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2007/07/10

もしわたしが大統領だったら

 シンディの休養宣言の掲載サイトとしてご紹介した"Impeach Bush.tv"

http://www.impeachbush.tv/index.html

 は、この状況でますます活気を帯びています。Tシャツなど資金集めのグッズも安くて魅力的なので、思わず注文してしまいそう。

 そのサイトの中に、「もしわたしが大統領だったら…」という短い記事があります。ブッシュとチェイニーを弾劾しあとにどういう政府を目指すのか、この運動のマニフェストのような文章です。

"If I Were President"
 http://www.impeachbush.tv/topics/myplan.html

 これは、もちろん直接シンディの思想を示すものではありませんが、アメリカの市民を一路ワシントンへと結び付けている考えが端的に表現されていて、こちらにも感銘を受けました。イラクに関する政策と、平和全般に関する政策を抜粋して仮訳しました。

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■イラクについて:

 イラクの問題は、まったく簡単に解決できるものではありません。新しい政府はアメリカの介入で汚染されており信頼できません。したがって、わたし達はイラクのすべての政党に対して公平であることを誓います。アメリカ軍の駐留が引き金となってほとんどの暴力が引き起こされている以上、責任を持って、アメリカ軍を国連の平和維持軍に切り替えます。また、わたしはイラク国内に恒久の基地をつくるのを中止し、それを解体してイラクから撤退するでしょう。

■平和のポリシー:

 憎しみがないだけで、それを愛とは呼ばないように、平和は、戦争が起こっていないという以上のものです。平和を実現するには、共通の目標を見つけ、それぞれの国がそれを目指して、進んで理解しあい、お互いに尊敬しあえるよう、各国が積極的に努力しなければなりません。そうすれば、合衆国に対して他の国々はもっと平和的に振舞うようになるでしょう。これは未熟な考えではありません。わたし達は、いまだ、いつ敵に脅かされ、攻撃を受けるか分かりません。そうした敵に備えてわたし達は強力な軍隊をずっと持ち続けなければなりません。けれども、同じわたし達が、他の国々と友情を育むこともできるのです。その努力こそが、たまたま油田の上に生まれて暮らす人々に爆弾を落とし拷問するよりも、ずっとわずかな犠牲で、わたし達の安全を確かにするでしょう。

(以上仮訳 by どすのメッキー 10th July 2007)
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 平和のポリシーと、わたし達の国の憲法前文を重ね合わせてみてください。人間は、それぞれどんな迷路に迷い込んでも、いつか同じ旗を掲げてひろい道を一緒に歩く日が来る、という希望を感じませんか?

 "You are the wind beneath my wings."

 これは、ベッド・ミドラーのグラミー受賞曲「愛は翼にのって」の有名な一節です。この歌は、911直後遺族を励ました歌としても知られますが、今この曲を聞いていて、シンディやのメッセージや"If I Were President"の文章は、わたし達の翼をはらませ、空に舞いあげる風のように感じます。

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2007/07/09

革命の前夜を迎えた ~ シンディ・シーハン復活メッセージ

 なんと、わたしも全く予想できなかったことですが、5月28日に休養宣言をしたシンディ・シーハンが、今年の独立記念日を前にした7月3日、キャンプ・ケイシー関係者にあてたメッセージで、早くも運動への復帰を発表しました。原文は、英語のサイトでは既に多くに取り上げられています。

 きっかけは、同じ3日、ブッシュ大統領が、CIA工作員実名漏洩事件で有罪判決が下されたリビー元副大統領補佐官の実刑免除を発表したことでした。この事件は、イラク開戦の情報操作を米紙で批判したウィルソン元大使への報復として、CIA工作員だった元大使の妻の実名をメディアにリークしたもので、チェイニー副大統領はじめ、「ブッシュ一味」全体が関与していたことが明るみに出ました。

 被害者のウィルソン元大使が、「法の支配と司法制度を完全に堕落させた」と非難したほか、米各紙が批判、ロサンゼルス・タイムズの直後の世論調査でも、72%が恩赦に反対しました。また、アメリカン・リサーチ・グループが6日発表した世論調査によれば、ブッシュ大統領の弾劾を支持する人が45%で不支持46%と拮抗し、チェイニー副大統領弾劾を支持する人は54%と、不支持40%を大きく上回っています。シンディが復帰のメッセージで弾劾は不可能でないと述べた状況が、まさに現実のものになってきました。

 シンディの口調は、休養を発表した文章に比べると短いですが、明らかに饒舌で、彼女が元気を取り戻したことをうかがわせます。(そのかわり翻訳は大変)

 シンディが冒頭で述べているように、シンディ休養中も、駐イラク米軍はヘリコプターによる空爆などでディヤラ州都バクバを攻撃し、市民少なくとも350人を虐殺し、宗派対立を解決するのには絶対に必要なIFCのアブド・アルフセイン・サダム氏を暗殺しました。そして、ブッシュ大統領は更に駐留軍を増派しようとさえしています。今の政権に泥沼から抜け出す能力も意思もないことは明白です。

 独立記念日の前夜を意識して、彼女は、ブッシュ政権の打倒を、ジェファーソンを引用してついに「革命」と名づけました。米市民運動家が、政治を市民の手に取り戻す運動を「革命」と呼んだのを、わたしは最近はじめて聞いたような気がします。

 アミー・グッドマン氏のインタビューに着手したばかりでしたが、こういう展開であれば、復帰宣言を優先するのも許していただけるでしょう。7月4日は、シンディにとって再び独立記念日となりました。では、また拙訳で恐縮ですが、彼女の活気あふれる声を日本語でお読みください。

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【扇動者にアウトを宣告しよう】
"Call out the Instigator"
 http://www.commondreams.org/archive/2007/07/03/2276/
(3rd July 2007 by CommonDreams.org)

 わたしは引き下がりません。ブッシュ一味が悪の帝国に作り変えようとしているアメリカの政治的な分野から立ち退こうしましたが、ジョージが大胆にもスクーター【訳註1】の実刑をご存知のように、全面的な恩赦も含めて、あからさまに減刑したことは、わたしを再び跳ね上がらせ、叫ばずにいられなくさせました。わたしは、ブッシュ一味がこれ以上ファシズムと暴力の泥沼にこの国を引きずり込むのを、彼らと一緒に休みを取って見過ごすことはできません。

 わたしはこの5週間静かに休むことができました。でも、その間も悲しいことにジョージの殺戮はエスカレートし、イラクでの虐殺は増えていきました。そして、戦争に反対だと考える人は、アメリカ人のほぼ5人に4人にまで急増しました。「極めて重大な」(grave,grave)違反【訳註2】が見つかった場合以外弾劾を準備すべきでないとバラク・オバマ上院議員が主張したた時も沈黙を保っていました。そう、ブッシュ一味の嘘と強欲のためにもう何十万もの墓(grave)が掘られたのですけどね。驚いたことに、ジョージは、FISA法【訳註3】ばかりか、不法な捜索や押収を禁じた合衆国憲法修正第4条にも違反したことを認めました。ビル・クリントン元大統領のスキャンダルへの批判は、今のジョージ・ブッシュやディック・チェイニーやルイス・リビーに対するものほど重大だったかしら。ホワイトハウスのニクソンの犯罪と傲慢が、主体性のない議会が「メエー」【訳註4】と鳴かなければやがて薄らいでしまうなどと考えたことがあったでしょうか。【訳註11(追加)】

 アブグレイヴの信じられないような拷問の映像をわたし達が見たとき、そして、自分の裏庭にあるグアンタナモ収容所の非人道的な囲いの中に、米軍への不道徳な贈り物として何百人もの人達が投獄されたのをわたし達が知ったときも、ジョージは、アメリカは「決して拷問などしていない」と言いました。

 ジョージとディックの犯罪者一味、行政府として知られる機関が、人類や政府や個人の他のあらゆるものと同じ基準で、責任と管理を維持できないと言う限り、わたしは口をつぐまなければなりませんでした。

 最近、ナンシー・ぺロシ【訳註5】が弾劾は「意味がない」と語ったと報道されました。彼らが投票に参加しないため、弾劾はあまりに時間がかかりすぎる、と言うのが彼女の理由ですが、それは間違っています。ブッシュの追従者が反対し、丸め込み、脅し、威圧しても、わたし達の憲法、イラクの人々、わたし達の兵士を擁護し護るために、民主党が、最近成立した戦費法に「拘束力のない」撤退期限の付帯決議を加える政策を「すみやかに」実現していたなら、弾劾は不可能でないどころか、むしろ見込みがあったでしょうに。

 それでも、スクーターの実刑が最近免除されたことは、疲れ果てたらくだの背骨を折る藁の最後の一束となりました。パトリック・フィッツジェラルドは、少なくともブッシュ犯罪団のひとりを裁きの場に連れてくるという思い切った仕事をなしとげた思慮深く几帳面な検察官です。わたし達はとても喜んだのですけれども、それだけでは不充分で、フィッシュジェラルド氏は、行政府に群がる屑どもをもっと深く調べようとしていることを知りました。ブッシュ政権の無法は西部にまで及び、収監者達が米国政府の恩赦まで確実に支配しているのです。

 わたしの大切な友人、H2C【訳註6】のレノックス・イヤーウッド師は、「公務員・紳士にあるまじき不作法行為」【訳註7】のため、空軍に悩まされ続けています。なぜなら、「師」は、絶えずイラク戦争とファシストブッシュ政権に抗議をすることによって、誠実に公務員あるいは紳士としての責務を果たしているからです。師はまだ即応予備役兵【訳註8】に属しているので、すべての「公務員・紳士(あるいは女性)」が中東地域での残虐な誤りに反対すべきであっても、空軍は彼が職務を遂行するべきだと信じています。7月12日ジョージア州メコンで行われた聴聞の後、彼はアトランタにあるマルチン・ルーサー・キング師の墓からワシントンD.C.へと「象徴的」に歩き始めます。わたしも彼のためにそこへ行き、行進を始めますが、わたしはそれを象徴的なものにとどめるつもりはありません。

 わたし達は、7月13日にジョージア州アトランタから米議会へ歩き始めます。そして7月23日にワシントンに到着し、間違った指導者を家に送り返し、彼らの故郷にある正義の音楽(music of justice)に直面させようと思います。

 ブッシュ一味の追放を要求するために、わたし達「田舎者」(ファシストのエリート支配層の目にはそう映っているのでしょう)が怒りの「熊手」と真実の「松明」をかかげてワシントンへ行進する時が来たのです。わたしには夢があります。ブッシュ一味が建て、人々であふれる短期収容所が、そのかわりにオレンジ色【訳註9】のネオコンと同調者でいっぱいにさせる夢が。

 もし議会がブッシュ一味を政治の場から葬らないなら、それはわたし達人民の仕事です。トーマス・ジェファーソンは、わたし達が20年ごとに革命を起こさなければ、共和国を誠実には保てないといいました。【訳註10】わたし達の最後の革命(南北戦争を革命と数えなければ)以来もう225年が経ち、ジェファーソンの言った期限はとうに過ぎています。TVを消して、あなたのペットに別れのキスをして、あなたの子どもを連れて、腐敗した連邦政府に押しかけるか、わたし達の行進に加わってください。犯罪者ブッシュ一味とそれに共謀する議会が、彼らが仕事に不つりあいなバケーションに出かけてしまう前の最後の週、真正面から立ち向かい、責任を求める運動のために。イラクの議員が働いているのに、よくもバケーションなんかとれるものだわ。

 革命前夜に:そう思うでしょう!

 シンディ・シーハン

【訳註1】ルイス・リビー・ジュニア。「スクーター」は幼少時からのニックネーム。弁護士出身で、01年から05年までの合衆国大統領補佐官。ブッシュ政権の要職をつとめ、CIA工作員名漏洩事件に関して、偽証などで有罪判決を受けていた。
【訳註2】原文のbreechesをbreachesの誤記と解釈して訳出
【訳註3】合衆国に対するテロや諜報活動への関与が疑われる人物に対し電子機器を用いた情報収集や強制捜査を実施する場合、政府が従わなければならない手続きを決めた法律。1978年制定。
【訳註4】ヤギの鳴き声。
【訳註5】民主党、今年1月に下院議長に選出された。米国初の女性議長。
【訳註6】ヒップ・ホップ会議。人々の結集した力を信じる個人の国内、及び国際的な連帯を目指して1964年に設立された非営利組織。
【訳註7】米国軍事司法統一法典第133条。イラク戦争が正義に反するとして服役を拒否した米国陸軍中尉アレン・ワタダ中尉が昨年7月5日起訴された「罪状」の一。
【訳註8】IRR。志願軍役に於ける誓約上の期限を終えて市民生活に復帰しているが、国家危急の際に動員される。
【訳註9】服役者はオレンジ色のジャンプスーツの着用が義務づけられる。
【訳註10】直接の引用原点ではないが、ジェファーソンの起草したアメリカ独立宣言の以下の有名な文章を想起させる。「すべての人間は平等につくられている。創造主によって、生存、自由そして幸福の追求を含むある侵すべからざる権利を与えられている。これらの権利を確実なものとするために、人は政府という機関をもつ。その正当な権力は被統治者の同意に基づいている。いかなる形態であれ政府がこれらの目的にとって破壊的となるときには、それを改めまたは廃止し、新たな政府を設立し、人民にとってその安全と幸福をもたらすのに最もふさわしいと思える仕方でその政府の基礎を据え、その権力を組織することは、人民の権利である」
【訳註11】アメリカの弾劾裁判制度は、下院が訴追し、上院が裁判する。1974年、ニクソン大統領に対し、下院の司法委員会は訴追勧告を決定したが、勧告に従い下院が訴追決議をする直前に大統領は辞任。クリントン大統領は1999年下院による訴追決議の後、上院で弾劾裁判の審議がされたが無罪判決。

(以上仮訳 by どすのメッキー、9th July 2007、訳註追加 11th July 2007)

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2007/07/07

イラク駐留米軍、主権回復と政教分離求めるイラク自由会議幹部を暗殺

 以下、向井さんの呼びかけも含めすべて転送・転載歓迎です。

 米軍の直接の虐殺だけでなく、宗派対立の名の下にイラク人同士が殺しあうイラクの中で、徹底した非暴力の原則を貫いてたたかうレジスタンス組織があります。それが、イラク自由会議(IFC)です。

 http://www.ifcongress.com/English/index.htm

 2005年3月に設立されたIFCは、イラクの占領軍撤退と主権回復とともに、政教分離の民主的政府樹立を求める運動として、宗派対立が続くイラク国内で独自の輝きを放っています。子どもを一番の希望とするサミール・アディル議長は、イスラームの教えは子どもについて語らない、と指摘し、われわれはスンニ派、シーア派の前に、まず人間であるべきだと主張して、宗派を超えた国内の連帯にも成果を上げています。イラクの占領を終わらせるために、わたし達が連帯すべき相手は誰か、彼らの活動を知ることが答えを与えてくれるように思います。

 ところが、そのIFCの安全部隊の隊長をつとめていたアブド・アルフセイン・サダム氏が、7月4日未明、米軍とイラク国家警備隊に襲撃され、殺されるという事件が起きました。彼の娘も重傷を負ったとのことです。以下のIFC声明にもあるように、IFCの安全部隊が住民の信任を得ている地域では、米軍、宗派の民兵、家族による暴力がおさまり、住民の自治が進んでいたにもかかわらず、米軍特殊部隊はその安全部隊長の自宅を襲撃した上拉致し殺害しました。

 イラク国家警備隊が襲撃を支援していることからも分かるように、傀儡のマリキ首相は、政教分離と米軍即時撤退に努力するIFCを支援するどころか敵視し、同胞の殺害に手を貸しているのです。

 以下、アブド・アルフセイン・サダム氏の死亡が確認された7月6日にIFCが発表した声明を仮訳しました。

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【アブド・アルフセイン・サダム暗殺に対するイラク自由会議の声明】
Statement of Iraq Freedom Congress on the Assassination of Abdelhussein Saddam
http://www.ifcongress.com/English/News/2007/0707/ifc-abd-state.htm

 テロリストである米軍は、7月4日バグダードのAlattiba近郊で、イラク自由会議幹部のアブド・アルフセイン・サダムと彼の娘に発砲した後、彼を拉致しました。その2日後、彼の遺体はYarmouk病院の鑑識センターで発見されました。この犯罪行為を犯した米軍は、イラク国家警備隊の支援で特殊な軍用車を使う特殊部隊でした。

 アルフセイン・サダムは、1957年バスラの進歩的な家庭に生まれました。彼は1997年フセイン政権を厳しく批判した罪で情報局に逮捕され、2年間拘束されています。2006年11月、彼はイラク自由会議の隊列に加わり、2007年4月に安全部隊の隊長になりました。同じ年の6月には、イラク自由会議の中央議会の補助議員に選ばれました。

 彼のものおじしない度胸は多くの人の知るところでした。彼はバスラ、そしてバグダードの多くの地域で慕われる存在で、社会的影響力を持っていました。彼はまた、安全部隊のメンバーが実地訓練や演習を行うバグダードの多くの地域でその指導者でした。人々の安全や治安を掻き乱す宗派的なギャングを決して許さない勇気でも彼はよく知られていました。彼が安全部隊の指導者を努めていた期間を通して、彼の住んでいた地域だけでなく、安全部隊の活動していた地域で宗派対立による殺人は起こらなかったのです。

 安全と治安に関する例として、彼はAlaiwadeh近郊の状況を変えることができました。さらに、彼は多くの安全部隊隊員やイラク自由会議のメンバーとともに、「わたし達はスンニでもシーアでもない。わたし達はまず人間なのだ」というイラク自由会議のスローガンを発表しそれを広めました。しかし、それが占領軍と宗派的対立につけこむギャング達を怒らせてしまったのです。犯罪者米軍は、彼らがテロリストのギャング達となんら違いがないことを改めて証明し、その犯罪の記録に新たな例を付け加えました。米軍は、社会の富を盗むためだけにイラクにやって来たのです。

 これが、犯罪者が持ち込んだ民主主義の実態であり、彼らはイラクをその法律と宗派的なギャングの法律に支配されるジャングルに変えてしまおうとしています。そこでは、人間性を護るどんな旗も掲げることを許されず、したがって、イラク自由会議がその方針と決意を変えないと見るや、本部を襲撃し、メンバーを逮捕し、指導者の一人を暗殺することで打撃を与えようとしたのです。

 イラク自由会議は、わたし達がアルフセイン・サダムの誘拐に対する声明で喚起したように、テロリスト米軍が実行した犯罪行為に対し適切な対応をしていきます。

 米軍マフィアのアブド・アルフセイン・サダム暗殺は、イラク自由会議の決意をくじくことはできないでしょう。そして、それは、イラク社会からあらゆるテロリストを追放する努力を続ける新たな原動力となるでしょう。アルフセインを殺害しても、彼の精神、大きな夢、宗教的に自由で、人道主義が満たされ、占領や宗派的な暴力のないイラクを実現するための勇気は、自由を愛する人々の心の中に、ずっと生きつづけるでしょう。

 アルフセイン・サダムよいつまでも。
 占領とその同盟を打ち負かそう。
 イラク自由会議よいつまでも。

 イラク自由会議
 2007.7.6

(以上、仮訳byどすのメッキー)

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 安倍首相は、就任直後の昨年10月3日、すでにイラク攻撃の根拠はすべて崩れているにもかかわらず、イラク攻撃を支持した日本政府の選択は正しかったと強弁しました。

 イラクの地獄を現出させた米政府はもちろん、日本政府の行為にもわたし達が主体者として責任をとらせる努力なくして、日本国憲法の平和主義の実現はありえないと思います。

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2007/07/04

死刑で応えるのが正義なのか

 近代国家が、紛争の解決に、裁判という面倒な手続きを採用しているのは何故か、考えたことはあるでしょうか。

 正義は不変ではなく、まして一個人に帰属するものでもありません。積み上げられた原則に普遍性がないという意味ではありませんが、それを個々の問題に適用するには、必ず個別の判断が必要になります。完全な人間というものがいない以上、その時々で最善の判断をするしかありません。不完全ながらに最善を目指すには、科学的検証と、異なる立場の人間による意見を時間をかけてつきあわせる努力を避けては通れないのです。もし結果が最初から決まっていて、その執行に国家がお墨付きを与えるだけの裁判なら、それは人間の知性に対する侮辱に等しいと思います。「人権侵害の被害者に真の正義をもたらすためには、被疑者に対する公正な裁判が不可欠」という立場は、あらゆる場合に共通した原則だと、改めて強調したいと思います。

 完全な判断と言うのが、理想上にしか存在しない以上、人間が他者に合法的な死を求めることもできません。人の生命を奪うのは、少なくともそれ以外の選択肢があり得ない場合を除き許されることではありません。それならば、理不尽な殺人の報復に死を持って応えるのも同様に許されないことなのではないでしょうか。

 どれだけ悲惨な死を与えられても、その死を後から何かで埋め合わせることは絶対にできません。残された者が、その怒りや悲しみを爆発させるのは当然としても、それを殺された者、死んだ者を主語にして語るのは、わたしには傲慢に感じます。今年父を失ってからは特に。残された者が加害者に報復してやりたいという感情は理解できます。しかし、それを個人の感情を超えた万人の正義に安易に転化してしまう風潮には大きな不安を感じざるを得ません。そうした結果がどういう世界を現出するか、わたし達はイラクで今目撃しているではありませんか。

 殺人は許されません。暴力も同様です。苦境に立たされた経歴が犯罪自体の深刻さを軽減できるわけではありません。しかし、わたし達が殺人や犯罪に関与していないのは、偶然に過ぎない、ということも謙虚に見つめなおしてほしいのです。生まれつき殺人者として生まれてくる人間がいないように、自分が生まれる国家、時代、家庭環境、そのほかが異なれば、決して殺人を犯さないという人間はいないと思います。

 殺人は取り返しがつかないからこそ、わたし達は、弱い人間が殺人を犯さなくても済むような世界づくりに目を向けるべきです。シンディ・シーハンは、息子を殺したイラクの武装組織に報復を望んではいないし、ブッシュを死刑にしてほしいとか主張したことはありません。そういう主張をすることは、きっと一時的な自己満足にはなるでしょう。しかし、彼女はもっと厳しい、本質的なたたかいに身を投じたのです。彼女自身がアメリカと言う戦争遂行国家から自立し、他の米国の母親も自立させるためのたたかいに。

 一部の殺人事件の裁判に対し、無責任な野次馬がにわか正義漢を気取って、被告の弁護士に脅迫を加えたり、匿名でなじったりするのをわたしは許すことができません。しかも、最近の裁判では、物的証拠よりも世論迎合を優先して、真実より結審のスピードを評価する傾向があるように感じます。死刑廃止論をキレイゴトと嘲笑する人たちに、粘り強く真実を求める弁護団を上回る勇気を見たことはありません。

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2007/07/03

核兵器の使用を正当化できる理由はない

 キューバ革命が成就した1959年、実質的な外務大臣の役割を担って世界を歴訪したゲバラが日本にもやってきた。当時首相は岸信介。3月には、東京地裁の伊達秋雄裁判長が砂川事件に関して、「憲法は外国軍隊の駐留を許していない、従って刑事特別法も違憲であるから、同法により起訴された被告は全員無罪」とする判決を下したのに対し、検察の跳躍上告を受けた最高裁がこの判決を破棄、差し戻した。11月には安保条約反対の2万人のデモ隊が国会に突入、そういう年だった。ゲバラは、大使館スタッフから靖国神社に参拝する予定が決まっていることを聞かされるが、アジアで多数の人々を殺した兵士がまつられている場所に行くわけには行かない、と拒否し、急遽広島を訪れた。そこで彼は「米国にこんな目にあっておきながら、あなたたちはなお米国の言いなりになるのか」と尋ねたという。加害者の側面と被害者の側面を同時にとらえ、それを混同しない感性がゲバラにはあった。

 自国の加害を直視できない人間は、同胞の被害についても冷淡なものだ。久間前防衛相の発言は、それを如実に示した。沖縄戦や原爆投下が始まる前に終戦を受け入れるチャンスはじゅうぶんあった。無謀で残酷な戦争を始めた責任者がそれを止める勇気もなく生き延びているのに、数十万以上の無辜の命がなぜ犠牲を引き受けなければならないのか。

 核兵器の使用を正当化できる理由はない。こういう場合なら、やむを得ないという条件を認めてしまえば、米国の核軍拡も、北朝鮮の核実験も批判する根拠を失ってしまう。わたしは、小泉政権以降、日本政府がいかに核廃絶を遠い課題に押しやり、あからさまなダブル・スタンダードを使い分けているか検証してきた。小泉政権や安倍政権は、北朝鮮やイランの核兵器は許さず、イラクにいたってはない核兵器まででっちあげて侵略を支援したが、米国の核の先制使用には抗議せず、核兵器開発を公言したインド・パキスタンには米国と一緒に技術供与まで行おうとしている。核を横目に見ながらの繁栄など、いつ崩壊するか分からない砂上の楼閣にすぎない。

 安倍首相は、2日久間氏との会談で、野党が罷免を求めていることについて、「そんなのはいいよ、そんなのはよくある話だから」と述べたという。一国の首相の姿勢とはにわかに信じかねる軽薄さである。安倍首相は、久間氏の辞任で参議院選挙への影響を最小限にとどめたつもりかもしれないが、そんな簡単な問題ではない。IAEAも、もともと戦後日本とドイツの核武装を阻止する目的でつくれられたものだ。中川昭一自民政調会長の核武装容認発言、そして今回の久間前防衛相の発言は、アジアだけでなく、世界中で、日本の戦前レジームへの回帰を連想させているだろう。

 野党は、久間氏が辞任したからといって、追求の手を緩めないでほしい。彼を任命した安倍首相を辞任に追い込むまで、妥協してはいけない。

 それにしても、後任が小池百合子氏とは。安倍内閣は、とことん人材不足と言うほかはない。2年前、小泉内閣で「環境大臣」をつとめた時、彼女は辺野古の基地推進を擁護するあまり、「辺野古沖のジュゴンは北限とされるが、地球温暖化で北限はどんどん上がっている」等と、地球温暖化歓迎とも受け取れる発言までしていた人物である。

 こうしている間にも、駐イラク米軍はヘリコプターによる空爆などでディヤラ州都バクバを攻撃し、市民少なくとも350人を虐殺している。

 自国民が虐殺されても、他国民が虐殺されても、米国には何の意見もできない安倍政権には、もうご退場いただく他はない。

 ※以下は、本ブログの過去関連記事。

【下品なのはあなただ!】
 http://hope.way-nifty.com/a_little_hope/2006/10/post_db27.html

【「核兵器の全面的廃絶に向けた新たな決意」採択の意味】
 http://hope.way-nifty.com/a_little_hope/2006/10/post_a14d.html

【「近核保有国」日本は本当の「核保有国」になるのか】
 http://hope.way-nifty.com/a_little_hope/2006/10/post_ea11.html

【世界で偉業を成し遂げるために国家が核兵器を保有する必要はない】
 http://hope.way-nifty.com/a_little_hope/2006/12/post_c62f.html

【核の二重基準】
 http://hope.way-nifty.com/a_little_hope/2007/01/post_7fbd.html

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