずっと前から描かれていた兆候が見られます。多分18か月前くらいから。

 アメリカに後押しされた主なライバル、ファタハによるクーデターをハマスが防いだのはその後でした。ファタハのガザ地区のメンバーがヨルダン川西岸地区を飛行した結果、バラク国防相は、ガザ回廊をイスラエルが長期間封鎖しても、ハマスは屈しないだろうと確信するようになりました。

 バラクは、電力と燃料を欠乏させるため、封鎖を延長しました。こうして圧力をかければ、ガザの人々はハマスに反発するようになるという筋書きは、広く受け容れられていました。しかしながら、それがバラクの軍事戦略の中心的な綱領なのかもしれません。誰だって、戦うなら、疲れたり、凍えたり、空腹になっていたりする軍隊(この場合、市民軍)と戦う方が楽だと知っています。兵士の家族や友人も飢えているならなおさらです。

 数か月後、バラクの忠実な代理人Matan Vilnaiは、次のように不名誉なコメントを発表しました。もしロケット弾攻撃が続くなら、ガザは「shoah」、つまりヘブライ語でホロコーストに見舞われるだろう、と。

「shoah」発言は直ぐに取り消されましたが、同時にバラクと彼の部隊は、内閣に軍事攻撃を含めた作戦を提案し始めていました。

 攻撃を開始した日、ガザ攻撃の指揮官Yoav Galantがイスラエルの攻撃について語ったところによれば、これら急進的な政策は、「ガザを数十年前に戻す」ことを目的として考えられました。

 地元メディアが3月に指摘したとおり、この計画は国際法に違反するにもかかわらず、ロケットが発射された付近の民間地域を砲兵射撃と空爆で攻撃することを求めました。バラクの法律顧問は、多分国際社会は見てみぬ振りをするだろうという期待の下、そのような制約をかわす方法を探していました。

(to be continued 後編へ続く)

(仮訳 どすのメッキー 14/Jan./2009)
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「We Will Not Go Down」(わたし達は負けはしない) 字幕つき動画 → ぜひ広めてください!

 以前ご紹介した、マイケル・ハート(前回は最初「マイケル・ハーツ」とご案内しましたが訂正します)の歌"We will not go down"

 http://hope.way-nifty.com/a_little_hope/2009/01/post-a200.html

の反響が広がっています。

 知人の笠井一朗さんが、日本語と英語の字幕つきのビデオクリップを作成してくださいました!

 ↓ ↓ 下記URLをクリック! ↓ ↓

 http://www.geocities.jp/IraqNewsJapan/avi/WeWillNotGoDownForGazaXviD12.avi

 私は、見ていて涙が止まりませんでした。

 マイケルさんの了解を取っておりませんが、マイケルさんの趣旨と事態の緊急性を考え、このビデオクリップをぜひ普及したいと思います。どうか、あなたの力を貸してください。

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

【追記】マイケルさんのサイトを見ると、この曲は自由に配布していいそうです!そのかわり、UNRWAなどしかるべきところに寄付するなどガザを支援してほしいとのことです。

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 学習会の冒頭などで見ていただいても意味があると思います。ガザで起きていることが、自分たちとは関係ない遠い世界のこと、あるいは、情勢が不安定な地域では避けられない対価のように考えている多くの人に、まず、このビデオを見てもらってください。

 ただし、このビデオは、DivXという形式で圧縮されています。これは、Windowsで近年普及した長編動画用の圧縮形式で、CD1枚に約120分の動画をかなりの画質で保存可能です。ただしストリーミングには現在対応していません。

 もし、上記URLをクリックしても、あなたのパソコンのプレイヤー(WindowsならMedia Player等)で音声しか再生されない場合は、DivXに対応するCodecがインストールされていないためです。

 動画に対応する手っ取り早い方法は、フリー・アプリケーション"DivX7 for Windows"を、以下の日本語サイトからダウンロードすることです。私もこのアプリケーションで再生しています。

 http://www.divx.com/ja/products/software/windows/divx

 インストール後、上記URLをクリックすると、Media Player等で動画の再生がスタートするはずです。画像に説明は不要と思われますが、白燐弾の爆発と思われるものも含まれています。

 Macの場合、QuickTimeにプラグインを追加することになるようですが、詳細は知識がありませんので、下記ページなどをご参照ください。

 http://ascii.jp/elem/000/000/033/33324/

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2009/01/13

イスラエル、残虐兵器使用の非難にも「われわれは合法」

 イスラエルが使った白燐弾、そしてDIME。民間地域で使うことを禁じられている兵器を使ったことが具体的に明らかにされ、国際的非難を浴びています。

 しかし、イスラエル軍は、これまで行った戦争の時と同様、明確な回答をさけ、「われわれは合法だ」の一点張りです。

 中東を、新種兵器の実験場として、何の痛みも感じないアメリカやイスラエルの姿勢は、人種差別主義の究極、最悪の姿だと思います。

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■白燐弾使用の非難に対し、イスラエルは使った兵器はすべて合法だと主張
【Israel says all weapons legal amid phosphorus claims】
 http://tinyurl.com/8clbjy
(13/Jan./2009,AFP, 上記URLは、TINYURLで短縮したものです)

 イスラエル軍は月曜日、白燐弾や他の致命的な兵器が用いられたという非難に対し、ガザの戦争に使われた兵器はすべて国際法の範囲内のものだと主張しました。

 ガザの医療従事者は、論議を呼んだ白燐弾で惹き起こされたと思われる火傷に苦しむ患者を50人以上治療したと述べており、そのクレームは、ニューヨークに本部を置くヒューマン・ライツ・ウォッチの報告によっても裏付けられました。

 そして、最近ガザ地区の任務から帰ってきたノルウェーの医師2人は、イスラエルはこの地域を新しい「極めてひどい」タイプの爆弾の実験場にしている、と非難しました。

 軍隊の報道官は、次のように述べ、白燐弾が使われたことを確認も否定もしませんでした。「イスラエル国防軍が用いた兵器はすべて国際法で認められた範囲のものです」

「われわれは、他の西洋諸国が使っているものを使っている。非通常兵器は一切使っていません」彼は言った。

 イスラエル軍が使用した兵器の実態をめぐる論争は、2人の医療従事者者が、新しい実験的な種類の兵器、DIME(高密度不活性金属爆薬)がガザで使われた形跡があると語った月曜日、対立が深まりました。

 マッズ・ギルバートによれば、2人は、「榴霰弾」(【訳註】対人・対非装甲目標用の砲弾で、炸裂時砲弾内部に詰められた球体の散弾が飛び散り、人や馬などを殺傷し軟目標を破壊するもの)の負傷ではない、非常に残忍な手足の切断、まさに、DIMEのような兵器によって惹き起こされそうな負傷を数多く見てきました。

 イスラエル軍の女性報道官は、彼女が「この種の兵器に気づいたことはなく」、軍によって使われた兵器はすべて合法だという主張を繰り返しました。

 エフード・オルメルト首相のMark Regev報道官も、イスラエルは、他の西洋諸国の軍隊で使っているタイプの合法な兵器を使用していただけだと述べました。

「イスラエルの軍隊は、国際法と国際条約で許容できる兵器しか使いません」と彼は言いました。

「イスラエルが使う兵器は、NATO諸国を含め他の西側民主主義国が使う兵器と全く同じか、似たようなものです。」

 報道官のコメントは、ガザ市のナセル病院の医師Yusef Abu Rishが、「少なくとも55人が白燐弾による火傷で苦しんでいるのを治療しました」と語ったことに対するものでした。

 国際法は、白燐弾を民間人に対して使うことを禁じていますが、煙幕を張る目的なら使うことができます。

 これより前、ヒューマン・ライツ・ウォッチは、ガザ地区と北部ジャバリヤでイスラエル軍が白燐弾を使ったと、強く非難しました。

「イスラエルは、『目隠し』('obscurant' 軍事作戦を見えなくするため使われる化学物質)、つまり国際法で原則的に認められる方法として白燐弾を使っているように見えます」と、ヒューマン・ライツ・ウォッチは声明で述べました。

「しかしながら、白燐には、それに付随して、人々に触れると激しく燃焼するという深刻で、焼夷兵器に相当する効果があります。ガザのように世界で最も人口密度の高い地域で使われれば、民間人の被害が拡大するおそれがあります」

 ヒューマン・ライツ・ウォッチの調査員は、爆発した白燐弾が空中で何度も炸裂し、直径125から250mの地域に化学物質を撒き散らすのをイスラエルで観測したと言いました。

「ヒューマン・ライツ・ウオッチは、ガザのような人口密集地域で白燐弾を使用するのは、民間人の負傷と命の損失を防ぐためすべての可能な措置を講じるという国際人道法の要請に違反すると確信しています」と声明は述べました。

 2006年、レバノンのヒズボラ民兵との戦争においても、イスラエル軍は、民間地区で使うことを禁じられているクラスター爆弾を用いて非難されました。そのときも、イスラエル軍は、国際法で認められた範囲内の使用だと主張しました。

 白燐は、激しい火傷を惹き起こす有害化学物質です。

 それは、砲弾、爆弾、あるいはロケットで分散され、酸素と反応して燃え、軍の動きを見えなくする煙幕を作り出します。

(仮訳どすのメッキー 13/Jan./2009)
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 潘基文国連事務総長が、即時停戦を実現させるため、ニューヨークを発って直接外交交渉に旅立ちました。その重みをイスラエルが真摯に受け止めることを願います。

【追記】1980年にジュネーブで締結された、「特定通常兵器使用禁止制限条約 ― 焼夷兵器の使用の禁止又は制限に関する議定書III」の第2条「文民及び民用物の保護」:「いかなる状況の下においても、人口周密の地域内に位置する軍事目標を空中から投射する焼夷兵器による攻撃の対象とすることは禁止する」(第2条2)

 

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2009/01/12

ガザをめぐるラビの対話 「わたしは何者なのか?」

 アメリカ在住のラビ(ユダヤ教の聖職者)のブログの記事をご紹介します。

 彼は、イスラエルの行動を批判してきましたが、イスラエルに住む同胞から、現実を知らないからだ、と反論されたようです。それに対する彼の真摯な返信です。

 こういう対話が世界中で無数に起き、実を結ぶことを願わずにいられません。

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■批判しているわたしは何者なのか?
【Who am I to criticize?】
http://rabbibrant.com/2009/01/11/who-am-i-to-criticize/
(11/Jan./2009 by Rabbi Brant Rosen)

 『あなたは、ここで暮らすことがどういうことなのか、全く分かっていないのです。毎日何を強いられているか理解していません。わたし達はこの戦争の結果を受け容れなければなりません。わたし達を批判するあなたは一体誰なのですか?』

 もちろん、言われたことに間違いはない。わたしは何度もイスラエルを訪れ、そこで貴重な時間を過ごしました。心身ともに、敵との戦争に明け暮れる国で、どうやって暮らし、働き、子どもを育て、家をつくるのか、わたしには分かりません。

 そして、まさに今起こっている危機の最中、南部イスラエルで生活することがどんな様子なのか思い描くことさえできません。ミサイルが飛んでくるまさにそのときであることをあなたと家族に知らせる空襲警報が鳴ったら、いつでも逃げ出さなくてはならないことを当たり前のように知っている生活を送ってみることが。

 それは事実であり、わたしも認めなければなりません。アメリカに住むユダヤ人は、この紛争の心に傷を残すような現実を理解できません。わたし達の遠く離れた安全な家から見るガザの戦争と、国境を接したわずか数キロメートルの場所から感じる戦争はまったく違います。そこで暮らすことがどういうことか、今も将来もわたしが決して理解できないことを、イスラエルの友人達に対し認めます。

 けれども、その人生の大半をイスラエル人と同一視して送った者、イスラエルの大切な友人と家族がいる者として、わたしは、精一杯の誠意と尊敬を込めて書きます。わたしが、実際にそこに暮らしていないから、と言う理由でイスラエルの行動に口を挟むべきでないという提案をわたしは受け容れられません。

 批判しているわたしは何者なのでしょうか?わたしは、ユダヤ人国家が建設されるまで離散した数百万のユダヤ人の一人です。シオニストの公式な物語によると、イスラエルは、わがユダヤ人が受け継いだものであり、わがユダヤ民族の家です。イスラエル国外で暮らしているユダヤ人として、わたしはそこに移住したいと決断さえすれば、すぐに市民権を得ることができます。(一方、その家族が数世代にわたってその土地に住んでいるパレスチナ人は恩恵を受けられません)それ故、イスラエルがわたしに関わりを持つことを意味するなら、ユダヤ国家がわたしの同胞の名において行っている行動に対する議論の発言権を持てないのでしょうか?

 批判しているわたしは何者なのでしょうか?わたしはアメリカ人です。莫大な経済力と軍事力でイスラエルを支援する世界唯一の超大国の市民です。その結果、現実問題として、わたしが払った税金はイスラエルの政策決定に大きく関係することになります。少なくとも、武力行使をするかどうかにおいては。また、わたしは、平和をつくることとは正反対としか思えない、例えば、パレスチナ領土の収用、家々の破壊、不公正な軍事裁判、占領したパレスチナ領土で定住するための大規模なビル建設など、多くの施策を事実上白紙小切手としてイスラエルに与えた政府を持つ国の市民です。

 以前の投稿で書いたように、わたしは、ハマスのミサイル攻撃に対するイスラエルの反撃が均衡を欠き、常軌を逸していると思います。ガザの人達に集団的な懲罰と深刻な人道危機を課している限り、イスラエルの安全を更に危機に晒すだけだと信じています。まったく、スデロトの市民に何が起きているに違いないかを理解できないのと同じように、この瞬間もガザの市民に何が起きているのか想像さえできません。空襲が繰り返される下で、水も電気もなく、食糧も欠乏して、病院は怪我人でいっぱいになり、遺体は、救護員が立ち入れないために腐敗するまま通りに放置されている、そういう状態を。

 この危機において、パレスチナ人に非難を甘んじて受けろと言うのですか?そんなことはありません。陳腐な言い方ですが、非難は必ず自分に戻ってくるのです。しかし、アメリカに住むユダヤ人のひとりとして、わたしもイスラエルの行動に無関係ではありません。わたし達ユダヤ人とアメリカ人は、この危機の責任を分担して負わなければなりません。解決に貢献するために、わたし達はまだどれくらい努力しなければならないのでしょうか。

 まだお済みでないなら、JSTREET(【訳註】親イスラエルであり、かつパレスチナ和平を目指すアメリカの団体、"http://www.jstreet.org/")の陳情に署名するよう奨めます。「すべての軍事作戦を終わらせ、イスラエルへのロケット攻撃も終わらせ、さらにガザの封鎖も解除して、イスラエル、パレスチナそしてアメリカに最大限の利益をもたらす有意義な停戦を実現するために」

(仮訳どすのメッキー 12/Jan./2009)
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 また、たいへん著名なユダヤ系コメディアン、ジョン・スチュアートが、"The Daily Show"という人気の諷刺番組で、ガザ情勢を取り上げ、アメリカの政治家、メディアの一方的なイスラエル支持を「メビウスの輪」と批判したそうです。

 スチュアートほどの芸人の発言は影響力もありますから、反論、攻撃を覚悟の上での発言だと思います。彼の発言に賛同するサイトも立ち上げられたようです。

 http://www.thankyoujonstewart.com/

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ガザ虐殺犠牲者のリアルタイムカウンター

 パソコン好きの米国の写真家Qwaiderさんが、自分のブログ"Qwaider Planet"

 http://gaza.qwaider.com/

で、下例の様なガザの犠牲者のカウンターを7日から提供しています。

 http://blog.sweetestmemories.com/default.asp?Display=1672

Gaza Carnage Counter

 数字は、左から、攻撃が始まってからの日数、死者数、負傷者数となります。自由に(無償で)みなさんのブログ、ホームページに貼ることができます。ガジェットと同じような感覚で、数字は自動的に更新されます。

 パレスチナの犠牲者だけを表示するバージョンと、パレスチナ、イスラエル双方の犠牲者を表示するバージョンの2種類があって、それぞれ、ブログ用とホームページ用のソースコードが開示されていますので、それをあなたのサイトにコピペして下さい。HTMLが分かる方なら、アレンジも簡単だと思います。

 上記例は、パレスチナ人犠牲者だけのバージョンで、わたしは"For wordpress"と紹介されている方のソースを使いました。(cocologでは"For Blogspot"のソースは上手く機能しないようです)

 数字はQwaiderさんが集計しているようです。(詳しい説明はないので)正確性は100%保証はできないと思いますが、各自の判断で使ってください。すでに米国のブログでは何件か使用しているのを見つけました。

 こうしたサービスは、"IRAQ BODY COUNT"

 http://www.iraqbodycount.org/

が先駆けでした。ここでは、かなりの人数をかけて数字の確認を行っています。12日午前9時30分現在、イラク市民のイラク侵略による死者累計はミニマムで9万291人に上っています。

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ガザの虐殺を止める 葉書アクション

 ガザの虐殺を止めるため、麻生首相、イスラエル駐日大使、イスラエル首相の三人に、一般の人が直接葉書を送るアクションが、日本でも始まりました。

【ガザ攻撃・イスラエルの虐殺に抗議する はがきを送ろう】
 http://peacemedia.jp/topics/gaza-letter.html

 メール、FAXももちろん重要ですが、葉書や手紙の効果はそれを上回ると思います。2種類の図案に加え、宛名まで用意されているので、プリンターで印刷したら後は郵便局に持っていって、エアメール発送するだけです。ここまで準備くださったPeaceMediaの方々に深く感謝したいと思います。

 エアメール葉書の料金は世界一律70円。日本の普通の切手を使います。とは言え、70円切手を持っている人は少ないでしょうから組合せを工夫してください。切手を貼れば、国内の葉書と同じくポスト投函でも大丈夫です。ただし、イスラエルまでですと、通常約6日間かかります。オルメルト首相だけでなく、ベンシトリット駐日大使にも必ず同時に送ってください。

 ちなみに、ガザ攻撃に対するイスラエル政府の公式な見解(日本語、WORDファイル)は、大使館の次のページに公開されています。

【南部住民の生命の安全のため、避けられなかった作戦】
 http://tokyo.mfa.gov.il/mfm/Data/152448.doc

 なお、オルメルト首相事務所のファックス番号とメールアドレスは以下の通りです。

 Fax: 972 2 566 4838 (先頭の"972"はイスラエルの国番号です)
 PMO.HEB@it.pmo.gov.il

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2009/01/11

シンディ・シーハン 「わたし達は皆、ガザとともにある」

 絶望と無力感に襲われそうな状況の中で、どれだけ、この人の声を待っていたでしょうか。

 わたしは、彼女をカリスマ化して思考停止する風潮に反対してきましたが、ガザに関する彼女の文章を読むと、運動家としてまさにたぐい稀な資質、それは他人の痛みを我がことのように感じ、断固として何者をも恐れず、そして緻密な戦略をたてて行動するというすべてにおいて、傑出したものを感じずにはいられません。

 今回紹介するメッセージは、シンディ・シーハンが今年1月7日に書いたものです。微力ながら、彼女の熱い思いが伝わるよう精一杯訳しました。このメッセージで、彼女とともに泣き、怒り、そして胸を張りましょう。

「わたし達は皆、ガザとともにある」

【転送連載熱烈歓迎】
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■わたし達は皆、ガザとともにある
【We are all Gazans】
(By Cindy Sheehan, 7/Jan./2009)
http://www.afterdowningstreet.org/node/38750

 これを書きながら、私の目は真っ赤にはれています。

 血だらけの赤ちゃんや手足をもがれた子ども、そして母親や父親が嘆き悲しんでいる写真を見るのは耐えられないことです。

 ヤハウエの「神に選ばれし」国防軍は、2か所の国連避難所を爆撃しました。イスラエルは、そこが避難所として使われていることを知っていながら、(GPS座標を提供した国連は、それほど彼らを信用していたのかしら?)学校を破壊しました。ガザの数十人の無辜の人々が殺されました。イスラエルは、ハマスが学校をロケット発射場に使っていたという便利な言い訳をしましたが、それは国連が否定しています。

「大統領はいつもひとりだけだ」と言ったナントカさん(【訳註】オバマ次期大統領のこと!)は「わたしは戦争自体否定しない。愚かな戦争に反対するだけだ」と言ったでしょう。あなたは、今ガザで行われているテロ行為にコメントするのを頑なに拒否したけれど、わたし達は、あなたが2008年7月にエルサレムを訪れた時、どちらの側に重きを置いてイスラエル大統領シモン・ペレスに話したかを知っている。南部イスラエルのスデロト、そこもイスラエルの大部分と同じようにもともとパレスチナ領土ですけどね、そこであなたはペレスに「あなたのおかげで、イスラエルが建国して60年で奇跡が花開きました」と語って、ハマスの貧弱なロケット弾からイスラエルが自衛する権利にお墨付きを与えたわね。ナントカさんに伝えましょう「わたし達は、あなたがイスラエルを大好きで、ずっと以前から、アメリカ・イスラエル公共問題委員会(AIPAC【訳註】米国の最も強力なロビー団体のひとつ。アメリカ-イスラエルの強固な関係を維持することを目的とする)と軍事で徒党を組んでいるアメリカ・イスラエル帝国の言いなりだって知ってるの。でも、パレスチナの赤ちゃんはガザからロケット弾を放ったりしないわ」

 私はここで、オバマに言いたい。戦争は愚かではありません。戦争は「邪悪」なのです!ここアメリカの貧しい黒人に対する戦争から、アメリカとイスラエルががアラブの人々を侵略するために行った虐殺まで、あらゆる戦争が邪悪です。戦争と言うものは、例外なく、完全に、絶対的に、議論の余地なくむごたらしく、邪悪なのです。アメリカ議会も、イスラエル議会も、そしてそれぞれの政権も、死と破壊を求めて、乱暴で極端な人種差別主義者が羽を休める止まり木かもしれません。洞察にとんだ「チェンジ」にも、積極的な「チェンジ」にもわたし達は全く「希望」が持てません。

 ジョージ・ブッシュはいつも死と破壊を推し進めて、共和党と民主党が戦争マシーンに忠誠を誓えば満足する役立たずの愚か者です。彼は最終的にいなくなり、それは大歓迎なのですが、経済に関わるブレインが納得できるというだけで、次の政権を歓迎していいのでしょうか。次の大統領は、ガザの無力で無抵抗な人を弁護する段になると、驚くべきすばやさと光のスピードで責任逃れに走ってしまうのです。

 殺される赤ちゃんや子ども、そしてその他の純潔な人達が、貪欲で残忍なアメリカ・イスラエル政府の対価を払わされていると思うと、気が狂いそうです。わたしは、虐殺を前に、そして、私の仲間と多くの「平和」運動が、シオニストの次の戦争モンスターに「チェンジ」を期待しているの見ると、深い無力感でいっぱいになります。そう、叫びたい「ナンセンス!」と。

 イスラエルはガザの住民を虐殺し続けています。医師にどんな薬も必要な物資も届かない状態では、数百人いえもっと多くの人達が死に、数千人以上の人が傷つけられるでしょう。そして、オバマがこれ以上沈黙しているなら、数万人が恐怖に取り残され、飢えに苦しみ続けるのです。沈黙は共犯と同じです。わたし達が似非リーダーに追従するなら、わたし達も共犯者です。

 わたし達に何ができるのでしょう。税金を支払う日が近づいている。あなたが支払った税金は、あなたが若い人でも、年老いた人でも、支払い始めてからずっと死と破壊に使われています。あなたが汗水流して稼いだお金がガザやイラクやアフガンの赤ちゃんを殺すのに使われているのを知りながら、夜すやすやと眠れる?わたしはもうめったに熟睡できません。わたしもアメリカ・イスラエル戦争マシーンに税金で資金を提供しているからばかりではないのですが。

 わたしは、サンフランシスコの議員に、イスラエルの会社の株と投資を剥奪するよう呼びかける積もりです。すべてのパレスチナ人への暴力的なアパルトヘイトを止めなければなりません。そして、南アフリカで実現したように、多くの保守的なイスラエル人とともに、公正で人道主義に根ざした解決策が経済的に推し進められなければなりません。あなたも、あなたの住む町で同じような運動を始めるか、すでに始まっていればそこに加わってください。

 わたし達が選んだ公務員に人道主義に基づいた行動をとらせるためには、組織化され、抜け目ない抗議運動をしなければなりません。アメリカ・イスラエル公共問題委員会は、政府立法を親イスラエルにさせるため無制限とも思える資金と影響力を持っています。わたし達の連邦公務員の多くがAIPACに買収されているのですから。

 わたし達が正当な怒りを表し、ファシスト政府に道徳的な水を運び、声をそろえて平和と正義を叫ぶまで、これ以上赤ちゃんの犠牲を増やすべきではありません。

 ガザ地区の住民は、アメリカ製の飛行機からアメリカ製の爆弾を落とされて組織的に殺されています。アメリカ製のヘリコプターからアメリカ製の機関銃で機銃掃射されているのです。止められるのは、まさにわたし達なのです。

(仮訳どすのメッキー 11/Jan./2009)
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 "One President at a Time" というオバマ氏の表現は、すでにイデオム化していますが、日本では最近になって(ハワイから帰ってきた)彼が就任後パレスチナ問題を重視すると発言したこと「だけ」を捉えて、愚かな期待をしています。言いたくもないわたしの地元の空騒ぎは論外としても、日本のオバマ熱は異常でしょう。

 上訳中の「『大統領はいつもひとりだけだ』と言ったナントカさん」の原文は"Mr."One President at a Time""です。周囲がどれだけ浮ついても、シンディの視点はぶれません。オバマは、日本で言えば小泉に似たプレゼンの上手い政治家だと見ていますが、シンディの言葉の真実を前にすると、その空虚さが際立ってきます。

 

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9-10日、世界中でガザ虐殺に対する抗議行動

 9日の金曜日から、10日の土曜日にかけて、地球を一周するように、世界中で、イスラエルに抗議する行動が行われました。

 警官隊との衝突も少なからず起こっています。

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■世界じゅうでイスラエルの犯罪を非難する行動
【World rallies to condemn Israeli crimes】
(10/Jan./2009 GMT, PRESS TV.)
http://www.presstv.ir/detail.aspx?id=81510&sectionid=351021701

☆ニュージーランド

 土曜日、ガザ地区のパレスチナ人を支持するため数千人の人々が町に繰り出しました。デモ参加者はイスラエルの国旗に火をつけ、この地域でイスラエルが行っている残虐行為への憎しみを表現しました。また、イスラエルの犯罪を支持するアメリカを非難するため、ニュージーランド、オークランドにあるアメリカ領事館に靴を投げつけました。デモの参加者は、ハマスの統治をやめさせることを拒否したために、イスラエルの攻撃で殺されたり重傷を負ったりした、先住民ガザ地区への子どもの写真を掲げました。ハマスはイスラエル建国の正当性を認めていません。デモ隊はスローガンを唱和しました。「イスラエルよ、そしてアメリカよ。今日は何人の子どもを殺したのだ?」さらに彼らは、ニュージーランド政府に対し、シオニズム政府の残虐行為を非難するよう求めました。

☆イタリア

 土曜日、ガザの人達に対するイスラエルの攻撃に抗議して、数多くのイタリア人がローマで座り込みに参加しました。デモ参加者は、ガザでイスラエルがパレスチナ人、特に女性や子どもを虐殺していることをありのまま報道しないイタリアのマス・メディアに、怒りの声をあげました。参加者はまた、ガザの危機の状況を国際人権機関が把握していないことを批判しました。座り込みは、3日間続く予定です。

☆ベルギー

 金曜日の晩、数百人の人々が通りを行進し、ガザ地区におけるイスラエルの犯罪に怒りの声を挙げました。デモ参加者は、戦闘を今すぐやめさせるため国際社会が介入するよう求めました。ベルギーの緑の党がデモを支援しました。参加者は、「イスラエルは人殺しだ」「シオニストはテロリスト」「ブッシュもオルメルトも殺人者だ」とスローガンを唱和しました。彼らはまた、ハマスとヒズボラの支持を訴えました。日曜日にも、首都ブリュッセルで大規模なデモが計画されています。

☆アメリカ

 金曜日、数千人の人々がシカゴに集まり、イスラエル政権のガザ地区への攻撃に抗議しました。集会の参加者は、パレスチナ人を全面的に支援することを表明しました。シカゴでは、イスラエル政府が国連の停戦決議を拒絶してから抗議が続いています。

☆ヨルダン

 金曜日、およそ2000人が、首都アンマンで抗議に参加し、ガザ地区のパレスチナ人に対するイスラエルの軍事行動を非難しました。行動中、デモ参加者は横断幕を掲げ、ガザへの人道支援物資の供給を要求しました。参加者は更に、イスラエル大使館を閉鎖するよう要求しました。大使館前でデモ隊と鎮圧に向かった警察が衝突しました。公式発表によると、参加者数人が負傷し、数十人が逮捕されました。

☆インド

 数百人がスリナガルでデモに加わり、イスラエルのガザへの猛攻撃に怒りを表しました。金曜日の祈りが終わってから集まった参加者は、パレスチナの闘士とガザの人々に対するイスラエルの猛攻に抗議しました。参加者は、警官隊に石を投げつけ、反イスラエルのスローガンを唱和しました。彼らはまた、イスラエルとアメリカの国旗を燃やしました。

☆レバノン

 金曜日、レバノン北部の難民キャンプで、数千人の怒れるパレスチナ人が、イスラエルがガザで行っている暴力に抗議するため集まりました。イスラエル政府が、攻撃を今後も継続すると発表してから抗議が始まりました。デモ参加者は、金曜日の祈りの後、ベダウィ、そしてナフル・エル・バーリド難民キャンプの通りに集まりました。参加者は、パレスチナとレバノンの旗を振り、反イスラエルと、ハマス支持を叫びました。

☆エジプト

 数万人の人々が、アレキサンドリアで抗議行動を行い、ガザ地区に対するイスラエルの猛攻撃に怒りを表しました。デモ参加者は、エジプト政府に対し、イスラエルと闘う人々を支援するため、ガザとの国境を開くよう訴えました。イスラエルは、過去18か月、ガザ地区に厳しい経済封鎖を行っている。エジプト政府は、イスラエル政府と協力してラファ検問所を閉鎖している、と。ギリシャ、ケニア、イラク、アフガニスタン、そしてインドネシアを含む他の多くの国々での抗議と同じように、参加者は、ガザ地区でのイスラエルの行為に怒りを爆発させました。

(仮訳どすのメッキー 11/Jan./2009)
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 上の記事には記載されていませんが、フランスのパリでも10万人規模(主催者発表、警察発表は3万人)の抗議行動が行われ、「わたし達は、皆パレスチナ人だ」「わたし達はガザの子どもだ」といったスローガンが唱和されたほか、ハマスやヒズボラへの支持がここでも見られました。警官隊との衝突も報じられています。

 また、オーストラリアの首都キャンベラでも数百人規模のデモが行われ、イスラエル大使館前で「もうたくさん」「ガザに自由を」と訴えました。デモに参加したオーストラリアイスラム友好協会のKeysar Trad氏は、「ルワンダで90万人が殺されたことを含め、各地の虐殺に対し、国際社会が立ち上がらず見殺しにしているのは恥ずべきことだ。暴力に暴力で応じるのは解決にならない」と述べました。

 東京でも、10日は、1500人が抗議に参加しました。

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燃料はあと2日しか持たない、燃料が切れれば子ども達は死ぬ

 ガザの状況はどこまで悪化したらとまるのか、先が見えないような状態です。

 イスラエルの公開虐殺とも言える行為を、世界中の人が見ています。
 それなのに、何故止められないのか。

 記事を探して訳すたび、涙が溢れてきます。

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■医療従事者は警告する、電気が止まれば子ども達は死ぬ
【Medics warn of Gaza child deaths as hospitals run out of electricity】
(By Victoria Ward In Jerusalem, MIRROR.CO.UK.NEWS, 10/Jan./2009)
http://tinyurl.com/9fazza
(上記URLは、TINYURLを使った短縮版)

 医療従事者は昨夜、ガザの病院が電気を使い果たせば、幼児は死んでしまうと警告した。

 パレスチナの帯状の広範囲の地域が、イスラエルの爆撃によって電力がないままになっている。

 病院関係者は、予備の発電機を動かすのに必要な燃料が不足していると警告している。

 ガザ市のナサ病院の関係者は、とりわけ、集中治療で生きるため闘っている幼児の運命について心配している。

 一人の医師は言う。「燃料はあと2日しか持たない」

 燃料を使い果たせば、少なくとも6人の子ども達が数日中に死んでしまう。

 砲撃が続いているため、治療が必要な多くのパレスチナ人は脅えて病院に向かおうとせず、ほとんど手遅れになってしまう。

 ナサ病院の医師は付け加えた。「人々は、赤ん坊が危篤になってからでないとわたし達のところへ連れてこない」

「4日前、生後11か月の乳児が髄膜性敗血症(meningococcal septicaemia)で運び込まれた。症状が進んでいて、3時間後に亡くなった」

「妊婦は必要な気遣いを受けていない」ガザ最大の病院アル・シファ病院の彼の同僚の一人は言った。彼は、英国のボランティア団体「セイブ・ザ・チルドレン」に語った。「妊娠している女性が病院に通えない。そうすれば胎児は死んでしまう。誰にでも分かるはずだ」

 ガザの病院には2000床以上のベッドがあるが、負傷者は3100人を超えている。しかも、140台の救急車の半分は使い物にならない。

 さらに、イスラエルが民間人110人を避難所に包囲して砲撃したと国連が昨日(【訳註】1月9日のこと)抗議した通り、集中的な砲撃があり、30人が殺された。

 国連人道問題調整事務所(OCHA)は、ガザ市の東南ザイトゥンで起きた事件を、「最も重大な」事件と言及した。

 いくつかの証言によれば、1月4日、イスラエルの歩兵はザイトゥンのひとつの住居に約110人のパレスチナ人を避難させ、中でじっとしているように警告した。その半分は子どもだった。そして、「24時間後、イスラエル軍はその家に繰り返し砲弾を浴びせ、約30人を殺害した」

 生き延びた人たちは1マイルもさ迷ってやっと病院を見つけてたどり着いた。その後3人の子どもが死んだ。イスラエルはこの事実を否認している。

 昨日も、イスラエルとハマスは国連の停戦決議を無視し、戦闘の手を緩めることはなかった。

 イスラエルの1回の攻撃で5階建ての建物が崩壊し、一人の乳児を含む7人が殺された。

 イスラエルによると、ハマスは30回のロケット攻撃をしたと言う。

 パレスチナ人の中には、家族全滅を避けるために。子どもを親と離れた別の隠れ家に避難させている者もいる。

 4歳の子どもの父親Abdel Karim Ashour(51歳)氏は「多くの家族が同じようなことをしている。最悪でも家族全員が殺されないように、できることはこれくらいしかない」と語った。

 パレスチナ人の犠牲者が770人、イスラエル人の犠牲者が14人に上り、状況は一層悪化していると、救援従事者は述べた。「セイブ・ザ・チルドレン」のSalwa Tibi(43歳)氏は「父の家の近くにあるモスクが爆撃され、2人の子どもが殺された。近所の2人も殺されたのに、墓をつくってやることもできない」と語った。

 爆撃は続いている。

 Elena Qleinbo(49歳)は加えた。「恐ろしい。5万人以上が避難を余儀なくされている。救援に着たわたし達でさえ、どうしていいか分からない」

 昨日、エジプトとヨルダンで、イスラエルに抗議するデモが暴徒化したそうだ。

(仮訳どすのメッキー 11/Jan./2009)
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2009/01/10

イスラエル、民間人対象にDIME使用、ノルウェー医師告発

 以前お伝えした白燐弾(ウィリー・ピート)は、第一次大戦ころから使われている煙幕発生装置であり、白燐弾には兵器として有効な対人殺傷能力は期待できない、とする指摘も多くあります。自衛隊も、発煙弾として使っているようです。

 しかし、一方では、激しいやけどをもたらす「非人道的兵器」として禁止すべきだとする意見も多いのです。2004年のファルージャ攻撃では白燐弾が使われたといわれ、日中の市街地で、今回ガザで見たような形の煙が降っている映像も紹介されています。ファルージャ人権研究所の所長モハマッド・タレク・アルデラジ氏は、「物を燃やす物質からなる様々な色の雨で、雨を浴びた者は焼かれ、雨に触れていない者も呼吸困難をおこした」と報告しています。

 そして、イスラエルが使った残酷な兵器は、それだけではなかったのです。

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■ガザの市民に対する非通常兵器■
【Unconventional Weapons against The People of Gaza】
 http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=11636

(6/Jan./2009 Interview of Dr. Mads Gilbert by Akram al-Sattari, Global Reserach)

 この報告により、イスラエルの攻撃が、新しい非通常兵器を使用して故意に民間人を狙ったものであることがはっきりしました。

 これは周到に計画された人道的危機です。誰がイスラエル政府の行動を支持できるでしょうか?

 著名で勇敢なノルウェーの医師とのインタビューをお読み下さい。

 注目すべき点がいくつもあります。
(【訳註】文末に5日に行われたインタビュー全文が添付されているが、長いのでとりあえず割愛する。本文の以下の部分はそのインタビューの要約であり、主要な内容はすべて含まれている)

「イスラエルは、Dense Inert Metal Explosive (DIME、【訳註】おそらく10セント硬貨にかけている。小規模という意味か?)と呼ばれる、タングステンから作られた新しいタイプの高性能爆弾を使っています。この兵器は、強大な爆発力があります」

「この兵器は、生き残った人に癌の影響を与えるでしょう。わたし達はそれが癌を惹き起こすのではないかと懸念しています」

「ガザで起きたことすべてが、国際法に違反し、人道主義に反します」

「わたし達が手当てした患者のほとんどは、手足の一部が切断されていた。それは、この種の兵器の被害に見えます。もちろん、切断を伴わない断片的な負傷ややけどもありますが、手足を切断した人たちはかなりの割合に上っています」

 「ご存知のように、わたし達がすべきことはたくさんあります。パレスチナ人の医師、看護士、医療補助員は、人々を救うために信じられないほど献身的に働いています。エリック医師とわたしは、大海の一滴に過ぎませんが、わたし達は彼らから多くのことを学んでいます」

 あなたが誰の立場に立つのか決めてください。
 わたし達は、生命を奪われ続けているパレスチナ人の側に立ちます。
 わたし達は、パレスチナ人のたたかいに連帯します。
 わたし達はアメリカとイスラエルの戦争犯罪に、人道主義で立ち向かいます。

(仮訳どすのメッキー 10/Jan./2009)
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■高密度不活性金属爆薬(DIME)■

 損害を与える距離を一定半径内に制限することを目的として、つくられた新種の爆薬。起爆性材料とタングステンのような化学的に不活性な材料を混成させて製造される。爆発すると、HTMAと呼ばれる微小な破片に分解し、2~3メートルの近距離での殺傷効果が高いが、空気抵抗によってそれ以上は広がらない。、タングステンの破片は、高熱によって軟組織だけでなく骨をも切断するため手足を失う場合が多い。また、対組織に残留した破片によって、横紋筋肉腫など癌を誘発するおそれがあることが、動物実験によって指摘されている。

 この兵器は、2006年7月のイスラエル軍ガザ侵攻でも使われた可能性が高い。この爆弾を支持する人達は、副次的な被害を抑えられるため、人口稠密地域に最適だと言っているそうです。公式な使用が未確認(ということにされている)ため、まだ国際的な禁止対象になっていません。
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 上記の報告は、国境なき医師団日本語サイトの
 http://www.msf.or.jp/news/2009/01/1567.php
「10日間にわたり、シファ病院だけでも300件の大手術を行いました。それらの大半は切断、血管系および整形外科関連のものです」
とも一致します。

 ギルバート医師は、イスラエルが白燐弾を使ったこと、それが民間人に大きな被害があり、ジュネーブ条約に違反することも指摘し、イスラエルの作戦は、「ガザに住むすべての市民に対する戦争です」と非難しました。

 アメリカ版の編集されたものではなく、本当に起こったことを伝えるYouTubeの動画がここで見られます。
 http://www.youtube.com/watch?v=Ev6ojm62qwA

 イスラエルに対するロケット攻撃を理由に、このような武器で市民を攻撃するのが正当化されるはずがありません。

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イスラエルの侵攻は、トーラーのあらゆる教えに反している

 国連安保理の決議を無視する形でイスラエル軍はさらにガザ中心部へ侵攻を続け、パレスチナ人の死者は800人に上るとの報道もあります。しかし、ザイトゥンで新たに見つかった犠牲者などを考えれば、現在分かっている犠牲者の数は氷山の一角でしょう。

 アウシュヴィッツ平和博物館が、9日、ガザへの攻撃の即時停止と和解を求める抗議文をオルメルト首相宛に送りました。

 同博物館は、福島県白河市で、ポーランドのオウシエンティム(「アウシュヴィッツ」はドイツ語の読み方)博物館の協力を得て、「アウシュヴィッツ」の事実はもとより日本の戦争犯罪の事実継承等の活動を通じ、平和推進活動を行っています。

 オルメルト首相への抗議文にある「アウシュヴィッツ最大の犠牲者の子孫が、今や圧倒的に優位な武力によって、明らかに弱体である隣人の命を奪い続けていることを、アウシュヴィッツで亡くなった方々はどう思われるでしょうか?」は、多くの方が持たれる疑問だと思います。オウシエンティムを一度だけ訪れた経験のあるわたしにとっても、理屈では納得できない部分です。、

 ただし、ここで、わたし達が誤解してならないのは、ユダヤ人、イコール、シオニストではない、ということです。今も、多くのユダヤ人が、ユダヤの教えにのっとった真摯な抗議を続けています。世界を、パレスチナ人対ユダヤ人と言う図式に当てはめて考えてはならないのです。

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■ユダヤ人は、イスラエルのガザ侵入に抗議する
【Jews protest against Israeli invasion of Gaza】
http://www.interfaith.org/2009/01/08/jews-protest-israeli-invasion-of-gaza/
(8/Jan./2009 by David Masters Interfaith Online)

 世界中のユダヤ人は、すでに650人以上のパレスチナ人の命が奪われたイスラエルのガザ地区攻撃に抗議しています。

 アメリカの主要メディアに無視された、この見えない抗議は、シオニズムやシオニストによるパレスチナの抑圧、そして場合によってはイスラエル建国に反対するアメリカ、イギリス、そしてイスラエルの人々の中で、決して少なくない規模に見えます。

 正統派(Orthdox judarism)のユダヤ人によると、シオニズム(ガザへのシオニストの侵入)は、ユダヤ教の聖典トーラーに書かれたユダヤ教のあらゆる原則に反します。

 正統派のウェブサイト
"JewsAgainstZionism.com"(http://www.jewsagainstzionism.com/
は、こう説明しています。「シオニズムは、ユダヤ教の教えとその戒律を空しい愛国心と武力にすり替えるためにつくられたものです」

 「ユダヤ人は、神によってのみ救済されるものであり、そのとき世界中に平和がもたらされる、とわたし達は信じます」

 「シオニスト達は、自らが手にした力、物理的で人工的な力だけを信じているのです」
 エルサレムでは、何十人もの厳格な正統派のユダヤ人達が「シオニストのテロリストによるガザの虐殺を止めよ」と書いたプラカードを読み上げながら、今日も立っています。

 彼らは、伝統的な黒いガウンと帽子を着て並んで抗議しながら、イディシュ語で「助けて(Geveld!)」と叫びました。

(仮訳どすのメッキー 10/Jan./2009)
*************************************************************

 ユダヤ教について、わたしは多くを語ることができませんが、大好きな作家アイザック・バシェビス・シンガーの作品の基調となっている、わたし達から見ると一種異質な、それでいて魅力的な世界観と、今イスラエルが行っている行為が、まったく結びつきませんでした。

 ポーランドで幼少時代を過ごしたシンガーは、アメリカに移住してから作品を書き始めましたが、原文はすべてイディシュで書かれています。彼は後のノーベル文学賞を受賞し、世界中で作品が読まれるようになりましたが、イディシュ語で書くスタイルは、終生変わりませんでした。イディシュは、11世紀ごろから東ヨーロッパに住むユダヤ人だけが使い始めた特別な言語で、独特なヘブライ文字で記述されます。その言葉を使う人々のほとんどは、第二次大戦中亡くなりました。

 エルサレムで抗議するユダヤ人がイディシュを使うのは、とても重い意味があります。それは、彼ら自身の言葉で、同じユダヤの同胞であるイスラエル人ひとりひとりの心を動かしたい、と真剣に願っているからではないでしょうか。

 わたし達も目の前のひとりの心を動かすことができなければ、状況を変えることはできません。わたし達の抗議の言葉が、それだけの重みを持っているか、不特定多数に呼びかけるだけで満足していないか、反省すべきかもしれません。

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LAのアーティスト、ガザ思い作曲「わたし達は負けはしない」

 イスラエル軍のあまりの蛮行に、眠れず情報を探していたら、ロサンジェルスに住むシンガー・ソング・ライター、マイケル・ハートが、イスラエルを告発し、ガザのパレスチナ人を励ますための歌"We Will Not Go Down"を8日に発表したのを知りました。YouTube等でPVが公開されています。

 わたしは、ジェイムズ・ブラントの「ノー・ブレイブリー」に劣らない作品だと思います。是非、あなたの大切な人に紹介してください。

**************************************************
■わたし達は負けはしない■
【We Will Not Go Down】
(by Michel Heart 8/Jan./2009)
 http://www.arabisto.com/article.cfm?articleID=28209

真っ白な目も眩む閃光が
今夜もガザの空を照らし出す
避難所を求めて人々は走る
彼らが死んでしまったか生きのびたかは知らない

奴らは戦車や戦闘機でやってくる
紅蓮の炎で焼き尽くし
後には何も残らない
叫び声だけが煙のように立ち上がる

わたし達は負けはしない
たとえ夜でも、武器がなくても
あなたはモスクもわたし達の家も学校も焼き尽くせる
でもわたし達の心は滅びない
わたし達は負けはしない
今夜もガザで

女も子どもも同じように
毎晩毎晩、殺され、虐殺が続く
その間、遠い国のリーダーと呼ばれる人達は
誰が正しくて誰が間違っているか議論しているだけ

けれど、彼らの言葉は空しく役に立たない
爆弾は酸性雨のように降り注ぐ
けれど、わたし達の涙と血と痛みを通して
あなたの耳にはまだ聞えるはず
わたし達の声が煙のように立ち上がるのを

(仮訳 どすのメッキー 10/Jan./2009)

(以下原詩)

A blinding flash of white light
Lit up the sky over Gaza tonight
People running for cover
Not knowing whether they're dead or alive

They came with their tanks and their planes
With ravaging fiery flames
And nothing remains
Just a voice rising up in the smoky haze

We will not go down
In the night, without a fight
You can burn up our mosques and our homes and our schools
But our spirit will never die
We will not go down
In Gaza tonight

Women and children alike
Murdered and massacred night after night
While the so-called leaders of countries afar
Debated on who's wrong or right

But their powerless words were in vain
And the bombs fell down like acid rain
But through the tears and the blood and the pain
You can still hear that voice through the smoky haze
**************************************************

 次は、知人から紹介いただいたもので、ビエンナーレ音楽コンクールでの作品?で、「アラビア語によるガザの歌」という題名です。

 http://jp.youtube.com/watch?v=mkNGZdj_M3I&feature=related

 言葉の意味は残念ながら分かりませんが、パレスチナの人たちの呻きや悲しみが伝わってきます。

 それから、ガザの歌ではありませんが、9日夜NHKのBSで、ジュリー(沢田研二)のコンサートを放映しているのをたまたま見たら、彼が還暦記念に自ら作詞した「わが窮状」を熱唱していました。もちろん「窮状」は掛詞です。「あきらめは取り返せない 過ちを招くだけ/この窮状 救いたいよ 声に集め歌おう/わが窮状守れないなら 真の平和ありえない…」

 爆弾は人を殺すことしかできません。歌や言葉はひとりひとりを生かすことができます。そのひとりひとりが手を結べば、戦争も虐殺も止められると信じます。

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2009/01/09

母親の遺体とともに見つかったガザの子ども達

 どすのメッキーです。

 世界で最も勇敢な組織は、国際赤十字委員会(と赤新月社)、と国境なき医師団だとよく言われます。彼らは、誰よりも早く戦場や被災地に駆けつけ、一番最後に撤退する、と。

 しかし、イスラエルは、ガザ地区への赤十字(と赤新月社)の立ち入りも、ジャーナリストの立ち入りも妨害し続けています。

 国連の赤坂清隆広報局長は8日、イスラエルの大使へ書簡を渡し「客観的で事実に基づいた情報を得ることはどんな時でも不可欠な重要性があり、今のような緊急事態では特に重要な役割がある」とし、国際メディアがガザに速やかに入ることを保証するよう、イスラエル政府に要請しました。赤坂氏は、国際メディアがガザに立ち入ることを許されていない、という海外報道協会からの訴えを受け、事実を知ることは世界人権宣言第19条でも明記された基本的権利だ、と強調しました。

 人道に十分配慮していると言い張るイスラエル軍が、報道に目隠しをした新しいゲットー(ベネズエラのチャベス大統領は、新しいホロコーストであり、イスラエルとアメリカは国際法廷で裁かれるべきだ、と述べました)で何をしているのか、NYタイムズのこの記事を読んだだけでも、戦慄を覚えます。中立をモットーとする国際赤十字委員会が紛争の一方の当事者をこれほど明確に非難するのは、極めて異例です。

 日本のメディアでも一部報道されていますが、詳しい記事を全訳で紹介します。

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■母親の遺体とともに見つかったガザの子ども達
【Gaza Children Found With Mothers’ Corpses】
 http://www.nytimes.com/2009/01/09/world/middleeast/09redcross.html
(8/Jan./2009 by ALAN COWELL NY Times)

 国際赤十字委員会は、木曜日に「衝撃的な」場面に出会ったと述べました。赤十字委員会の代表が、イスラエルの砲弾で打ち壊されたガザの一部に初めて足を踏み入れたとき、小さな子ども達が母親の遺体に寄り添っているのを。赤十字委員会は、戦闘地域において負傷した人を保護する義務に違反しているとイスラエルを非難しました。

 この非難に対し、イスラエル軍は直接のコメントを控えています。イスラエルは声明で故意に「パレスチナの民間人を人間の盾として」利用しているとして、ガザの敵対者ハマスを非難しています。そして、イスラエルの陸軍は「戦闘中でも、市民が支援を受け取れるように、国際救援組織と密接に協力して働いている」と述べました。

 イスラエル軍は、声明で「決して故意に民間人を狙ったりはしないし、作戦を中断してでも民間人の命を救い、無実の市民を支援するために負傷の危険まで冒す意欲を見せている」と述べ、「いかなる深刻な申し立ても、いったん正式にそのような苦情を受ければ、現在の軍事行動の制約の中で、適正に調査される必要がある」と断言しました。

 ジュネーブにある国際赤十字委員会本部は、ガザ西部のザイトゥンの被害を受けた地域に立ち入ることを土曜日から求め続けていたのに、イスラエル当局が許可したのは水曜日、まさに人道的見地からガザに対する3時間の攻撃中止を受け容れた初日だけだった、と例を見ない厳しさで批判しました。

 声明によれば、水曜日、赤十字が同行したパレスチナ赤新月委員会の4台の救急車が、ザイトゥンに向かったところ、そこの家々のひとつで「4人の幼い子ども達が亡くなった彼らの母親に寄り添っているのを見つけました。子ども達はあまりに衰弱していたので、立ち上がることもできなかったのです。また、成人の男性一人が生きてはいるもののやはりたつこともできないくらい衰弱していました。マットレスの上には少なくとも12人の遺体が横たわっていました」

 救援隊の声明は続きます。「別の家では、負傷者を含む15人の生存者を見つけました。また別の家では、さらに3人の遺体を見つけました。この家からおよそ80m離れた地点で任務についていたイスラエル兵は、その場所は立ち入り禁止だと救援隊に立ち退くよう命令しました。他のいくつかの場所でも、2台の戦車とイスラエル国防軍が近くにいました」

 イスラエル軍が塹壕を掘ったため救急車が目的地に入ることができず、「子どもや負傷者を救急車まで補助カートで運ばなければなりませんでした」と声明は述べました。

 声明は、事態を「衝撃的」と表現したの国際赤十字委員会のイスラエルとパレスチナ地域代表Pierre Wettach氏の言葉を引用しました。

「イスラエル軍が状況に気付いていたのは間違いありませんが、彼らは負傷者を放置しました。イスラエル軍は、わたし達にもパレスチナ赤新月社にも負傷者の救助を認めませんでした」

 国際赤十字委員会は声明で「この場合、イスラエル軍は負傷者を保護して避難させる国際人道法下の義務を果たさなかったと考えます。救助の遅れは決して許されません」と述べました。

(仮訳 どすのメッキー 9/Jan./2009)
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 国境なき医師団は設備も電力もままならない現地で、24時間体制で、すべてをなげうった努力を続けています。しかし、イスラエル軍の攻撃と封鎖が、これ以上続けば、彼らにも限界がきます。

 http://www.msf.or.jp/news/2009/01/1567.php

 UNRWAも一時撤退を余儀なくされた今、即時停戦の声は一瞬も緩めることができない状態になっています。

【追記】この記事を投稿した直後、ザイトゥンの死者が、明らかに民間人を狙った大量虐殺によるものだと国連機関が発表したというニュースを目にしました。

「国連人道問題調整事務所(OCHA)は9日、パレスチナ自治区ガザ地区のガザ市近郊のザイトゥン地区で5日、イスラエル軍が約110人のパレスチナ人市民を1軒の住宅に集めた上でそこに複数回砲撃を行い、子供を含む約30人が死亡したと発表した。」
(毎日 9/Jan./2009)
http://mainichi.jp/select/today/news/20090110k0000m030062000c.html

 ソンミ事件を連想させるような酷い仕打ちです。これはもう一般的に紛争と呼べる状況ではなく、ましてやハマスの武装組織を目標にしたものでさえなく、最初からパレスチナ人全体を対象にした虐殺にほかなりません。選挙後与党であり続けたいために、ここまで人間はここまで残酷で罪を恐れぬことができるのでしょうか。

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2009/01/08

爆弾の数は数えられても あなたたちの数は数えられない

 「ガザからの手紙(18)」を読んで、だいぶ前に自分が書いた詩を思い出しました。

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■沈黙

「約600万人」

一桁のところで明滅するあなたの命
爆弾の数は数えられても
あなたたちの数は数えられない
誤差と呼ばれる数字の陰に
あなたの人生が折りたたまれている
スプーンからこぼれた砂糖のように
命はもう掬いあげることはできないが
その粒一つ一つを指でひろげて光らせていこう

「少なくとも3767人」

あなたの声は電波に乗らないが
あなたの吹き飛ばされた頭蓋や腕は
新聞の一行を書き加えることもできないが
私たちが踏み入れられない地雷原の中から
チェラの白濁した霧の中から
私たちの不器用に重い衣服や胃袋を拘束する

私たちを置いていくな、
そのまま前へ進むな、と

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 2001年、タリバンがオサマ・ビンラディンを匿っているとして、米英がアフガニスタン空爆を開始して間もなく書いたものです。

 詩や童話の制作に没頭しかかっていたわたしは、その後半年ほどで思うように文章がかけなくなり、創作の筆を絶ってしまいました。

 911以後だけでも、人間は何度このような悲劇を繰り返しているのでしょうか。イスラエル対ハマスと言う図式は表層であり、抵抗もできず殺されていく多くの人々こそ本質です。

 パレスチナ人を虫けらのように虐殺しているイスラエル兵も、きっと家に帰れば子どもを気遣う良き父親であり、堅実な息子なのでしょう。たまたまパレスチナ人に生まれて地獄を見るのも耐えられない悲劇なら、たまたまイスラエル人に生まれて人殺しに加担するのも幸運とはいえないでしょう。

 それでも、憎しみや、何かを手放したくないという欲や驕りから解放されて、せめて人殺しの過ちから人間が自由になる思想が必ずあるとわたしは信じます。

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わたし達は、数字以外の何ものでもない(ガザからの手紙18)

 イスラエルは7日、ハマスが実効支配するガザへの攻撃を、住民への人道物資搬入を目的に1日3時間中断する調停案を受諾したとされました。国連もこれは不充分ながら重要なステップと歓迎してたのですが、開始後わずか数分で、停戦は崩壊してしまいました。それまでの多くの人の話し合いの努力が一瞬にして反故にされました。

 このような状況下で、UNRWAのサイトに連載された手紙は書かれています。

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■ガザからの手紙(18)「生きることも死ぬことも無意味だ」
【Letters from Gaza (18)/From a meaningless life to a meaningless death】
 http://www.un.org/unrwa/refugees/stories/lfg/LFG_18.html
(UNRWA 6/Jan,/2009)

 わたしが覚えている空はまだ青い。この3日間、わたしは空を見ていませんでした。冬の晴れた日に空がどんなに美しいか、もう少しで忘れるところでした。浜辺を歩いて平和を楽しめたらどんなにいいか。

 3日前、わたしは、夫と子ども達と一緒に、夫の家族の家へ引っ越しました。浜辺のアパートから見る景色は素晴らしかったけれど、子ども達が夜中に大きな爆発の音に目を覚まして、怯えて泣いたりする事がないよう、安全な場所を見つけようと思ったのです。わたしは、明日が今日よりもよくなって、安心できると子ども達に約束することができません。子ども達は、いつこんな暮らしが終わって、子どもらしい普通の生活に戻れるのか、もう尋ねるのをやめてしまいました。

 イスラエルがますます暴力的で邪悪になっていく以外、見るものは変わりません。彼らがガザの市民に戦争をしかけてから、わたし達は、一切の楽しみを棄ててしまいました。わたしも、子ども達も、イスラエルの戦争マシーンが絶え間なく爆撃する音に我慢できません。夜はもっとひどい。F16が爆弾を落とす音を聞きたくないので、子どもはとても早く床につくようになりました。ミサイルが命中する直前の風切音がどんなに恐ろしいものか、想像もできないでしょう。自分が標的だと感じるたびに、命中するまで何秒か数える恐ろしさを。家族みんなが無事で目が覚めたら、皆でアラーに感謝するだけです。もう1日生きられる、と!

 わたしは、人々がどんなに戦争を憎んでいるか、人々の心と魂に残っているあらゆる痛みについて、話すのをよく聞いたものです。戦争はとても残酷です。わたし達パレスチナ難民は、戦争の酷さを何度も体験しました。それでも今回ほどではありませんでした。子どもや、お年寄り、何の罪もない胎児にさえ、何の慈悲もありません。イスラエルは、わたし達はすべて区別なく犯罪者であり、死ぬに値すると考えているのです。

 わたしは、戦争が終わるのをもう期待していません。子ども達は、ニュースで報道された映像を見てから、ものを感じることをやめてしまいました。子ども達も、多くの家族も、皆、イスラエルの憎しみと残忍さの犠牲者です。人生は、わたし達にとってだけでなく、子ども達にとっても意味がなくなりました。わたし達は、ただ犠牲者のリストに付け加えられるのを待っているだけです。そう、数字以外の何ものでもないのです。

 わたし達の残された希望は、家族揃って死ぬことだけです。わたし達の誰も、死に別れた辛さを抱いて生きてなどいけません。

Najwa Sheikh
6/Jan./2009
Nusierat Camp, Gaza Strip

(仮訳 どすのメッキー 8/Jan./2009)
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2009/01/07

死んだパレスチナの子どもにも名前がある

 毎日、目を背けたくなるような映像が紹介されています。

 こともあろうに、YouTubeには、イスラエル軍が撮影した戦場の動画が、何十件もアップされているそうです。これも、国際的な非難をかわし彼らの攻撃を正当化するための組織的なプロパガンダのようですが、とても探してみる気にはなれません。

 ところで、毎日戦場の映像を見たり、転送したりしているうちに、わたし達も慣れっこになっていませんか?胸がつぶれるような思いが伴わない呼びかけはわたしは嫌いです。

 アメリカ在住と思われるHussam Ayloushさんのブログを見つけ、その率直で苦悶するような文章を読み、わたしは本当に胸がつぶれそうでした。

 「死んだパレスチナの子どもにも名前がある」

 なんと重い言葉でしょう。

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■死んだパレスチナの子どもにも名前がある
【Dead Palestinian children have names too】
(31/Dec./2008 Hussam Ayloush)
 http://sabbah.biz/mt/archives/2008/12/31/hussam-ayloush-dead-palestinian-children-have-names-too/

 5人の子どもの父親として、パレスチナであれ、イスラエルであれ、ムスリムであれ、ユダヤ教徒であれ、キリスト教徒であれ、その他何を信じていようと、子どもの残酷な死を聞くたび、胸が張り裂けそうになる。子どもには罪がなく、喜びと慈悲の象徴なのに。

 イスラエルが、3年以上、150万人のガザの人々を完全に包囲し、それを大きなゲットーか刑務所に変えてしまったら、子ども達は傷つくに違いない。

 ハマスがそれに対し原始的な手作りのロケットをイスラエルに打ち込むことで応じれば、子ども達はきっと危険に晒されるだろう。

 イスラエルが、人口密度の高い居住区に大量の強力なミサイルや爆弾を落として、パレスチナ人に集中的な懲罰を加えたら、間違いなく子ども達は殺される。これまで、30人近くの子ども達がこれら爆弾のせいで死に、何百いやそれ以上が障がいを負い、体の一部を失った。

  イスラエルの子ども達が傷つくたびに、世界中が悲嘆にくれる。全くその通りだ。世界中の人に、傷ついた子どもの名前、両親の嘆き、死をもたらした悲劇が報道される。

 でも、パレスチナの子どもが傷つけられても、世界の誰も気に留めない。誰も子どもの名前を語らない。子どもを愛していた両親や、兄弟、祖父母がどんなに悲しんでいるか知らされもしない。シオニストの宣伝マシーンは、パレスチナ人を人間じゃないと思わせるのに成功したのだ。パレスチナ人は、テロリストであり、殺人鬼であり、過激で、人間らしくないものとして描かれる。こういうわけで、そのような人たちのどれだけ多くが難民になっても、家が壊されても、土地が奪い取られても、牢屋に入れられ、殺されたり傷つけられたりしても、平気でいられるようになったのだ。

 パレスチナの人々、今はイスラエルとパレスチナに分けられてしまった歴史的パレスチナに旧来住みついていた人々は、他のすべての人々と同じく、彼ら固有の土地で自由を求めている。そして彼らは、あらゆることを犠牲にしても、自分達が自由と尊厳を持って暮らさなければならないと、世界にずっと示してきた。

 そして、そう、死んだパレスチナの子ども達にも、生きている子ども達と同じように、名前があり、両親はやはり彼らを愛しているのだ。

 以下に、過去数日間に殺されたパレスチナの子どもの写真と名前を紹介する。

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

・HayaとLama Hamdanは、イスラエルのミサイル攻撃で殺された。Haya Hamdanは、深い眠りについたが、それは彼女の両親が思い描いたものではなかった。(1、2)

・瓦礫の下の小さな少年、Yahya Hayek。わたし達米国の政府は最近、バンカーバスターと呼ばれる強力なミサイルをイスラエルに新しく供給した。ブッシュ政権はまるで、痛みを長引かせないよう迅速に子ども達を殺す手伝いをしたがっているように見える。Yahya Hayekの祖母が、彼女の孫の遺体を確認するよう頼まれた。少年の遺体は、幸いまだそれが誰だか見分けがつく状態だった。彼女は、イスラエルの指導者の思いやりと気遣いに感謝するだろう。(3、4)

・西岸のデモで掲げられたイスラエルの兵士に撃たれた少年。(5)

・まだ生後14か月の赤ん坊を含めて5人の娘を殺され、ないて嘆く父親。5人の少女のひとりDeena Baaloushaの葬儀で。Deenaは今何を考えているのだろう。天使のように美しい彼女の顔は、無数のことを語っている。なぜ、世界は、3年間もイスラエルに彼女と4人の姉妹を飢えるままにさせたのだろう、そして、なぜ、世界はF16がミサイルで彼女たちの生命を奪うのを黙って見ていたのか。Deenaはやっと彼女自身の安らぎの国で眠ることができた。これこそイスラエルが言い続けている平和に違いない。(6、7、8、9)

・若いパレスチナの男性が、病院に着く前に死んだ小さい少年を運ぶ。少年にも名前があったに違いない。両親が少年をずっと愛して、今なお愛しているのも間違いない。多くのイスラエル人にとっては意外かもしれないが、パレスチナの親は子どもに名前をつけ、とても愛するものなのだ。(10)

・彼の罪は、彼はイスラエル人ではないということだ。だから誰も気にかけない。(11)

・殺された3人の少年。これでイスラエルの攻撃目標が3つ減った。(12)

(仮訳 どすのメッキー 7/Jan./2009)
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 後半の文章は、ぜひ元のサイトも訪れて、写真を見てください。訳文の末尾カッコ内の数字はオリジナルページの写真を上から順に数えた番号です。

 オリジナルページのTiny化したURLは下記です。

 http://tinyurl.com/8gjth7

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【熱烈協力お願い】アムネスティ、ガザ即時停戦を求める緊急アクション

 アムネスティ・インターナショナル日本が、ガザ地区への違法な攻撃を即時止めさせるため、エフド・バラク・イスラエル国防相と、トニー・ブレア中東和平特使に手紙(メール)を送る緊急アクションを開始しました。

■「閉じ込めないで! 殺さないで!」
パレスチナ・ガザ地区への違法な攻撃の即時中止を
http://www.amnesty.or.jp/modules/wfsection/article.php?articleid=2141

 もちろん日本語ですので、どなたでも1クリックで参加できます。

 バラク国防相とブレア特使へのメッセージ(英文)は雛形が用意されていますが、腕に覚えのある人は、あなた自身の言葉でも送れます。この辺は、アムネスティの伝統的なアクションと同様です。

 この問題に対して、アムネスティは、すでにたくさんの声明を発表しています。国連をしのぎ世界で最も信頼される組織アムネスティの中立的で理性に基づいた呼びかけは、わたしたちの行動の試金石となるものです。以下もご覧下さい。

 http://www.amnesty.or.jp/modules/news/index.php?storytopic=26

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潘事務総長、国連学校への攻撃を怒りをこめて非難

 イスラエルが空爆を開始して以降、パレスチナ人の犠牲者は660人を超え、イスラエルのパレスチナ民間地域への侵攻としては、史上最悪の規模になってしまいました。

 どんなに気を確かに持っていても、毎日増えていく犠牲者の数字にわたし達は鈍感になりがちです。しかし、このひとつひとつに、人間の人生があることを忘れないでください。

 国連学校の襲撃も、イスラエルは、学校の陰から攻撃されたため、と言い訳しています。しかし、潘事務総長の指摘にもあるように、そこは国連施設であり民間人が避難していた場所であることをイスラエルは知っていたのです。しかも、攻撃したのは1箇所ではありません。

 わたしは、潘氏について、前任のアナン氏とは違い、比較的現実主義で、感情を出さない人だとこれまで思っていました。しかし、今回は違います。

 国連ニュースで伝えられる一言一句に込められた潘事務局長の憤りを感じてください。

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■潘事務総長、ガザの国連学校への攻撃は「とうてい容認できない」
【Ban condemns ‘unacceptable’ Israeli strikes on UN schools in Gaza】
http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=29472&Cr=Palestin&Cr1=
(6/Jan./2009 UN News Center)

 終わらないガザの紛争から民間人が避難していた3つの国連学校を、イスラエルが明確に目標として攻撃を加えたことに対し、潘基文国連事務総長は今日、「とうてい容認できない」とし、何十人もの生命を奪った事件について、国連高官とともに独立した調査を要求すると述べました。

 国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)によって運営される幾十もの学校は、住む家を失ったり、暴力から逃れてきた1万5千人以上のパレスチナ人に、仮設住宅として提供されているものです。

 ハマスの武装組織によるロケット弾攻撃への反撃として、昨年12月27日、イスラエルがガザに空爆を開始して以降、機関による教育プログラムは中断しています。

「ガザの市民は、他に行くところもなく、ガザ地区から離れることもできないために、UNRWAの避難所を捜し求めているのです」潘氏は言いました。

 UNRWAの運営部長ジョン・ギング氏によれば、ジャバリヤの難民キャンプで、いつもは女子の予備校として使われている学校に3発の迫撃弾が打ち込まれたとき、約30人が殺された上、55人が怪我を負い、そのうち5人は重態です。

 ジャバリヤの男子校も攻撃されましたが、人はいませんでした。

 昨晩、ミサイルがビルのトイレ施設に命中したとき、ガザ市の小さな共学制の国連学校に避難していた3人のパレスチナ人が亡くなりました。

 殺された3人は、「その日いつもより早く家を出ていたのです」UNRWAの職員は言いました。きっと「ガザの中では国連学校にいれば安全だと思ったのでしょう」

 こうした攻撃の結果、これ以上死傷者を増やさないために、緊急に停戦を実現することが一層不可欠になってきました。彼は、独立した調査を要求しながら、話しました。「亡くなった人たちの犠牲が無駄にならないでほしい、と心から願っています」

 別の事件では、UNRWAの保健センターが近くのビルへの攻撃のひどい巻き添えになり、7人の国連職員が負傷し、そのうち3人は重態です。

「国連施設はすべてイスラエル当局に連絡済で、イスラエル軍もその場所を分かっているはずです」と事務総長は指摘しました。

 攻撃が開始されてすぐ、作戦が国連施設を危険にさらしている、とイスラエル政府に警告しました。しかし、「繰り返し警告したにもかかわらず、今日の惨事を招いたことに深い失望を覚えます」と彼は述べました。

 難を避けている民間人を収容している国連施設に対するイスラエルの攻撃は「とうてい容認できないし、二度と繰り返されてはなりません」潘氏は言いました。「同じように、パレスチナの民間人を危険に陥れるどんな軍事行動も許されません」

 これらの事件は、継続的でエスカレートする戦闘がいかに危険なものであるかを際立たせていると彼は語り、改めて即時停戦を呼びかけました。

 潘氏は、フランスのベルナール・クシュネル外相が議長をつとめるこの晩の安全保障理事会の公開会合で、最新の情報について更に述べるでしょう。

 安保理の会合は、イスラエルが1週間続空爆をガザへの地上侵攻に拡大した土曜日にも非公開で開かれていました。しかし、暴力と悪化する人道的状況に関して一致した決議が得られませんでした。

(仮訳 どすのメッキー 7/Jan./2009)
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2009/01/06

潘事務総長、イスラエル・ハマス間の停戦実現へアラブの外相と会談

 国連の動きを継続してご紹介します。

 以下は、日本時間6日朝にメールで配信されたニュースです。潘事務総長の呼びかけで、安保理に迅速で断固とした対応をとるよう協力してはたらきかけることで、アラブ諸国が一致しました。

 国連広報センターのWEB上では倍くらいの長さの詳しい記事になっていますが、とり急ぎ、メール・ニュースの短信を仮訳しました。イスラエルの攻撃を(当然ですが)「明らかに行き過ぎた(clearly excessive)」と断言していることに注目。さらにその後も、イスラエルはパレスチナの避難所として使われていた国連学校を攻撃し、42人以上を殺害しました。

 WEBの記事によると、6日潘基文国連事務総長はブッシュ大統領と会談する予定との事。この結果も発表され次第、がんばってご提供したいと思います。

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■潘事務総長、イスラエル・ハマス間の停戦実現へアラブの外相と会談
【BAN MEETS WITH ARAB MINISTERS IN BID TO SECURE ISRAEL-HAMAS CEASEFIRE】
(6PM 5/Jan./2009 UN News Center)

 潘基文国連事務総長は今日、ガザの停戦を実現するため精力的に外交交渉を行いました。アラブ諸国の外相に、イスラエルが「明らかに行き過ぎた」軍事攻撃をやめ、ハマスが「逆効果」で「まったく容認できない」ロケット攻撃ををやめるのを確実にするため、協力して欲しいと呼びかけました。

 潘事務総長は、何より尊重されるべき継続的な停戦を直ちに実現するために、「わたし達がもっと働きかけなければならないと信じている指導者として」、アラブ連盟のアムル・ムーサ事務局長、ヨルダン、レバノン、リビア、モロッコ、およびアラブ首長国連邦(UAE)の外務大臣、そして、他のアラブの代表者をニューヨーク国連本部に招いた会合で話しました。

「わたし達の任務は、早期に本当の解決策を見つけることです。安全保障理事会による呼びかけが関係するほかの国や地域から関心を持たれないのは残念です。わたしは、安全保障理事会が国連憲章に基づく責任を果たし、この危機を終わらせ、継続的で恒久的な平和をこの地域にもたらすべきであると信じています」と彼は述べました。

 イスラエルが、先週からの空爆に加え、土曜日にガザ地区に地上侵攻を始めた後、安全保障理事会は非公開会合を開催しましたが、公式な合意を得ることはできませんでした。しかし、今月議長国を努めるフランスのジーン・モーリス・リペール国連大使は、暴力の拡大とガザの人道的状況について深刻な憂慮を表明する点では「強い同意」が得られたと言ってよいだろうと述べました。

「安全保障理事会が迅速かつ断固とした行動を起こすよう、わたし達は、一緒になって今すぐ実践的な努力を払わなければなりません。国連事務総長として、わたしは、この暴力を終わらせるために、すばやく効果的な国際合意を促進する手助けをしたいと思います」と潘国連事務総長は、アラブの指導者に語りました。そして、国連は「ガザの男性、女性、子ども達に食糧を確保し、支援し、この恐ろしく危険な試練の真っ只中の苦しみを和らげるために」できる限りのことをしていると付け加えました。

「このトラウマを終わらせるために、国連事務所の道徳的権限を用いようと懸命に努力しています」彼は「わたし達の前に明らかになる恐ろしい危機」に深い憂慮を表しながら言いました。

「わたし達は、イスラエルに対して、明らかに行き過ぎた軍事攻撃をやめるようあくまで主張しなければなりません。わたし達は、ハマスのロケット弾攻撃も直ちにやめるよう主張しなければなりません。それは、まったく容認できないだけでなく、実に逆効果でもあるのですから。何よりも尊重される継続的停戦を直ちに実現することが必要なのです」

 ガザの民間人は、「彼ら自身に責任のない巨大なトラウマを負わされようとしています。わたしも、紛争がここまで拡大したことが、地域の安定に何をもたらすのか、非常に心配しています」と彼は述べました。

 外務大臣として、ヨルダンのサラーハッディーン・バシール氏、レバノンのファウジ・サッルーフ氏、リビアのアブドルラハマーン・モハメッド・シャルガム氏、モロッコのタイエブ・ファシ・フィフリ氏、アラブ首長国連邦のムハンマド・フサヤン・アール・シャリ氏が出席しました。また、エジプト、カタール、サウジアラビア、およびシリアの国連常任大使とパレスチナ人代表が出席しました。

(仮訳 どすのメッキー 6/Jan./2009)
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(以下ニュース原文)

Secretary-General Ban Ki-moon intensified his diplomatic drive to secure a Gaza ceasefire today, <"http://www.un.org/apps/sg/sgstats.asp?nid=3646">calling on Arab foreign ministers to help ensure that Israel end its “clearly excessive” military assault and Hamas stop its “terribly counter-productive” and “completely unacceptable” rocket attacks.

“As leaders I believe we must do more,” he told Arab League Secretary-General Amr Moussa, the foreign ministers of Jordan, Lebanon, Libya, Morocco and the United Arab Emirates (UAE), and other Arab representatives in a meeting at UN Headquarters in New York in which he called for an immediate and durable ceasefire that is fully respected by all.

“Our task is to find fast and real solutions. It is regrettable that the call by the Security Council has not been heeded by the parties concerned. I believe that the Security Council should live up to its responsibilities under the UN charter and bring this crisis to an end and establish a durable, permanent peace in the region,” he said.

After Israel launched a ground offensive into Gaza on Saturday in addition to its then week-old air attacks, the Council held a closed meeting but reached no formal agreement, although Ambassador Jean-Maurice Ripert of France, which holds the Council Presidency this month, said there were “strong convergences” to express concern at the stepped up violence and the humanitarian situation in Gaza.

“We must work together, urgently and practically, so that the Council can act quickly and decisively. As Secretary-General, I want to help facilitate a speedy and effective international consensus to end this violence,” Mr. Ban told the Arab leaders, adding that the UN is doing all it can to “feed and help the men, women and children of Gaza and ease their suffering in the midst of this frightening and dangerous ordeal.

“I am trying hard to use the moral authority of my office to bring an end to this trauma,” he said, voicing deep concern at “the terrible crisis unfolding before us.”

Mr. Ban added, “We must insist that Israel end its military assault, which is clearly excessive. We must insist that Hamas end immediately its rocket attacks, which are so terribly counter-productive, in addition to being completely unacceptable. There must be an immediate ceasefire, durable and fully respected by all.”

Gaza’s civilian population is “being subjected to a massive trauma that is not of their own making… I am also deeply worried about what the further escalation of this conflict could mean for stability in the region,” he said.

The foreign ministers present were Salaheddine al-Bashir of Jordan, Fawzi Salloukh of Lebanon, Abdel-Rahman Shalgam of Libya, Fassi Fihri of Morocco and Mhamad Husayen al-Shali of UAE. The UN permanent representatives of Egypt, Qatar, Saudi Arabia and Syria and the Palestinian representative also participated.

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あなたのブログ、ホームページに GAZA連帯のバナーを!

 ラムゼイ・クラーク氏が呼びかけた国際署名
 http://www.iacenter.org/gazapetition/

への参加者が50万人を超えました。しかし、状況改善の兆しはまだみられません。

 アートの巨大なコミュニティ"deviantART"
 http://www.deviantart.com/

に、昨年末から、"GAZA"というカテゴリが追加されました。
 http://browse.deviantart.com/?qh=&section=&q=gaza

 大勢のアーティストが作品を提供しています。どれも質の高いものばかりです。国際署名の参加者を急速にひろげ、ガザに一刻も早い停戦と真の和平をもたらすために、あなたのブログやホームページにこれらのバナーを貼って下さいませんか。

 ネットサーフィンをしてあちこちでバナーが目にとまれば、関心を持つ人も増えてくるでしょう。

 慣れない方には検索が難しいかもしれませんので、以下、わたしが印象に残った作品をいくつかご紹介します。URLをクリックしてください。それぞれ中央に掲示されている絵をクリックすると原寸大になります。

"We all GAZA"
http://moslemperson.deviantart.com/art/we-all-Gaza-82424958

"Save GAZA"
http://exceptional-mind.deviantart.com/art/GAZA-107652289

"FOR GAZA"
http://ilayda-arts.deviantart.com/art/FOR-GAZA-108277746

"GAZA We are humans"
http://seifo92.deviantart.com/art/GAZA-80081967

"FREE GAZA"
http://no-more-ignorance.deviantart.com/art/FREE-GAZA-sorceressmyr-108350218

"SPECIAL APPEAL FOR PALESTINIAN PEOPLE"
http://ilayda-arts.deviantart.com/art/Special-Appeal-108281107

"STOP ISRAEL"
http://beautyofeternity.deviantart.com/art/Stop-Israel-107672501

"ISLAM INSIDE"
http://meali-adk.deviantart.com/art/Islam-Inside-New-108045669

"THEY WERE TARGETING HUMANS, NOT(ONLY) HAMAS"
http://no-more-ignorance.deviantart.com/art/Humans-or-Hamas-108488920

"GAZA NEEDS YOU"
http://bsooma.deviantart.com/art/GAZA-NEEDS-YOU-107743519

"WHAT IS HER GUILT?"
http://persianrose.deviantart.com/art/here-is-gaza-itis-humanright20-108494179

"GAZA of the light"
http://anitaru.deviantart.com/art/Gaza-of-the-light-108171452

"GAZA Won't Surrender"
http://mahdydesigns.deviantart.com/art/Gaza-Won-t-Surrender-108362038

 なお、これらの作品は、印刷物としての無償配布は認められていないようです。ご利用にあたっては、制作者の意図をご理解のうえ、改変などはされませんようお願いします。

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2009/01/05

ガザ停戦実現のための、麻生首相と中曽根外相への陳情

 1月5日夜、麻生総理大臣と中曽根外務大臣に、以下の陳情文をFAXおよびメールで送りました。

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日本国内閣総理大臣 麻生太郎様
日本国外務大臣 中曽根弘文様

 公務、まことにご苦労様です。

 状況が悪化するガザ地区の紛争を解決するため、日本国として、更に積極的な働きかけを緊急にとっていただきたく、お願い申し上げます。

 麻生内閣総理大臣におかれましては、イスラエルのオルメルト首相、およびパレスチナのアッバス議長に電話で即時停戦を呼びかけていただきましたこと、また、中曽根外務大臣も、イスラエルのリヴニ外相に同様の働きかけをしていただいたこと、存じております。また、麻生首相が、日本としてガザ地区への人道支援を行うことを表明されたこと感謝いたします。

 しかし、フランスや、国連安保理等の努力にもかかわらず、状況は更に悪化し、ガザ地区の民間人死者は500名を超えたと報じられています。とくに、現地3日夜から開始された地上攻撃は、世界で最も人口密度が高く、しかも、半数が子どもといわれるこの地区に地獄絵図を現出させているといって過言ではありません。

 イスラエル政府は、過去2ヶ月のロケット弾攻撃から市民を守るため、と攻撃を正当化していますが、ノーベル平和賞受賞者で、中東和平に尽力したジミー・カーター元米国大統領も指摘している通り、自衛を勘案しても、あまりに均衡を欠く攻撃規模といわざるを得ません。

 パレスチナ側のロケット攻撃を是認はしませんが、そもそもこの攻撃も、18か月にわたるイスラエルのガザ封鎖により、食糧も燃料も尽きた事に対する抵抗であることを看過すべきではありません。しかも、イスラエルの攻撃開始前、ハマスは、検問所を開放するというわずかな要望さえ実現されれば攻撃をやめると申し出ているにもかかわらず、イスラエルはこれを黙殺したのです。

 一部の武装勢力をのぞけば、ガザの人々は、イスラエルの豊富な武器に抵抗する術がまったくありません。攻撃で直接殺されず病院にたどり着いても、電気も、設備も破壊され、薬も持ち込めず、死を待つだけの子ども達を想像してみてください。事態は一刻の猶予もありません。

 また、パレスチナ紛争に責任があり、カルテットの一員でもあるアメリカのブッシュ大統領が、紛争の責任を一方的にパレスチナ側に押し付け調整を投げ出していること、オバマ次期大統領がこの問題に対し完全な沈黙を守っていること、そして安保理会合で即時停戦の呼びかけに米国が反対したことは、きわめて重大だと思います。

 戦後一貫して平和主義を掲げてきたわが国は、アメリカの良きパートナーとして、今こそ、勇気を持って紛争の調停への努力を進言するときではないでしょうか。

 麻生内閣総理大臣、中曽根外務大臣のご英断をこころからお願いするものです。

(実際の陳情ではここに実名と連絡先)

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国連はガザの紛争を終結させる主要な役割がある

 国連安保理のニュースの続きです。

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■国連はガザの紛争を終結させる主要な役割がある、と潘氏は語った
【UNITED NATIONS HAS KEY ROLE TO PLAY IN ENDING GAZA CONFLICT, SAYS BAN】
http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=29461&Cr=gaza&Cr1=palestin
(10PM 4/Jan./2009, UN news Center)

 潘基文国連事務総長は、今日、国連はガザ地区で行われている暴力を止めるため主要な役割があるにもかかわらず、残念ながら、昨晩の安保理会合ではどうやって紛争を終結させるかについて一致が得られなかった、と述べました。

 イスラエルがガザに地上侵攻を開始して間もなく緊急に召集された会合で、15人のメンバーの一致はできなかったにもかかわらず、潘国連事務総長(明日5日に国連本部でアラブの指導者と会う予定です)は、外交努力は前進していると語りました。

「わたしは、停戦を模索して到達した重要な局面にあたって、国際社会のすべてのメンバーに、現在増大している危機を終結させるため、一致してかかわるよう求めます。」彼は報道官の声明を通して述べました。

 事務総長は、衝突を終結させるための政治的努力だけでなく現地の状況について説明を聞くために、国連中東特別調整官のロバート・シェリー氏をニューヨークに呼び出したと述べました。

「この間、悪化する現地の人道的状況に関して私はとても憂慮しています」シェリー氏は言いました。「カレムシャロムだけでなく、カルニやナハル・オズ検問所も開いて、必要不可欠なほかの物資と同様、特に小麦粉や発電所を再開するための燃料の持込を許可するよう、わたし達はイスラエル当局に密に交渉しています」

(【訳註】以下、末尾までの文章は、原文自体が前日のニュースの一部分と同じ)

イスラエルは、過去2か月間のガザの過激派によるイスラエル民間人に対するロケット弾やその他の攻撃を、武力攻撃とガザに通じる検問所の封鎖の理由としてあげています。

 この晩行われた安全保障理事会の非公開会合について、今月議長国であるフランスのジャン・モーリス・リベール国連大使は、15か国のメンバーで「正式な一致点」は得られなかったが、暴力の拡大とガザの人道的状況について深刻な憂慮を表明する点では「強い同意」が得られたと言ってよいだろうと述べました。

「また、危機を解決し、和平交渉を再開するようすべての党派に呼びかけるために進められている地域的、そして国際的外交努力を全面的に支持する点でも、同意が得られました」

(仮訳 どすのメッキー 5/Jan./2009)

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イスラエル、地上侵攻に、「白燐弾」使用?

 国際社会は、2006年1月選挙で選ばれたハマス政権を承認せず、イスラエルの軍事的脅迫により、ガザ地区は人道的な危機に陥りました。特に2006年7月イスラエル軍がガザ地区の発電所や水道施設を破壊したことにより、衛生上も深刻な状態に追い込まれました。

 そんな中、2006年8月、パレスチナ軍事組織がイスラエル軍基地を急襲し、2人のイスラエル兵士を殺害し1名を拘束したことを口実に、イスラエル軍はレバノンに侵攻し、大規模な攻撃を行いました。子ども、女性を含む数百人の市民が殺害され、400万人の人口の4分の1に近い百万人近い人々を自分の家から追い出されました。この時破壊されたインフラを再建するためには、100億ドルの費用と、数十年の時間が必要と見積もられています。この侵攻には、アメリカから輸出されたクラスター爆弾が使われました。

 昨年末以来のガザ地区攻撃もこれと似ています。軍事的脅迫でパレスチナ人を追いつめるだけ追い詰めて、わずかな反撃(それがよいとは言いませんが)があれば、それを口実に懲罰的な全面攻撃に出る。イスラエルが封鎖した検問所を開放するなら、ロケット攻撃をやめる用意があるとハマスが申し出ており、それを黙殺するかたちで攻撃が始まった経緯を忘れてはなりません。

 十分人道的な配慮がされているため停戦は必要ない、とイスラエル政府は主張しますが、すでにすでに500人を超える命を奪ってどこが「人道的」なのでしょう。爆弾は相手を見てから爆発するわけではありませんし、ピンポイントの爆撃が言い訳に過ぎないことは、これまで何度も証明されています。

 そして、今回は、クラスター爆弾に勝るとも劣らない残虐な平気が投入されたおそれが示唆されています。人口密集地の低い上空で破裂し白い煙を発散しているのは、一般には「発煙弾」と報道されていますが、軍事評論家の神浦元彰さんは、これが「白燐弾」ではないか、と警告しています。

 http://www.kamiura.com/new.html

 神浦さんによると、「砲弾内の白燐は自然発火して、ゲリラの頭上に燃焼しながら降り注ぐ。白燐弾に通常の砲弾の様な爆風や破片による破壊・殺傷効果はないが、燃焼で人間だけを殺傷すのである。白燐の場合は戦闘服や皮膚を通過しても、筋肉内でも燃焼を続けることが可能だ。」というきわめて残虐な爆弾で、いかなる目的があっても、民間人がいる場所で使うことは許されないものです。

 これまで、人間は、最近ではアメリカとその同盟国は、にわかに信じられないような残酷な兵器を何種類も使ってきました。その背景には、攻撃対象を同じ人間とは見ない、人種差別の意識があります。相手が自分と同じ生命を持つ人間だと少しでも感じたら、このような兵器のトリガーは、たとえ離れた場所からでもひけないはずです。

■首相意見フォーム
http://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken.html

■外務省意見フォーム
https://www3.mofa.go.jp/mofaj/mail/qa.html

(以下はFAX)
外務省                      (FAX) 03-3505-1862
中曽根弘文外相             (FAX)03-3592-2424
小沢一郎(民主党代表)        (FAX)03-3503-0096
鉢呂吉雄(民主党ネクスト外相)    (FAX)03-3593-7272
志位和夫(共産党委員長)      (FAX)03-3508-3735
福島瑞穂(社民党党首)        (FAX)03-3500-4640
田中康夫(新党日本代表)      (FAX)03-5512-2416
太田昭宏(公明党代表)         (FAX)03-3592-1019
綿貫民輔(国民新党代表)      (FAX)03-3504-2569

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2009/01/04

潘国連事務総長、イスラエルの攻撃拡大に緊急安保理開催

 イスラエル軍が、3日夜(日本時間4日未明)、とうとうパレスチナ自治区ガザ地区に地上侵攻を開始しました。空爆による軍事施設やインフラの破壊を達成し、この地区全体の制圧にフェーズを移したことを意味します。イスラエル政府は、当初地上戦は短期間の作戦と発表していたものの、攻撃開始後は数次にわたり長期間続くとの方針に変更しました。

 潘国連事務総長は、この事態にきわめて遺憾の意を表明するとともに、非公開の安保理会合を召集しました。それに関する国連ニュース・センターの記事を紹介します。

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■国連事務総長は、イスラエルのガザ侵攻に警鐘を鳴らす
【Secretary-General sounds alarm as Israeli forces enter Gaza】
http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=29460&Cr=gaza&Cr1=palestin
(3/Jan./2009, UN News Center)

 2009年、1月3日、潘基文国連事務総長は、今日イスラエルがガザ地区に対し地上戦を始めたことを深く憂慮し、この問題を話し合うため、緊急に安全保障理事会の会合を召集すると発表しました。

 事務総長は、イスラエルのオルメルト首相に対し、きわめて遺憾の意を表明しました。

 事務総長の報道官によって発表された声明によると、潘氏は、攻撃の拡大がすでに深刻な状態の民間人の苦しみを増大するのは避けられないことが確実であると警告しており、地上戦を直ちにやめて、民間人保護のためにできることをすべて行い、人道援助が必要な人々に届くようにしてほしいと、イスラエルに要求しました。

 潘氏は、今の自体は、国連、EU、ロシア、米国などで構成されるいわゆるカルテットがこの地域に平和をもたらそうとしている努力に反するものだ、と強調しました。

 潘氏は、衝突を直ちにやめる様、アピールを繰り返し、殺戮と苦しみを即時終わらせるために地域的、および国際的パートナーが、可能なあらゆる影響を及ぼすよう促しました。

 イスラエルは、過去2か月間のガザの過激派によるイスラエル民間人に対するロケット弾やその他の攻撃を、武力攻撃とガザに通じる検問所の封鎖の理由としてあげています。

 この晩行われた安全保障理事会の非公開会合について、今月議長国であるフランスのジャン・モーリス・リベール国連大使は、15か国のメンバーで「正式な一致点」は得られなかったが、暴力の拡大とガザの人道的状況について深刻な憂慮を表明する点では「強い同意」が得られたと言ってよいだろうと述べました。

「また、危機を解決し、和平交渉を再開するようすべての党派に呼びかけるために進められている地域的、そして国際的外交努力を全面的に支持する点でも、同意が得られました」

 ガザの保険省によれば、12月27日にイスラエルの軍事行動が始まって以来、400人以上の人が殺害されました。国連人道問題調整部(OCHA)は今日、治安の悪化によって、最も傷つきやすい人々への食糧の供給が阻害されている、と報告しました。

 国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は、12月中旬に中断した配給を1月1日に再開できたものの、国連食糧計画(WFP)が届けられたのは、利用可能な1000メートルトン(【訳註】1メートルトンは1000キログラム)の物資の一部分にすぎません。

 カレムシャロム検問所は今日閉じられましたが、トラック3台分の医療品が、ラファ検問所経由でガザに届けられました。

 OHCAによると、12月30日から停止しているガザの発電所を再開するための燃料、小麦、そして現金がガザに緊急に必要です。

(仮訳 どすのメッキー 4/Jan./2009)
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 ガザを視察した国連の人権問題の専門家は、2日、極めて深刻な状況にショックを受けた、と報告しています。インフラも食糧も封鎖されたままの地上戦がどんな被害をもたらすのか、容易に想像できません。

 退任まであと1か月を切ったブッシュ米大統領は、地上戦開始後でも、紛争の責任がハマス側にあり、ハマスのロケット弾攻撃中止の保証がない限り停戦は不公平だとの立場を崩していません。また、オバマ次期大統領も、先日ご紹介したとおり、この問題について一切の公式コメントを避けている状態です。

 私たちにできることで最も有効なのは、日本政府に、「同盟国」としてアメリカがとにかく今の事態の拡大だけはすぐに止める動きをするよう、働きかけることだと思います。

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【5日補足】上記国連のニュースでは触れられていませんが、一致した方針が得られなかったのは、アラブ世界を代表してリビアが提出した即時停戦を求める議長声明に、予想通り米国が反対したことによるものです。今後も調整が継続される予定ですが、米国への働き掛けが重要な意味はお分かりいただけるでしょう。オバマ就任演説で浮かれている場合ではありません。

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その場合、日本の平和主義はもちろん、潘国連事務総長のコメントや、カーター・センターの声明なども参考になると思います。

■首相意見フォーム
http://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken.html

■外務省意見フォーム
https://www3.mofa.go.jp/mofaj/mail/qa.html

■駐日イスラエル大使館広報室FAX
 FAX 03-3264-0792
 住所 〒102-0084 千代田区二番町3番地

■駐日アメリカ大使館代表電話
 電話 03-3224-5000
 住所 〒107-8420 港区赤坂1-10-5

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2009/01/03

カーター元米国大統領、ガザの暴力即時停止を訴え

 中東和平に実績のある、ジミー・カーター元米国大統領が、彼が設立した人道支援団体カーター・センター
 http://www.cartercenter.org/homepage.html

を通じて、ガザ地区の暴力を即時停止するよう声明を発表しています。

 大統領在任中の政策には疑問もありますが、退任後のカーター氏の役割は評価できると思います。ノーベル平和賞を受賞した際、私が彼に、ブッシュのイラク攻撃を止めて欲しい由メールを送ったところ、即座に(自動返信でない)誠実な返事をくれました。

 今回の声明は短いですが、問題点と、とるべき姿勢を端的、かつ妥協なく訴えています。

****************************************
■速報:カーター・センターはガザ地区の暴力の即時停止を求める
【FOR IMMIDEATE RELEASE:Carter Center Urges Immediate End to Violence in Gaza】
http://www.cartercenter.org/news/pr/gaza123108.html
(31/12/2008 Carter Center)

 カーター・センターはガザ地区とその周囲での暴力を即時停止するよい訴えます。 イスラエル政府は人口密度が高いガザの民間人を危険にさらす作戦をやめなければなりません。そして、ガザの事実上の主権者はロケット攻撃をやめなければなりません。

 カーター・センターは、ガザ地区とその周囲でエスカレートする暴力を深く憂慮し、その結果、何百人もの命が失われていることを悼みます。国連によれば、98人以上の民間人と42人の子どもを含む少なくとも390人のパレスチナ人と、4人のイスラエル民間人が亡くなりました。

 国際社会は、あらゆる暴力の即時停止、そして持続可能な停戦を緊急に模索する動きに取り組まなくてなりません。イスラエル政府が市民を守る権利を認めたとしても、現在行っている作戦は均衡を欠いており、この地域の平和を作る努力に有害です。

 最近の事件は、過去18か月にわたる封鎖で人道支援が壊滅的な影響を受けたガザ地区のパレスチナの民間人がずっと強いられてきた苦しみを更に深刻にするものです。

 人口密集地域に対するイスラエルの空爆と、たとえばガザのイスラム大学への攻撃などインフラの破壊は、パレスチナの人々に潜在する急進主義にますます拍車をかけ、長期的にはイスラエルの安全保障も損なっているのです。

(仮訳 どすのメッキー 3/Jan./2009)
****************************************

 カーター氏は、ロケット弾攻撃も公平に停止を求めながら、イスラエルの攻撃は、ロケット弾攻撃の防衛としては明らかに過剰であること、インフラを狙うなど人道法にも反していること、そしてこの姿勢が長期的にはイスラエル自身の安全も損なうことを主張しています。多くの指導者が一致点を得られる内容だし、(ラムゼイ・クラーク氏と違って英語も読みやすいし…)そうしなければならないと思います。

 今回のガザ攻撃で、私は、イラク攻撃前、13歳の少女シャーロッテ・アルデブロンが、メイン州の平和集会で話した内容を思い出しました。ここで嘆かれていることが、まさにその後イラクで起き、今ガザで起こっているのです。

 彼女の訴えは少しも古くなっていません。今一度読み返してみてください。↓

 http://homepage2.nifty.com/mekkie/peace/iraq/news/048.html

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2009/01/01

【1月2日訳文訂正】ラムゼイ・クラーク、ガザの即時停戦を求める国際署名開始

(転送・転載歓迎)

 インターナショナル・アクション・センター
 http://www.iacenter.org/

が、2008年度国連人憲賞を受賞したラムゼイ・クラーク氏名で、ガザ地区の即時停戦を求める国際署名を始めました。↓

 http://www.iacenter.org/gazapetition/

 他の署名よりも少し記入する内容が多いです。各国首脳宛のメッセージを自由に書き換えられる(全くオリジナルでもよい)タイプの署名ですが、英文で、ラムゼイ・クラーク氏の文章を上回る内容を書くのは、たいていの人にとって至難の業だと思いますので、サンプルとして提供されているメッセージを仮訳しました。

***********************************

【訂正とお詫び】1月1日にご提供した翻訳に、明らかな誤りを何箇所か見つけましたので、お詫びして訂正します。とくに重要な訂正箇所は、

6段落目後半の「恒久平和のすべての要件が満たされるまで…禁輸処置も止めることを求める」

及び7段落目の「すべての党派が…殺害や負傷の責任を負うよう求める。」

の部分です。ご迷惑とお手数をおかけすることになり、申し訳ありません。

【更に1箇所訂正(4/Jan/2008)】

 5段落目冒頭の原文では"final solution"という言葉を、一般的な言葉通り「最終的な解決」と訳していましたが、これは、ヒトラーの行為が下敷きになった表現で、「最終的な解決」=「民族浄化」、つまり被抑圧民族の徹底的なせん滅を意味したものであるとのご指摘を受けました。その部分を4日に訂正しました。

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 内容に異議がなければ、そのまま送ればよいかと思います。

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■パレスチナのガザ地区の殺人を惹き起こしたイスラエルの空爆、封鎖、武力侵入を直ちにやめるよう求める緊急アピール
【Urgent Appeal for Israel to Immediately Cease Its Murderous Bombing, Siege and Threatened Invasion of Palestinian Gaza!】
 http://www.iacenter.org/gazapetition/

(宛先)
ジョージ・ブッシュ大統領、
バラク・オバマ次期大統領、
コンドリーザ・ライス国務長官、
ヒラリー・クリントン次期国務長官、
リチャード・チェイニー副大統領、
ジョー・バイデン次期副大統領、
連邦議会の指導者、
藩基文国連事務総長、
ミゲル・デスコト・ブロックマン国連総会議長、
国連安全保障理事会の理事国
国連加盟国の大統領、首相、
イスラエルの閣僚と野党党首、
主要メディアの代表

  イスラエルは、60年間にわたり、国連総会と国連安全保障理事会決議、および、国際司法裁判所、国際法、及び基本的人権の要請に挑戦し、処罰されないままパレスチナの人々を迫害し続けてきた。

 ここ数年、パレスチナ人が虐待され、貧困を強いられ、分割され、そして貶められている一方で、イスラエルは、ますます豊かになり、強力かつ暴力的になっているのに、自分自身を犠牲者だと宣言するようになった。

 最も効果的な組織に対してパレスチナ人を分裂させる、これが長年一貫したイスラエルの戦術だ。近年の大部分、イスラエルはファタハを攻撃した。今イスラエルが攻撃する目標はハマスだ。しかし、パレスチナ人はひとつであり、パレスチナ国家もひとつである。これがパレスチナ解放機構の指導原理だ。イスラエルの方針は、いつも、パレスチナ国家樹立の可能性を破壊することだった。ハマスに対する犯罪的な攻撃は、実は、パレスチナ国家樹立を阻止し、それを分割し、征服するというイスラエルの継続的な攻撃の一環なのだ。

 大失敗のブッシュ政権が終焉に近づいている今、現在刑事告発を受けた首相がいるイスラエル政府(【訳註1】)は、国際的な孤立やパレスチナの窮状を深刻にし、大虐殺を行うためにガザ地区におけるパレスチナの指導者を恣意的かつ組織的に葬り去ることを国際世論が許すかどうか、テストしている。パレスチナガザ地区への無差別攻撃や侵入等の行動をじゅうぶん知れば、レバノン、シリア、イラン、アフガニスタン等の中東、アラブ諸国、すなわち悲惨な規模の闘争に至る危険をかかえるイスラム社会じゅうで、激しい怒りを燃え上がらせ、それはインドやパキスタン間にも広がるだろう。

 ガザが抵抗する力を破壊し、パレスチナ人の「せん滅(final solution)」を推し進めるだけでなく、この地域のイスラエルの支配の拡大を阻害する可能性を潰すために、イスラエルは、イスラエルを守るために戦うアメリカやヨーロッパ連合、NATOとともに、アメリカの「唯一無二の」大統領ジョージ・ウォーカー・ブッシュがイスラエルを支援し、ガザであら捜しをしている間、イラン、シリア、レバノン、パキスタン、そしてアフガニスタンで、戦争につながる対立を探している。

 署名に参加したわたし達は、この危険で困難な日々と時間の中、国連、アメリカ、NATO加盟国、中立のヨーロッパ諸国、アジア各国、第一には中国、インド、インドネシア、パキスタンの政府、アフリカ、中南米諸国に対し、イスラエルとパレスチナに即時停戦し、平和を確立するよう要求するよう求める。恒久平和のすべての要件が満たされるまで、ガザ、イスラエル、エジプト、及び地中海へのすべての国境を人道支援物資を運ぶため開放するとともに、イスラエルにおける武力行使や、禁輸処置も止めることを求める。

 わたし達は、すべての人々、彼らが組織され活発に活動した時究極のパワーを発揮するのだが、彼らに求める。彼らの住む町で街頭デモをし、彼らの政府にイスラエルにパレスチナに対する侵略戦争をやめさせるため全力を尽くすよう要求するように。そして、すべての党派が平和を追求すること、イスラエル、アメリカ、そのほかイスラエルの攻撃に物質的な支援を行った国々に、その結果としての殺害や傷害の責任を負うよう求める。

 わたし達は、各国政府と、人道団体に、医療、食糧、人道物資、シェルター等パレスチナで求められる緊急援助を提供するよう求める。そして、平和、正義、世界じゅうの子ども、女性、男性に平等な尊厳を真剣に模索するすべてのメディアに、イスラエルは直ちに攻撃をやめよとヘッドラインに掲げるよう求める。すべての党派は、ひとつの国家が承認されるかパレスチナ国家が国連総会決議181号(1947年【訳註2】)の完全履行に沿って、1948年10月以前の統治が委譲され、パレスチナが繁栄するまで、パレスチナ人との交渉の継続に努めなければならない。

敬具。

(仮訳 どすのメッキー 1/Jan./2009→2/Jan./2009訂正)
****************************************

訳註1:エフード・オルメルト首相は汚職告発を受けて辞任し、現在『暫定首相』。第一党「カディマ」の党首、ツィピ・リブニ副首相兼外相の連立工作が不調に終わったため、総選挙予定より1年繰り上げ2009年2月10日実施する予定

訳註2:パレスチナをユダヤ人国家とアラブ人国家の二つに分割することを勧告した決議。その後もユダヤ側とアラブ側の対立が続く中、ユダヤ側は翌年決議を根拠にイスラエル建国を宣言するが、反発するアラブ側と第1次中東戦争が勃発。勝利したイスラエルはパレスチナの80%を占領、さらに67年の第3次中東戦争でイスラエルはエルサレム、ガザ地区、シナイ半島、ヨルダン川西岸、ゴラン高原を占領

****************************************

■署名の方法

#1)「Step 1: Enter your contact/signature information:」で、以下を入力して下さい。

 Honorific(敬称):男声なら"Mr"、女性なら"Ms."を選択
 First Name(名前、ローマ字)
 Last NAme(苗字、ローマ字)
 Address(住所):例 2-8-30 Heiwa-cho, Heiwa-ku
 City(都市名):例 Nagoya
 State/Region(地域):"other"を選択
 ZIP(郵便番号):例 9100002
 Country(国):"JAPAN"を選択
 Area Code* and phone(電話番号、国番号、市外局番から):例81-776-**-****
 Email(メールアドレス):

 オプションのチェックは、すべて外して構いません。

#2)「Submit」ボタンをクリックしてください。

#3)メッセージ確認ページに移り、上記仮訳のメッセージがメッセージボックスに表示されているはずです。もし短くてもご自身のメッセージを送りたい方は、ここで直接入力してください。このメッセージでよい方は、文章をスクロールして、最後の行に
"From Japan."
とだけ付け加えてください。

#4)「Send My Message!」ボタンをクリックすれば完了です。

#5)最後に出てくるページは、この署名をあなたの名前で知人に紹介するためのページです。英語で案内が送られますから、むしろ拙サイトをご紹介いただいたほうが有効でしょう。

*注*IACから自動送信されるあて先の中には不通の場合もあるようで、一部不通のメールが返信されますが、とくに気にする必要はないと思います。

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イスラエルのガザ襲撃に沈黙を守るオバマ次期大統領の意図とは?

 ガザ地区の空爆を続けているイスラエルのオルメルト首相は31日、治安閣議で、「ロケット弾攻撃が続いているのに停戦はできない」と述べ、フランスなどが進めていた48時間の暫定停戦案を拒否し、攻撃を続けると発表しました。

 麻生首相も攻撃停止の話を持ちかけたようですが、ほとんど相手にされていません。

 そんな中、ブッシュ政権時代からの「チェンジ」を掲げて期待を集めるオバマ次期アメリカ大統領が何をしているのか、まったく見えてきません。その点について、アルジャジーラが記事を書いています。

 オバマ氏は、イラクからの撤退を主張していると言っても、アフガンは増派を計画していますし、イランへの攻撃にも賛成でした。そこで、パレスチナ問題への対応はどうか、ですが、早くも幻想が崩れかけているようです。

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■非難されるガザに対するオバマの沈黙
【Obama's Gaza silence condemned】 
http://english.aljazeera.net/news/americas/2008/12/2008123101532604810.html
(31/12/2008 Aljazeera)

 イスラエルがガザで空爆を開始して以来、数百人が殺された。
 ガザの危機に対する発言をバラク・オバマに求める圧力が高まっているのにもかかわらず、アメリカの次期大統領はこの件に沈黙を守っている。
 ハワイで休暇を過ごしているオバマは、すでに380人以上が殺害されたパレスチナの領土に対するイスラエルの容赦なき武力行使に対し、何ら公式の見解を発表していない。 前イリノイ州の上院議員の彼は、先月のインド・ムンバイでの襲撃事件後も発言したし、アメリカの経済危機には詳細な声明を発表している。
 しかし、アメリカの次期大統領がガザの襲撃に対しはっきりと意見を述べるのを渋るということ自体、ある種特定のメッセージを送ることになるかもしれない。
「沈黙はほとんど共犯のように思われる」the Conflicts Forum groupのワシントン・ディレクター、マーク・ペリーは、アルジャジーラに語った。
「オバマは、イスラエルはロケット攻撃から自衛する権利があると言ったが、私が聞きたいのは、彼は、パレスチナ人にも同じように自らを守る権利があると信じているのかどうかだ」

■イスラエルの支持

 イスラエルは、南部イスラエルに対するパレスチナのロケット攻撃を防ぐため、作戦は不可避だと言う。
 そして、オバマは、選挙戦期間中、アメリカの最も重要な同盟国のひとつとしてイスラエルを支持し、安全保障を確実にすることを誓う、と繰り返し表明した。
 オバマは、スデロトを訪れたとき、パレスチナのロケット弾について説明を受けた。
 6月、エルサレムがイスラエルの不可分の永遠の首都であると彼がイスラエル・ロビー団体に語ったとき、アラブ世界の怒りを呼び起こした。
 彼はまた、パレスチナからの恒常的なロケット攻撃の目標となっていたガザに隣接したイスラエルの町スデロトを7月に訪問し、住民への支援を示した。
 イスラエルの国防相エフド・バラクは、襲撃の開始にあたって彼自身を正当化するため、オバマがイスラエル訪問中行ったコメントを引用した。
「オバマは、彼の二人の娘が眠っている間ロケットが彼の家に向けて発射されるなら、それを防ぐために手段を選ばないだろうと言った」と月曜日にバラクが語ったと報じられた。 オバマの補佐官は、オバマは状況を見守っており、継続して情報の要約を受け取っているが、彼はまだ大統領ではないのだ、と繰り返し弁明した。
 しかし、現職の大統領であるジョージ・ブッシュもまた、ホワイトハウスがイスラエルを支援しているにもかかわらず、イスラエルの攻撃に対し沈黙を続けているのだ。

■悲観的なアラブ人

 多くのアラブ人は、11月オバマの大統領選挙の勝利を慎重ながら楽観的に受け止めていた。ホワイトハウスの顔ぶれが一新されれば、イラクに侵攻しイスラエルを強力に支援したブッシュ政権よりはましになるだろうと信じて。
 しかし、彼の外交政策チームの選択、特に国防長官にヒラリー・クリントン、首席補佐官にラーム・エマニュエルを指名したことは、大きな変化に疑問を抱かせた。
 それでも、オバマの沈黙を彼自身の立場とイスラエル・ロビーの力を超えた用心深さの兆候であると見なすこともできる。
 エジプトの政治学者で、アンマンのthe Arab Thought Forumの事務総長であるハッサン・ナーファは、「彼は慎重を期そうとしており、アラブとイスラエルの紛争は彼の重点課題のひとつではないため、今後も積極的な動きはしないだろう」とロイターに語った。
「オバマの立場は非常に不安定だ」ベイルートのアメリカン・ユニバーシティの政治学教授Hilal Khashanは付け加えた。「ユダヤ人ロビーは選挙でオバマを支持してはいない。そのため、彼はガザについて沈黙を守る道を選んだのだ」

■抗議行動は変化を要求する

 しかしながら、多くのアメリカ人が、オバマががガザの出来事に関して彼自身の意見を述べるよう求めている。
 抗議する人達は、月曜日は、ワシントンD.C.にあるオバマの引継事務所に、火曜日には、ハワイの彼の別荘のまわりに集まって、彼が積極的に行動するよう要求した。
「オバマ政権は、ブッシュ政権と非常に親密な関係がある」連邦政府で働くマイク・レイツは、オバマの事務所で抗議を行ったとき、アルジャジーラに語った。「何か完了させるために、両者が手を組めない理由はどこにもない」
 火曜日ホワイトハウスの前で行われたイスラエルのガザ攻撃に反対する別の抗議行動では、中東和平に対するバラク・オバマの貢献に疑問が投げかけられていた。
「あなた達が論じていた変化とはこんなものですか?」イラン出身のコンピュータ技師のReza Aboosaiediは言った。
「これで何か変わったというなら、あなた達はとんでもなく間違っている。なぜなら、アメリカの諸々の経済問題やその他の問題に、中東のこの種の問題を加えたら、オバマが対処できるとは思えない」
 しかし、抗議行動の他方では、イリノイ州の元上院議員は、何か違うことをやれるのではないかと期待している人達もまだいるように見える。
「オバマが、ブッシュよりも積極的に、イスラエルとパレスチナを和平会談の席に着かせる議事日程を推し進めてほしいと思うが、そうした動きを知らない」弁護士のボブ・マーロンは言った。
「でも、私は楽観主義者だ。だから希望は捨てないんだ」

(仮訳 どすのメッキー 1/1/2009)
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 アメリカは、イスラエルの武力行使、戦争犯罪の一貫した擁護者です。2004年、イスラエル軍がガザ地区に大規模襲撃をした際も、イスラエル軍の即時撤退を求める安保理決議案が、15か国中、11か国が賛成したにもかかわらず、米国の拒否権行使により否決されました。(英国、ドイツ、ルーマニアは棄権)2001年、パレスチナ人統治地区からのイスラエル軍の撤退と、イスラエル軍による民間人へのテロ行為に対する非難決議も、2002年イスラエル軍による国連職員数名の殺害と世界食料計画(WFP)の倉庫の破壊に対する非難決議案も、アメリカの拒否権発動で否決されました。

 2004年の拒否権発動に関し、Power and Interest News Report (PINR) 10月7日付が、なぜ米国はイスラエルを支持するのか(Why the United States Supports the State of Israel)、という論文を掲載しています。

 その中で、 Erich Marquardt氏は、米国が一貫して支持してきたイスラエルという国は地理的には分離されているものの、中東での米国の利益-石油-を守ることによって存続する依存した関係であり、どんな独立した中東の力が安く安定した石油の供給を妨げるのも許さないと述べています。そして、経済的にも軍事的にも中東を西洋に依存させるのが目標であり、それに逆らった典型がエジプトのナセルとイラクのフセインだった、そうした事態に対してイスラエルは米国の中東における戦艦(battleship in the Middle East)の役割を果たしてきた、としています。

 その政策を忠実に実行して袋小路に追い込まれたのがブッシュ政権でしたが、間もなく発足するオバマ政権は本当の「チェンジ」を見せられるのでしょうか。

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